情報のクーリングオフは必要なのか？

有料noteの24時間以内の返金機能が実装されるそうですね。CXO深津さんがリークに先駆けてCXOとしての見解を出されています。

で、タイトル的に「noteが返金機能を実装！」だと少々過激かつ誤読しそうなので、ちょっとだけ要約しますね。

1.単発の有料noteが対象
2.購入後24時間以内に購入者が返金希望をする
3.返金不可も書き手側がオプションで選択可能
4.悪質な返金の連発はアカウント削除や法的措置

ということです。

返金ってクリエーター側にとって過激な施策なので、わりと限定的に試してみよう、という姿勢ですね。

実はこの話って1年以上前から出ていて、実装うんぬんについて有料noteを販売しているクリエーターにアンケートをとったりして、慎重に進めてきた...と思われる施策なんです。

僕は普通の1ユーザーにすぎないので、この返金機能についてはおおむね賛成の立場でぼんやり見守っていたのですが、今回の実施にあたっての制約の加減など絶妙でなかなか良いなと思っています。

これって「情報のクーリングオフ」みたいなもの。

有料noteの24時間返金機能を見て冷や汗が出てるのは、釣りタイトルで煽って買わせて...というあくどい通販系の情報verを作っている人が多いはず。

逆に、購入ハードルが下がることで買ってみて良かった！が増えればまともな書き手は喜びが増えます。 https://t.co/BKw4n35c6p

— ヤマシタ マサトシ (@OFFRECO1) November 14, 2019

情報のクーリングオフは誰を守るのか？

さて、この24時間限定の返金機能、言ってみれば「情報のクーリングオフ」ってことなんです。

そもそも、物販におけるクーリングオフというシステム自体は消費者保護の観点から整備された法制度です。

そして、消費者が保護されることは安心して買い物ができることに繋がり、悪徳業者が駆逐されて、結果的にちゃんとした物やサービスを販売しているところにも恩恵があります。

ところが、情報商売には今まではそれがなかったんですね。なぜなら、情報はコピーできてしまうからです。

だから今まではある意味で販売側が強かった。言い方が悪いですが、買わせれば勝ちだったわけです。

それが、情報のクーリングオフが実装されると、どう変わるのか？僕は、おおむね健全化の方向に進むと考えています。

消費者保護のシステムが、結果的にまともなクリエーターとファンコミュニティの形成を支援するんじゃないかと期待しているのです。

返金機能で起きること

さて、この返金機能の実装で起きることをちょっと予想しておきます。

ダークサイドで起きること
1.高額単発noteの売り逃げがしづらくなる
2.煽って買わせると返金される可能性がUP
3.コピペできる情報商材の価値が大幅DOWN

ライトサイドで起きること
4.返金可能で購入の敷居が下がって試しやすく
5.その人ならでは、の情報の価値が向上
6.クリエーターが有料販売を試しやすくなる

両方で起きること
7.総じて『情報だけ』の市場価値が下がる
8.逆に『信用と信頼』の市場価値が上がる

まず、1〜3です。いわゆる「10部売れるごとに値段UPします」とかの場合、売れるほど返金されるリスクが上がりますね。この煽る系の販売方法に一定のブレーキがかかりそうです。

次に「SNSでフォロワーを増やす方法」とか「FX攻略法」とかの情報商材系。これも目先の得につられて買う人が多い＝返金を依頼する意識ハードルが低いことが予想されるので、売り逃げはしづらくなりますね。

あとは1本5000円とかの高額noteの場合、それに見合った満足度を提供できない場合は返金される可能性が高そうです。

4〜6は、おおむね良いことです。

返金できる＝買いやすくなる。つまり、満足度の高いコンテンツを販売している人にとっては、呼び込みの人がついてくれた、みたいなイメージでいいでしょう。

また、販売するコンテンツに「自分ならではの価値を紐付ける」ことを意識する必要が出てくるので、よりファンコミュニティの形成や自身の価値向上へのインセンティブになりますね。

さらに、返金機能があることで、売る側も「納得いただけない場合はご返金します」ができるので、有料note販売を試しやすくなるはずです。ここは自分の価値に自信の持てない人には追い風なのかな、と。

トータルして、7番目の情報だけの価値は下がり、8番目の信用と信頼の価値が向上する、という流れになりそうです。なので、僕はこのシステムを歓迎します。

返金されない単発有料noteにするには？

さて、最後にちょっと実験です。

僕の中でこの単発有料noteの24時間以内の返金可能システムをちょっとした方法で健全にハックできると思っていまして、その方法を最後に書いておきます。

100円にしておきますので「なんだよ、そんなことかよ」と思ったら遠慮なく返金処理を依頼してください。

どれくらい返金されるのかな？というのをちょっと見てみたいのと、100円でも人は返金処理を依頼したくなるのか？が気になるので、怖いもの見たさです。（返金機能の実装前に書いてUPしているので、実装前に買った場合は返金できません。ご注意を。）

【11/14 追加しました】
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