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「Voicy」が「おいしい」に聴こえる!? スマートスピーカーでの致命的な失敗【声の履歴書Vol.46】

こんにちは。Voicy代表の緒方です。

この「声の履歴書」という連載は、Voicyがこれまで歩んできた道のりについて創業者の私があれこれ語っていこうというシリーズです。よかったらマガジンをフォローしてくれると嬉しいです。

今回もスマートスピーカーの登場について振り返ってみます。Google HomeとAlexa、LINE CLOVAがしのぎを削るなかでVoicyはビッグウェーブに乗れたのか!?というのが前回まで。

スマートスピーカーは本当に普及したのか。

Google Homeの登場にあわせて、Googleの初期パートナー企業に選ばれたり、それがきっかけで他のパートナーとも続々と提携できたりと、立ち上がったばかりのスタートアップにしては思わぬチャンスが転がり込んできました。

チャンスにきっちり乗っかることができたわけです。

「このまま全国各家庭に1台スマートスピーカーが普及したら、誰もがスマホ経由でSiriやAlexa、Googleアシスタントにつながったら、そのままVoicyもすごいことになるじゃん」って思いました。

でも、スマートスピーカーってそんなに流行ってるんですかね(笑)

僕の感覚としては「そこそこ」という感じです。意外とみんな買わないし、そんなに使いこなしていないですね(一部のアーリーアダプター除く)。

今のスマートスピーカー市場については、登場初期の想定からすればまだ微妙なところです。ただ、横への普及具合はこれからですが、縦の普及具合は着実に上がっていると思います。

深く刺さっている音声アシスタント

どういうことかというと、Google HomeやAlexaとともに生活し始めた結果、それなしでは生きていけない人も出てきています。アーリーアダプターの人達の生活の中にはしっかりと染み込んだのかなと思っています。

たとえば、家の電気やテレビをつけたり消したり、その日の天気を聞いたり、一度生活の当たり前になった人はずっと使っています。

これだけ深く刺さって、使った人が定着するようになることは実証できました。そうすると何かのきっかけで、むしろ一気に広がる可能性は大いにあります。廃れるという方向にはいかないでしょう。

そもそもスマホを持っている人って、もはやスマートスピーカーを身に着けているようなものです。手元にSiriがあるし、Googleアシスタントもある。AirPodsを付けている人は耳元に常にSiriがいるわけです。

あとはそれを使ってどう生活を豊かにすればいいのか、どんな楽しいことがあるのか、ちゃんと見える場所も必要だと思っています。これを使って何を楽しめばいいんだ?みたいな、そこの弱さはある。

だから、いまも「Voicyのコンテンツを全部解放してくれ」って、めちゃくちゃ言われます。

「Voicy」が「おいしい」に聴こえる

Voicyと各スピーカーの関係について語ると、「コンテンツをください」と言われているけれど、いまのまま出してもお互いにいい形にならないと思っています。

例えばスマートスピーカーの設定アプリを開いて、「よく使うアプリ」にVoicyを設定しないといけないんです。「おはよう」と言ったらVoicyの朝のニュースが流れるくらいまでいきたいですが、そこに至るにはまだまだ僕らの力の弱さがあります。

そういう意味ではVoicyはとてつもなく大きな失敗を1つしていまして、スマートスピーカーに「Voicy」と語りかけると、「おいしい」に聞こえるんです。全然上手く聞き取ってもらえないんです。

「この近くにある美味しいお店は〜」みたいな答えが返ってきちゃう。

かなりゆっくり「ヴォ」と発音して、やっと認識してくれます。音声における表記ゆれというか、これは新しいSEOのようなものかもしれませんね。

あとはそもそもスマートスピーカーを持っている人は、スマートフォンでVoicyを聞けるんですよね。それなら僕らとしてもVoicyアプリでパーソナリティさんをフォローしてほしかったりとか、コメントを書いてほしかったりするんです。

だからいまスマートスピーカーから聴けるのは一部の公式ニュースになっています。ITビジネスニュースと経済総合ニュース、野村證券、ながら日経、ヤング日経、毎日新聞、スポニチ、あとは中国新聞、徳島新聞、NewYorkTimesあたりですね。

これらのチャンネルはいわゆるニュースコンテンツなので、切り離されてスマートスピーカーから出ても違和感がないということです。

実は僕らも「スピーカー」をつくりたい。

これから、本当にスマートスピーカーでしかできない体験が出てくると思うんです。それが出たタイミングで、ものすごく普及するんじゃないかと思っています。

スマートスピーカーが出ることによって、僕らは本当に気軽に「人じゃないもの」に対して声を発することができるようになったと思うんです。それって、今後大きな変化になると思う。

だって、今までみんな家に1人でいて声を出すことなんてなかったじゃないですか。いまは1日家にいたのに声が枯れた、みたいなことがあるもん(笑)

これから普通のスピーカーを買うということはないと思うんです。やっぱり音の出口だから、この業界にとってはもちろん大事です。スピーカーを持っていた人達がリプレイスされていくと考えると面白いですね。

発想を飛躍させると、Voicyがスピーカーをつくるとか、Voicyがイヤホンをつくってもいいと思うんです。これはやりたいんですよ。

スマートスピーカーを真ん中に置いて話し始めると、すぐにその場でVoicyの収録ができたりしたら面白いですね。


ーーよかったらまた次回も読みにきてください。

声の編集後記



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