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【コロナ禍における外食業界のDX化アプローチ】まとめ(2022年5月~2023年2月)

こんにちは
イデアレコードの左川です。

週刊BCNにて「コロナ禍における外食業界のDX化アプローチ」というテーマで昨年5月より10回に渡って寄稿してきました。様々な切り口で展開してきたので、自分自身の振り返りも兼ねて、改めて整理してみたいと思います。

1. 浮き彫りになった課題とは(2022/5/12)

  • コロナ禍では「直近や当日に飲みに行く仲間内の飲み」が主流へ。

  • その結果、当日予約が増え、当日やらなくてはいけないオペレーションが増加。また、予約が少人数中心のため売り上げも減少。

  • 今後は「予測」とは当日の需要を見通すことが問われ、さまざまなオペレーションに対応する「柔軟性」のニーズが増してくる。


2. 業態の変化と求められる業務とは(2022/6/9)

  • アルコールなしでも成立する食事を中心とした業態への転換が進んでいる。また、ランチ帯まで営業時間を延ばしたほか、定食メニューを充実させて食事メインでアルコールも楽しめるというハイブリッド的な店舗も増えている。

  • 業態の変化によって、店舗運営では「効率性の追求」「自動化の対応」「代替手段の提供」「新規対応」が期待されることとなる。

  • 外食業界では特にITリテラシーが低かったとしても使える、バタバタとした状況でも間違えずに使えるサービスというのが欠かせない。


3. 店舗集客の“今”と“これから”(2022/6/24)

  • 店舗集客に求められる3原則はコロナ前と変わらず「グルメ媒体の成果最大化」「マーケティング施策による集客最大化」「オウンドメディアのコミュニケーション最適化」となる。

  • インスタやLINEなどお店選びは高度化し、さまざまなタッチポイントでのパーソナライズした対策が求められる。

  • 店舗集客において各種タッチポイントでセグメントされたターゲットに対して、さらに細分化した編集/クリエイティブが問われる。


4. LINEの普及とビジネスチャンス(2022/8/22)

  • 飲食店ではすでに大手チェーン店から個店までLINEの活用が急激に進んでいる。

  • LINEに関するサービスやソリューションも各社から提供されているが、他の集客施策と連携できず、データが分断されてしまう可能性もある。

  • 様々なメディアを横断し、効率化とローカライズをいかに両立するかが問われていく。


5. 「コールセンター feat. AIコール」の時代へ(2022/9/27)

  • AIコールセンター(AIコール)が急速に拡大し、人手不足が深刻な外食業界で導入が進んでいるが課題も多い。

  • 飲食店は売り上げが全てであるが、AIコールの予約成立率は低い。電話で予約を成立させるために人がやってきたことはかなり複雑である。

  • 24時間365日安定稼働できるのはAIコールだけではある。

  • 当日予約は「店舗」で対応し、店舗が取れない時間帯や一定時間取れなかった電話を「コールセンター」に転送し、早朝や深夜は「AIコール」で処理するなど、コールセンターとAIコールは対立構造となるものではない。


6. 過熱する「口コミ」と向かい合うべき課題とは(2022/10/24)

  • 紙のアンケート用紙のシステム化が進み、インフルエンサーを使った施策が盛り上がりを見せ、Googleビジネスプロフィール(GBP)でのレビューに力を入れるなど、「口コミ」対応が加速している。

  • 「DX化の推進=口コミ(点数)の改善」では決してない。点数という定量的な評価も重要だが、定性的なコメントには店舗運営の改善につながるヒントがたくさんある。

  • 店舗の特徴や立地条件、顧客層などを考慮し、店舗が“変えても良いこと”と“変えてはいけないこと”を見極めることが大切であり、その源泉は口コミにある。


7. 店舗の命運を分けるCRMへの取り組み(2022/11/28)

  • 顧客獲得にかかるコストは増加し続けており、ユーザーを囲い込み、なるべく費用を抑えた形でアプローチすることが求められている。

  • 外食業界におけるCRMの最大の課題はデータ統合にある。予約管理台帳やモバイルオーダー、ウエイティングシステム、POS、SNS、LINE、アプリ、その他管理ツールなど、さまざまなベンダーが独立してサービスを提供しているため、データの一元管理ができない。

  • CRMの実現にあたって重要なのは、何を実現するのか、何を諦めるのかを明確にすることである。「全てのデータを統合する」は自社開発を含めてかなりのコストと負荷を覚悟しなければならない。


8. BPOが担っている業務領域とは(2022/12/26)

  • 業務内容の専門化や人手不足、労務問題などによって、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)が進んでいる。

  • GBP(Googleビジネスプロフィール)やオウンドメディア/グルメ媒体の細かいメンテナンス、SNS、LINE、ネット予約調整、モバイルオーダーなど、行わなくてはいけない業務が一気に拡大し、そこに人手不足が追い打ちをかけ、BPOに頼らないと厳しい状態になっている。

  • BPOの成功には、「工数が0になるわけではないこと」と「最終判断を委ねないこと」を認識することが重要となる。

  • BPOにおいては“職人”が無意識にやっていることを言語化することが求められている。


9. 店内MOの実情とこれから(2023/1/30)

  • 人手不足や非接触対応などによって、店内MO(モバイルオーダー)の導入が進んでいる。店内MOに参入する企業も増え、POS連携やLINEミニアプリ化など、付加価値の生み出し方もさまざまである。

  • 店内MOに求められる機能については「オーダーをスタッフに代わって受ける」「注文データを蓄積し活用する」の二つがある。

  • 今後は「注文に特化した機能」「注文に付随する別業務」への拡充が進んでいくであろう。


10. 2023年以降の動向予測(2023/2/27)

  • 2022年忘年会は現場としては非常に忙しいシーズンではあったが、売り上げが伴っていなかったというのが正直なところ。

  • コロナ禍において深刻な人手不足になる中で、店舗運営や集客でやらなくてはいけないことは一層増えており、全てに対して100%注力することができない。そのため、必要最低限のコストおよび工数(かけられる時間)で、いかに合格ラインを超えるのか、ということである。

  • 一元管理ツールを導入して工数削減に成功した企業も多いが、各店舗ごとにローカライズしなくては、競合に勝つことができない。

  • 今後は「アナログな店舗運営をシステムでいかに実現するのか」がキーとなるはず。


導入からカウントすると約1年弱が経ちました。寄稿という形ではありましたが、継続的に原稿を書くという行為は良い振り返りとなって、自分自身でも体系立てて整理することが出来ました。

このnoteではこれからも外食業界に関するTOPICSを継続的に発信していければと思います。今後ともよろしくお願いします。


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