見出し画像

ハイスキルな外部人材を活用してみたい企業が、まず考えること(パート1)

はじめに


さて、世の中の副業解禁と共に自分の会社でも外部人材を活用し経営課題を解決できないかと考える経営者、事業責任者の方も増えてきたのではないでしょうか。

ここではスキルのある方々に本業を活かした副業を紹介するという「プロの副業」というサービスを0から立ち上げ、これまで運営してきた経験を活かし、これから社員以外の外部人材活用を検討している企業の方々に少しでも参考になるようなコンテンツを発信していければと思っています。

※尚、ここでは副業人材やフリーランスなど含めて、正社員ではない関わり方ができるスキルある方々を総称して、「プロの助っ人」と呼ぶことにします。

プロの助っ人ニーズ

・新しい働き方を希望する正社員側のニーズ

平成30年1月に厚生労働省により「モデル就業規則」の改定が実施されまいた。これにより「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」という規定が排除され、新たな働き方の推進が、ますます推奨されるようになりました。

厚生労働省、副業・兼業の促進に関するガイドライ

最近では、みずほFGがメガバンクとして、初めて「副業・兼業」を解禁しました。



副業・兼業ニーズは、企業に勤める正社員たちのより柔軟な働き方を希望する声や、将来への不安、更なるスキルアップへのニーズ、あるいは会社では活かしきれないスキルを活用する機会の模索などから推し進められてきました。

ここ最近も徐々に副業をするサラリーマンも増えてきており、いよいよサラリーマンという言葉がなくなる未来もそう遠くないかもしれませんね。

人生100年時代、終身雇用の崩壊などといった社会観点の変容と共に、潜在的なニーズがより、具現化され、顕在化してきているのだと思います。

・スピード感を持った事業推進の為の企業側ニーズ

一方、企業側でも、技術革新やこれまで想定していなかった他業界との競争、多様化する社会ニーズに対応していく為に、大企業だけでなく、中小企業でも、スピード感を持った経営、事業推進が必須となりました。それによって今まで以上に社内にない技術、スキル、ノウハウを持った人材をどう取り込んでいくかということが課題となってきています。

また、スタートアップなどでは、フルタイム採用が資金的にまだ厳しい場合でも、優秀な人材の確保というのは何をおいても重要な為、供給側(副業・兼業人材)と需要側(企業)のマッチングが加速していることも背景にあるかと思います。

目的に沿ったプロの助っ人を考える

<企業視点でプロの助っ人・兼業人材の活用を考える>

さて、人材を受け入れる企業の視点でプロの助っ人のスキル、経験を最大限に活用するのには、どういった準備が必要でしょうか。

プロの助っ人側(副業する人材側)がうまく副業や業務を行うコツやノウハウなどは徐々に目にするようになりましたが、プロの助っ人を迎える企業の視点・観点でのコツやノウハウなどは、まだそれほどない気がしましたので少しまとめてみたいと思います。

・特定スキル取得、補完タイプ

プロの助っ人のニーズで一番高いのは、やはりエンジニアやデータサイエンティストではないでしょうか。本当はフルタイム、正社員での採用も考えているが、なかなかこの職種は売り手市場ですし、必要なスキルを持ったエンジニア、データサイエンティスト自体が市場に少ないといった現実があると思います。

良い人材に出会うまで、必要なプロジェクトを延期にするのは、他の社員のモチベーションを考えても得策とは言えないので、外部人材の活用・登用で、スピード感を持って事業を促進したいところです。

また、マーケティング組織においても、SNSの「なかの人」として運営したスキルや、デジタル広告の運用スキル、マーケティングオートメーションのシナリオ作成・ツール設定など、自社で現状足りない人材やスキル取得、補完として、このようなスキルを持ったプロの助っ人を効率的に活用するニーズが多くなってきています。

このタイプのプロの助っ人人材の活用は比較的依頼事項が明確に定義しやすいので、はじめての企業でも取り組みやすいのではないでしょうか。

・プロジェクトマネジメントタイプ

スキル取得、補完タイプはどちらかというとプロの助っ人に戦力として、実務を実施してもらうことを目的としていますが、実務を実施する人材はいるが、事業やプロジェクトを俯瞰して管理、ディレクションできる人材が不足している企業も多いと思います。

通常の業務と並行して、実施するプロジェクトタイプの業務(プロトタイプ開発、中規模の調査プロジェクト、自社メディア立ち上げなど)の場合、プロジェクトを管理するリソースまで社内で捻出できない場合、週に1-2回、1-2時間の打ち合わせ + リモートでのプロジェクト管理業務が実施できる外部人材を活用するという方法が考えられます。

プロの助っ人社員側も、普遍的なスキルを活用しつつ、個々の会社の色なども把握できるので、お互いwin-winになる可能性も高いです。

・立ち上げタイプ

これまでにない組織を立ち上げる際に、社内の経験がない人材を抜擢してアサインするよりも、立ち上げる組織の経験がある外部人材を活用する方が圧倒的に効率がいいです。

必ずしも立ち上げを経験していなくても、例えば、カスタマーサクセスのチームでプレイヤーをして活躍していた助っ人社員さんに、実際に実施している業務、利用しているツール、チームとしての目標設定の仕方などを(機密保持を毀損しない前提で)共有いただき、チームのリーダーの壁打ち相手、伴走者として参加いただくと、「生きた」ナレッジの取得が可能になります。

