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怒り!そびえたつ裸の女!

怒り!そびえたつ裸の女。

ヌードモデルをしていました。
美の神に身を捧げ…

あ、えっと…えっとですね、なんでも美術の世界では、すべての美の基本が女体にあるとかで…絵を勉強する入り口に、女体のヌードを描くことが必須にあり…その先にも、女体を描く絵描きさんももちろんおられ…ヌードモデルという存在は美術界にはかかせない(今のところはたぶん)存在なのです。

わたしも大学で美術を専攻し、裸のモデルさんを描き…感動。こんなお仕事があるのか!自分にぴったりじゃないか!とヌードモデルのお仕事につきました。

(なぜぴったりかって?客観的にみて、自分の身体…親からもらった美しい身体なのだけど自分がダサいので服を着るとダサい…この身体わたししか見ないのもったいないな〜、世に還元できるのでは?と思ったのと、メジャーの歌手を目指していたので、売れるにはよりアーティスティックな生き方のほうがいいかと思ったから。)(ちなみに歌はずっと歌っています。もう自分で歌手と思うことにした。)

そしてモデルの仕事をして何年目かに事件は起きました。

わたしはなんとなんとその時期、自分の出身大学へお仕事へ行くことになり、恩師のクラスで、かつて自分がモデルさんを描いていた教室で裸になり、モデルをつとめていました。(お仕事は他にも個人の画家、絵画サークル、カルチャーセンターなどでもありますが、大学のお仕事もたくさんいただきました。)

そうそう、その大学での事件!について書きますね。

そのころわたしは30歳ちょっと前くらい。そんなにお金があるわけではなかったのですが、思い切ってめっちゃオンボロの(20万くらいの!)軽自動車を買って、乗るのが楽しみであり…お仕事へは普通は電車で行くのですが、たまたまへんぴなところにある大学だったのもあり、車で出勤させていただいていました。

山の上の大学で、美術棟へ行くには細い山道を登らねばなりません。

大学の構内の、山道…その日、脇の土手からボーボーに…めっちゃボーボー…というか、わっさわっさ、背の高すぎる植物がぶわ〜〜っと道に覆いかぶさるほどにはえてきていて…

そのくねくねカーブをちょっとだけ草を避けて大きめに曲がったところに…

!!

坂の上から、スクーター(1人用スクーターに2人乗りでノーヘル)の男子学生達が降りてきたのです!!

(わー!)

ギュッ。

もともとノロノロ運転だったわたしはすぐとまりましたが…。

坂道で2人乗りでくだってきているスクーターはブレーキかけても重みでとまれず…。

あ〜〜ぶつかるなぁ…あ〜〜。

がしゃん。

と、ゆっくりぶつかりました。

でもでも…
バイクの前が壊れ、私の車の前のところも壊れ…

どうしよ〜〜。

向こうは2人乗りだし…
わたしもちょっとふくらんだし…

その時はお互いあやまって…
終わったのです。

なんならバイクの修理代出すべきかなぁ…なんて思っていて、そのことをモデル事務所の社長(女性)に報告すると、「あんたはどこぞのお姫様か!」と、怒られたりもして…。

臨んだ次のその大学のお仕事。で、事件は起きました。

なんとその学生さんは、わたしの担当する美術のクラスの生徒さんで…。

わたしを見つけるなり…

「えっと〜、こないだの事故なんスけどォ、大学の構内は私有地なんで警察関係ないらしいんっスよ。そんでやっぱり車の方に責任があるんでバイクの修理代弁償してもらえますかね?」

と、言ってきた!!

何〜〜〜〜〜?!

この瞬間わたしの怒りはマックスに…

普段はめっちゃおっとりしていると言われる私なのですが…それはDV家庭で育ったために、人とのいざこざを極端に避けたいために自然に身についた所作…。

本物のわしは…

おこりんぼぢゃーい!!

というわけで、

ふつふつと湧き出た怒りを

裸のモデル中に…

そいつに浴びせました。

全神経、すべての気をつかって

裸で!

そいつをモデル代の上から

睨むと…

すすす〜〜

と画用紙の影にかくれていきましたとさ。

その学生さんよ。

こわいよね、裸の女に睨まれるの。

#キナリ杯

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