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怒ってるけどその土俵には乗らない

※最近話題の相撲の話じゃないです、すみません。

数年前に男性の痴漢被害者の記事を書いたときに、「いい切り口だね」とか、「女性の被害だけじゃないもんね」とか、「あれで『おっ、コイツは?』って見方変わったよね」とか言われたことがあった。

つまり、「女性の被害ばかりを声高に言うような女ではなく、きちんと男性の被害にも目を向けているんだね、エラい!」みたいな。

くだらない論理に巻き込まないでほしいんだよ。

私は自分の性被害を最初にブログに書いたときから、男性の被害もあるって書いている。昔付き合っていた人が痴漢被害者だったし、それは珍しいことでも変なことでも笑うことでも軽く扱うことでもない。

「性被害は女のもの」ってメガネをかけてるのはどっちなのか。女でも男でも被害に遭う。特に子どもは、男の子の被害も深刻。「性暴力」って言葉を聞いただけで「また女が被害者ぶってる」「男だけを責めるなよ」ってイライラしてる人って、どれだけ甘えてるの。自分の小さなハートを守るのもいいけど、大人が子どもを守る視点を持ってくれ。

男性の性被害は軽視されてる、女だけが被害者じゃないのにってその通りだと思うけど、それを言う相手って被害を訴えてる女性たちじゃないでしょ。性被害を「女性問題」って呼んで女性が対策するべきかのように押しつけてきたのは「男性社会」でしょ。

男性が被害者に含まれない「強姦罪」ができた明治時代に女性は選挙権すらなかった。去年の刑法改正で「強姦罪」が「強制性交等罪」に変わって男性も被害者に含まれることになったけど、そのように刑法を変えるために先頭に立ってきたのは女性だよ。

男性の被害者の記事を書いた後でも、ツイッターとかで「男の被害には興味ないんだろ」とか@つけてコメントを飛ばされたこともあったけれど無視していた。くだらないから。

「記事には書いていないけれど、お前は本当は心の中で男性差別してるんだ~」とか言う人もいる。エスパーなのか。エスパーレッテル貼りか。(あと、ネット上で一部の人がフェミニストに対してわざわざひどく女性蔑視な意見をぶつけ続けるのは、「男嫌い」な言質を引き出して「ほらやっぱり」と言いたいためだけなんじゃないだろうか。)

最近はこういうの、だいぶ少なくなったと思っていたのだけど、数日前にFacebookで同業の男性(取材分野は違う)から「男性も被害に遭いますよね? 勇気を出して被害相談に行っても笑われたり。これはこれで深刻ですよ?」ってコメントを書き込まれて怒っている。3日間ぐらいずっと腹立ってるので、ちょっとここでも怒っていいか。

これはこれで、じゃねーよ。同じ問題なんだよ。切り離して男女対立にしてるのはどっちだよ。なんで、性暴力の取材をしているライターが、男性の被害も深刻だったり偏見があることを「知らない」と思えるのか。この人は映画ライターに「洋画のレビューを書いたんですね。ところで邦画もいいですよ。黒澤明って知ってます?」とか言うの? 失礼過ぎるでしょ。いい加減にしてくれ。このように挑発されたところで、「洋画と邦画のどっちがいいか」なんて小さな土俵には乗りたくない。

たぶん教育とか性の問題って、スポーツやカルチャーに比べて誰でも口を出しやすい分野なんだろうなと思う。誰でも「自分の経験」があるので、語れると思っている。そのあたりのことはまたいつか書きたい。怒っていてごめんね!


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ヤフーニュース個人:小川たまかのたまたま生きてる https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/

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