「パブとビールと音楽と」ブライトン・イギリス その1
パブはご存じでしょうか?パブとはpublic houseの略称で、日本語では「酒場」。日本でいう居酒屋がイギリスではパブになる。パブという場所は本当に面白い空間で、いつ行っても飽きない。誰か友達と言って飲むのも良し、一人でのんびり飲むのも良しと本当にいい文化である。
というわけで、今日はパブについて書きたいと思います。
・パブの店内。ビールのラベルが乗っているので、簡単に注文できます。
・休日の昼のパブ街。テラスで飲むのが楽しみ方です。
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1.イギリスのパブ体験
僕自身イギリスに来てやりたいことが本当にたくさんある。僕にとって初めての海外渡航だったし、高校の時から憧れていたことのほとんどは海外の文化だったからだ。その中でも「パブに行く」ってのはあこがれの中の一つで、「イギリスに行ったらまずパブにいこう」と考えていたくらいだ。
というわけで隔離の期間が終わった次の週にパブに行ってみた。錆びたドアを開けるとバーカウンターに元気な女性が立っている。「ハーイ」と元気に挨拶をしてくれた。席にはいろんな人がいる、中年のおじさんや、カップル、若い人達まで。みんなパイントのビールを頼み、ゆっくりと時間を過ごしている。
バーカウンターにはビールサーバーがいくつも連なっている。ギネスやハイネケン、バドワイザーなど日本でも飲めるビールもあれば、ここでしか飲めないようなビールも多くある。きっと選ぶのに悩むはずなのだが、僕はIPA(インディアンペールエール)を飲むとイギリスに来る前から決めていたので、適当にIPAを頼んだ。
2.IPAについて
IPAについて少しだけお話しすると、IPAとはペールエール、イギリス発のビールだ。ペールエールの特徴として、基本的にはビールを冷やさない。常温で飲むのがベターだ。日本のキリンやアサヒとは大きく違っている。もともとの作り方が違うので、初めて飲んだ時には「これビール?」と思う方もいる。
ペールエールの中でもIPAはホップの含有量が高いものを指す。これには歴史的背景があって、インドがイギリスの植民地時代だったころ、インド在住のイギリス人にエールを輸出するために、ホップの含有量を増やした方が長期間保存できるため、ペールエールとは異なったビールが完成したのだ。
・franciscan wellのchieftain IPA。店員さんに「おすすめのIPAを教えて」と聞くとでてきました。
・ブリュードックのパンクIPAとハンバーガー。気に入っているビールです。
話を戻すと、パブでIPAを頼んだ。すこし堅めのソファーに座って一口飲んでみる。ホップがかなり含まれているので驚くほどフルーティーな味わいなのだ。匂いはグレープフルーツの匂いがする。ビールというよりは果実酒、ワインに近い。日本のアサヒなんかは「のどごし」を重要視するけれども、エールは口の中でゆっくりと味わう。キンキンに冷えていないので、舌触りがなめらかなのだ。
これが初めてのパブ体験。これ以降頻繁にパブに行くようになった。日本だとあまりビールを飲まなかったけれど、イギリスに来てから間違いなくビールを飲む量が増えた。中世のイギリスの水は汚かったため、ビールが飲料水代わりに飲まれていたのは有名な話だけれども、ここにきてその気持ちが少し分かった気がする。ここまで手軽においしいビールを飲めるのなら水を綺麗にするという発想はなかなか生まれないだろう。誤解を生まないために補足すると、今のイギリスではタップウォーター(水道水)も安全に飲める。
その2へ.....
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