プロの助っ人側も本業ではプレーヤーでも、副業ではひとつ目線をあげた業務を実施することで、本業での成長も期待できます。
この組み合わせは、今後ますますニーズがあるのではないかと思っています。

・スーパー助っ人タイプ

これは、私が実際に担当した企業様案件での例なりますが、ある組織の中で、マーケティング組織のミッション定義が曖昧で、その中のサブチームであるメディアやCRMチームも、上や横、斜めから依頼されるさまざまな業務が同時多発的に発生し、今いるメンバーだけでは到底対応できない、まさに「オーバーシュート」直前の状態に陥っていました。

採用も並行して実施していたものの、なかなか候補者が上がらず、八方塞がりの時、藁をも掴む思いとして、弊社に外部人材紹介のご依頼いただきました。

実際にお願いすることはキャンペーンのターゲットに基づくメディア購入、特定セグメントの市場調査、なんならバラバラのメディアのデータをひとつのダッシュボードに可視化したい!など、あれや、これやで、業務満載てんこ盛りでした。

上記のようにお願いしたいことがてんこ盛りだったため、希望する人材要件に関してはあまり絞らずにご依頼いただきましたが、幸い大手代理店で、プランナーから営業、リサーチまで、幅広くご経験をお持ちのぴったりな方がすぐに見つかりましたので、アサインはすぐに決定稼働も迅速に行うことができました。

結果、依頼側の要件があいまいでも人材側が勝手に理解し進めてくれるという理想的な稼働状況で事業を大いに進めることができました。

このようなクライアントの意図を読み、自ら自発的に動いてくれるスーパー助っ人タイプをうまくアサインすることが、今後の経営課題突破には最大のポイントかと思っています。

このスーパー助っ人タイプについては次回、更に深掘りしていく予定です。


外部人材を募集することを決めたら、まずすること



・依頼したい業務を考える、そしてワークフローに落とす

外部人材に何を依頼したいのかを考える前に、自分のチームの中で定期的に発生している業務や、これから立ち上げるプロジェクトで必要なタスクをまず全て洗い出してみることをオススメいたします。

これは、外部人材を採用しない場合でも大切なプロセスですので、毎月あるいは四半期に一回は実施してみるといいかと思います。

例えば


 ・全てのタスクをリスト化する
 ・同じカテゴリのタスクはグループ化する
 ・ワークフローやプロジェクトプランに落とす前に、「やめてもいい
  こと」を決める(これ、結構重要です。プロの助っ人を採用する
  前提でタスクを増やすのではなく、目的を達成するのに不要なタ
  スクはこの時点で「やらない」と決めてしまうのがポイントです。)
 ・ワークフローや時間軸を伴うプロジェクトプランを起こす
 ・それらを俯瞰して、どの部分のリソースが不足しているのか、
  どこを強化したいのか考える
 ・具体的に、依頼事項、要件に落とす(書面化必須!)


このプロセスを実施することで、本当に必要な外部人材活用のイメージができるかと思います。リサーチや特定技術が必要なプロジェクトの場合や、全く新しいプロジェクトを立ち上げる場合は代理店やコンサルティング会社に提出する要件定義の方がマッチするかと思いますが、いずれにしても現状の業務の整理をしてみることで、新たなニーズが見えてくると思います。

・依頼したい部分を明確化する

ワークフローの切り出しであれ、新たなプロジェクトの要件定義であれ、依頼したいタスクを明確に書面に落とすことが重要になります。その際に、下記のポイントを是非、検討してみてください。


・実施するタスクやプロジェクトがもたらす「成功状態」
・その成功状態に「いつ」までに到達したいか
・その成功状態を実現するために「ブロッカー(障壁)」となること(仮説でいい)


ちょっと大げさに聞こえるかもしれないですが、ハイスキルな外部人材は様々な経験やスキルを持っていることが多いので、依頼したいタスクや作業をまとめる際に、「それを何故実施するか?」「どうなりたいか?」も一緒に伝える方が、企業側が気づいていない視点やアドバイスも引き出しながら業務が開始できより効果的です。

・コミュニケーション方法、期待値を決める

ここでご紹介しているような外部人材の主な業務方法はリモートメインになるので、お互いに負担のないコミュニケーション方法を予め決めておくことが非常に重要になります。

企業が既に利用しているコミュニケーションツール(GoogleやMicrosoftの各種ツール)のアカウントをプロの助っ人に発行できるのであれば、それが一番効率がいいかと思います。

このあたりは、セキュリティ面で難しい場合があると思いますが、その場合は、Slack、Zoom、Wrikeなどの無料版をまずはお互いに使えるように設定するのがいいかと思います。

また、日中の連絡が可能なのか、その場合の返事までの時間の目安はどのくらいなのかなど(実際には柔軟に対応することになるので、あまり細かく決めると双方負担になりますが)、大体の期待値だけを決めておく方がスムーズに進行できます。

1日1回はSlackを確認する、自分にメンションがある場合は翌営業に一度返信するなど、予め、タスクの目処をお互い相談してから着手するなど、ちょっとした「お作法」の決めがポイントになってきます。

今回は以上になります。

次回は「スーパー助っ人」人材を迎える場合の企業側の必要な準備などをまとめていこうと思います。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?