「起業家としては1年生だった」 Voicyをリリースして気づいた未熟さ【声の履歴書 Vol.13】
こんにちは。Voicy代表の緒方憲太郎です。
Voicyがこれまで歩んできた道のりについて書くシリーズ。ついに、ついにVoicyのサービスをリリースします。ここまで長かったですね。
でもそれで一気にユーザーが増えて、、とはなりません。無風の状態が続きます。そうなると余計なことを考え始めてしまいます。
今回はリリース直後の恥ずかしい話です。
(アプリが公開された瞬間に撮った写真)
ここまで散々引っ張ってきましたが、2016年9月23日になんとかVoicyをリリースしました。ありがとうございます。
そこからどうなったか?
さらに迷走しましたね。
ひたすら”きれいなノイズ”を集めようとしていた
今となっては恥ずかしいんですが、僕はリリース直後にとある機能の実装を窪田に詰めていました。
当たり前ですけど、アプリを公開しただけだと誰も使ってくれない。ユーザー数が23人とかなんですよ。アプリを立ち上げた日が1日23人です。聞いてくれているかどうかもよくわからない。
で、パッと周りを見たら、検証用端末が12個ぐらいあったんですよ(笑)半分は自分たちでした。
サービスの小ささに対して、僕たち運営が占める割合がけっこう多いわけです。これだとユーザーのちゃんとした情報が取れない!って焦っちゃったんですよね。
で、どうしたかというと、窪田に「全ユーザーの中の、俺たちの検証端末を除いたデータを出せるように作ってくれ」って話をずっと詰めてました。
今から考えたら、そんなんいらんやろ…と。将来的には誤差になるはずですし、そうしないといけないので。でも当時はもう「数字がわからないとダメだ!」となって、俺たちが聞いてるとイレギュラーな数字が入る!アプリを落とせ!とか言ってた。
そんなの今から考えたら、「どうせたいした人数使ってないし、詳細な数字なんてわからなくていいからプロダクトを磨け!」でしかないんですよね。
そこの細かい数字を分析したところで何ができるねんと思うわけですけど、サービス出したばかりの時ってやっぱりそこがどうにも気になってしまう。ものすごい視座が低かったと思います。
たぶん何千人か使ってくれるようになるまでは、そんなことを考えずにサービスを作っていればいいんですよ。ノイズの中からちょっとノイズを減らしたところで、別になにもならないです。
というのを、真顔で一生懸命、どうしようどうしようって2人で言っていました。
起業家を支援してきたが、自分のことになると…
読者の皆さんはもうお忘れかもかもしれないですが、僕は起業するまでいろいろなスタートアップの支援をしてきました。起業家の相談に乗って、たくさんの課題を解決してきたんです。
それでも、自分のこととなると客観的に見れないし、気が気じゃないわけですよ。
自分が恋愛コンサルタントなら、「そんなもんどっしり構えて、1回メールを送ったら向こうから連絡が来るまでお前は筋トレでもしとけ!」って言えるのに、自分が当事者になったら、「まだメール来ない、まだメール来ない!」みたいな感じになる(笑)
とりあえずやることやったらいいんだよっていうのは、ロジックとしてはわかっているものの、もうちょっと知りたい!彼女なにしてるんやろ今!みたいな感じになるんだなっていうのは痛感しましたね。僕は弱い子だった。
支援家として学んできたいろんなノウハウを、ロジカルにはわかっているのに、それを再現するメンタルのところが十分に成熟していなくて、当事者としての筋肉がほとんどない中でスタートしたんだなというのは振り返って思いますね。
だからいろんな人の言うことをすぐ聞いちゃって、「そっちのほうがいいのかなあ」って試したりしました。でもほとんどの人が見たこともない新しい世界を作ろうとしているんだから、自分が一番自信を持ったものを出せばいいんです。
(自信がないのか。だるまに書き込んだ目もどこか控えめ。)
起業家としては1年生だった。
起業家にはそう言ってきたのに、なんでか自分になると、周りの人の言うこともいろいろ聞いて、上手いこと盛り込んだサービスにしたほうがいいかなって考えちゃうんですよね。
人って不思議ですね。
自分の弱さにびっくりして、結局理論がわかっていたとしても起業家としてはまだ1年生なんだなって思いました。
途中からは周りの人に、「それでベンチャー支援家としてだったらどうアドバイスするの?」って言われるようになって、「それだったらこことここはこうやるでしょ? あ、ほんまやな」みたいな気付きが出てくるようになった。
そうやって1年生を終えていきましたけど、なんで人間ってこんなに弱いんだろうなあって思いましたね、本当。
ーー次回もリリース直後のお話です。まだまだ手探りで進んでいきます。(マガジンにまとめていくのでよかったらフォローお願いします)。
声の編集後記
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