見出し画像

どこで書き方を習ったんですか?

100日を超えてnoteを更新していると、いくつか聞かれる事がある。「どこかでライティング=書き方を習ったんですか?」と「儲かるんですか?なんでやれてるんですか?」という事だ。

まぁ、これは自然な疑問だろうなぁ・・・と思う。

実際に僕もnote内で他の作家さんを見ていて思うから。

毎日のように大量の文章を更新し続けて、しかも内容が濃密でファンの多い人たちの記事をここ1-2年ほど読んできた。

読む専門としてみていた時に、書くプロではない人でも毎日書き続けている姿をみて不思議に思っていた。

どこから来るんだその技術?

そして、どうやって毎日あの量を書き続けているんだ?って。


書き方のお作法

先に言っておくと、僕は文章術=ライティングの正統な勉強はしていない。中学はほぼ不登校だったし、高校からデザイン系の学校なので、国語の勉強は小六で止まっている。

ただ、幼い頃から日本語教師の父のもとで本に囲まれて育ってきた。孤独を癒すようにたくさんの本に触れ合い、小学生時代の愛読書は星新一のショートショートというマセガキだった。

今でも毎日趣味と実益を兼ねてそれなりの量の文字を読んでいる。だから、文章の書き方は90%独学だ。

しかし、もしかして自分は文章を書くのもいけるんじゃないのか?とおこがましくも調子に乗って、20歳前後の頃に某ファッション雑誌の編集部のお手伝いをしていた事がある。

調べ物をして記事を書いたり、編集アシスタントというか、格安学生ライターみたいな仕事だった。特に教わることはなかったが、末席とは言え打席に立ってバットを振っていたので、そこでも少しは経験になった。

その後、就職してからは一切その手の書き仕事からは遠ざかったが、独立するときに再びライター業に挑戦する事になる。


決裁者に会う方法を考える

デザイナーなのに、なんでライター?と思われるかもしれない。答えは「取材で決裁者に会えるから」だ。

もっと具体的に言えば、取材をされるほど活躍している経営者=決裁者に会って話を聞いて、適切かつ深みのある切り返しや相槌をうって共感してもらえれば、一種の営業活動になるんじゃないのか?と思ったからだ。

そこで僕はgreenz.jpというWEBメディアのライターへ応募した。

当時、ちょうどソーシャルデザインという言葉が言われ始めた頃で、新しい価値観を伝えている最高にとんがったメディアであり、記事のクオリティが高く、かつ取材対象者の人選が幅広かったからだ。

その狙いはモロに当たり、僕はSLOWLABELのディレクターの栗栖さんを取材して話が盛り上がり、SLOWLABELのメンバーとして参加する事になる。

上のリンクは当時の記事だ。内容もだが写真も下手で、今みると見るに耐えないが、設計業の合間に取材と執筆をする超ハードな日々だった。。。

ただ、文章はもちろん1人で取材行ってある程度のクオリティの写真も撮れて、絵コンテも切れる、我ながら便利なヤツだったのでわりと良い取材先を振ってもらっていた。

おそらく、デザインという専門領域を下地に持っていたことも大きいと思う。

下調べや勉強が不要な分、ものづくり寄りの取材ばかり振ってもらっていたし、取材先でも知識があるぶん深掘りできたし、それを一般的な言葉に置き換えて説明できたから重宝されていた。

SLOWLABELはその後にNPO法人化し、さらにその活動はブラジルパラリンピックの閉会式などへと連動していく。現在は来たる東京五輪と、五輪以降の真のダイバーシティ化に向けて動いている。

僕の狙いは当たり、ホームラン級のライフワークの一つを手に入れることになった。


使える武器はぜんぶ使え

結局、何が言いたいのかというと、フリーランスに限らず生きて行く上で使える武器はぜんぶ使えっていう事だ。

僕にとっての武器が、文章術であり、磨き上げた店舗設計の技術と知識であり、撮影からWEB製作まで中途半端に揃った複合スキルであり、デザインの普遍的な実学だ。

設計技能以外は、一点突破で食っていけるほどの大金を稼げる力はない。

でも、持っている武器を合わせて使う事で、特定のシュチュエーションにおいては非常に強力な突破力を生み出す事がある。

別に文章を書く練習をしろとか、デザイナーはライター兼業して営業しろとか言うつもりはない。

僕はたまたまうまくいっただけで、マルチプレイヤーたるべく色々な能力にパラメーターを振るのは、全てが半端で誰にも勝てない微妙なヤツになっちゃう可能性もある。


目先の金は追わない

ちなみに、前述の「儲かるんですか?」という質問に答えるが、先行投資だからすぐには儲からない。

ライターをしていた時は、1本の記事で報酬は5000円ほどだった。

これはgreenz.jp自体がNPO法人だったし、社会をよくするための活動だったから、一種のプロボノ=プロによるボランティア的な要素が強かった。

とは言え、1本5000円の記事に対して、取材で半日、文字起こしで半日で最低でも丸一日は潰れる。

ちょっとでも難しい取材になれば、事前準備や下調べで数日使う。

デジタルファブリケーションの先端であるFabLabの取材の時なんかは、数冊の本を自腹で買って読んだので大赤字になった。

目先の金を追うならば、やっていないし続かない。


このnoteだってそうだ。執筆時間は毎日20-30分はかかっている。

これをぜんぶ仕事に振れば、月間で15時間ほど。それだけあれば月5〜10万円くらいは稼げると思う。

だったらそっちの方がお得じゃない?と思うだろう。違う、そうじゃない。

僕はこの1年くらいは情報発信にガチで取り組もうと思っていて、おそらく月5万×12ヶ月で年間60万円ほどの時間投資をすることになるだろう。

でも、それは数年後に数倍になって返って来るはずだ。

さらに言えば、ここで引き寄せた出会いはより大きな出会いを引き寄せて、SLOWLABELに続く僕のライフワークを引っ張って来ると感じている。


淡々と耐える時間

要するに、何かにリターンを期待して投資をするならば、淡々と耐える時間が必要という事だ。

耐える時間にリターンは生まれない。きっとこれがいつか芽を出す、そう信じて植えた種に水をあげ続けるのだ。飢えに耐えながら。

楽しみとか、信念とか、そういうものがないと続くはずがない。

そうして淡々とお世話を続けても、死ぬまで芽が出ない可能性だってある。その種は地中ですでに腐っているかもしれない。

それでも信じて水をあげ続けた人だけが、自分だけのとびっきりの体験が芽を出す瞬間に立ち会う喜びが味わえる。


そんなわけで、今日もがんばって書いた。書き始めは面倒だったが、1行書いたらスルスルと出てきて、結局いつも通り冗長になった。

6月も今日で半分終わる。色々な未来のタネを抱えて後手後手になりつつあるが、今は耐えて淡々とこなします。皆さんも良い1日を。


※本日は投げ銭オマケ記事はお休みです。
オマケ記事がある時はnote投稿後の24時間は無料でご覧いただけます。

読んでいただいてありがとうございます。
「♡」を押すと、明日の更新の予告が出ます。
オマケのある時はたまにオマケ予告も出ます。


twitterではnoteの元ネタなど


いただいたサポートでnote内のクリエーターさんを応援!毎月末イチオシの新人さんを勝手に表彰&1000円サポート中🎉 あとはサポートでお酒や甘味で妻や娘のゴキゲンをとります。 twitterは @OFFRECO1 Instagramは @offreco_designfarm