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Clubhouseとブロックチェーンとイントラパーソナル・ダイバーシティの話

はじめに

Clubhouseが大人気で、あらゆるところで、クラブハウスがなぜ、ヒットしたのか、次に来るサービスはなど連日熱い議論が繰り広げられています。たまたま私もブロックチェーンを語る部屋というものがあったため、入っていたところ、ブロックチェーンでプロダクトを作る意味とは?という話題になりました。私の順番で、様々な価値観を繋げることができるブロックチェーンはClubhouseそのものという話をしたのですが、とっさのことでしたが以外によくまとまったので(笑)、記事にしてみようと思って記事化することにしました。

イノベーションには知と知の組み合わせが必要


以前何かの勉強会で、シュンペーターという経済学者のスライドを見たことがありました。

Development in our sense is then defined by the carrying out of
new combinations ...

https://www.schumpeter.org/schumpeters-theory

ヨーゼフ・アロイス・シュンペーター 企業者の行う不断のイノベーション(革新)が経済を変動させるという理論を構築した。

という言葉に非常に感銘を受けたのを記憶しています。
異なる知と知の組み合わせによって、新たなコラボレーションやイノベーションが作り上げられるというわけです。

「弱いつながりの強さ」の重要性


よくこれとイノベーションの事例としてセットで紹介されるのが、
マーク・グラノヴェッターという社会学者が掲げた「弱いつながりの強さ」(The strength of weak ties)です。

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"社会学における「弱い紐帯(ちゅうたい)の強み」"The strength of weak ties" 説はグラノヴェッターの名を高からしめた。この説は、緊密な社会的繋がり、例えば親友や核家族は力を行使するには適当だが、密なネットワークは高度に冗長な情報を持つため、探索にはほとんど無用であるとするものである。一方、弱いつながり、即ち単なる知り合い関係では情報の冗長性がはるかに低いため、探索には極めて有効である。しばしば情報は力よりも重要であるから、個人が発展していく(求職等)には弱い繋がりの方が家族や友人関係よりはるかに重要となる。"

https://medium.com/@alohacaira/week-7-the-strength-of-weak-ties-316b2247abe

http://bokardo.com/archives/weak-ties-and-diversity-in-social-networks/

LinkedInやFacebookなどもそうですが、現在のSNSの原型はこの理論をベースとして成り立っているそうです。自分もうる覚えですが、転職などが起きるきっかけも、強い絆よりも、弱い絆のグループの中から起こりやすく、この弱い絆を増やしていくことこそが重要であるというような話を、私が転職をした時に担当いただいたコンサルタントに聞いた記憶があります(笑)

Clubhouseは弱いつながりの強さがたくさん構造体としてできているという仮説


まとめると様々な知見を持った人が集まり、さらにそれらが、ソーシャルという弱いつながりの中で共存しているのがClubhouseの強みであるわけです。そんな場所から新しいイノベーションがバンバン飛び出さないわけがないということになります。少しBlockchainに話を戻すと、これまで思ってもいなかった業界と業界がInteroperability(相互運用性)によって接続性を持つことが可能となります。それはゲームの業界と医療の業界かもしれませんし、サッカーとチェスの連携かもしれません。または古き良き町と、最先端のスマートシティかもしれません。これまではサイロ化された全く異なるデータベースにあったものが、相互に接続されることで新しい価値が次々に生み出されることがブロックチェーンによってサービスを開発することの強みであると思います。以前書いたキッチンOSなどの文脈ではキッチン用品と、レシピという組み合わせの話などがその事例に当たると思います。
https://note.com/oggata/n/n2b86d84c9fb2


イントラパーソナル・ダイバーシティ


グループ内に多様な人材がいれば、異なる知と知の組み合わせが頻繁に起こり、イノベーションが起きやすい
、というのはこれまで話をしてきた通りですが、実はこれを個々人の中でやる方法があるそうです。旅行に行くとか、何か普段とは異なる生活の中でこれらを実現することもそうですし、その方法の一つとして副業を通じて、企業の垣根を超えた様々な経験をすることで、個々の中でのダイバーシティを生み出すことに繋がる = これをイントラパーソナル・ダイバーシティ という言葉で表現することができるそうです。
最近は自宅で過ごす機会が多くなってしまったのですが、仕事の合間に、料理をする、家事をする、ゲームをする、散歩をするといったことも十分イントラパーソナルダイバーシティを体現しているとも言えるかもしれません。頭の片隅に何かアイデアのカケラがあって、それが何かの作用によって、ある日輝き出すということがあるのではないでしょうか。

Conclution

今回はかなり概念的な話になってしまいましたが、多くのブロックチェーン案件で、なぜコラボレーションが必要か?他者に無償でデータを提供するメリットはあるのか?と話題が持ち上がりますが、その答えは全てClubhouseにありますという言い方もあながち間違ってはいないように感じます。


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