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「オフィスマッサージで強もみをしてほしい」とのご依頼の先に何が潜むのか

こんにちは。

株式会社オフィスマッサージ代表の田辺です。

2006年に当社はオフィスマッサージ業界のパイオニア企業として、初めてオフィスマッサージを考案そして実現し、以来、数々の企業への訪問マッサージを業務委託で行ってきました。

その担い手の全員は、マッサージ国家免許を持ち、かつ障害者という唯一無二の事業です。

よって顧客企業の職場の健康作りのお手伝いをするのと同時に、障害者就労機会が生まれます。

(上記写真は弊社の盲ろう者のマッサージ師と、手引きや通訳介助をするコンダクターです。)

長年の豊富な経験を積み重ねてきた中で、先日、とある会合にて、心配な話をお聞きしました。

強もみを求めるオフィスワーカーも多い。ぜひ対応しなければとなるが、若手のマッサージ師でないと強もみ対応はできない。どうしたらいいか?

実は、弊社も過去、強もみ対応を承ってきました。

ですが、それで弊社のマッサージ師が何人も潰れました。

「強もみできないなら、もう来なくていい」とお暇が出た者もいました。

もうその顧客企業でのお仕事はかなり前に終了していますが、当時から長く経った今も、腱鞘炎を患い続ける者がいるのです。

本来、マッサージは一生の仕事です。

ですが、強もみ希望に応じなければと、マッサージ師が自らの身体に無理をかけて、結果として潰れてしまう。

廃業と幸いならなかったとしても、弱もみだけで、地域の老人マッサージに絞って生きていく道を選ぶ者もいます。

来年、再来年ともっと人は減っていく時代なのです。

残念ながら、神様でない限り、潰れる人材をゼロにはできないのかもしれません。

ですが、知見の共有や、先々を見越したリスクマネジメントをし、避けられるべき悲劇は、避けるに越したことはないと思います。

以前、ある会合で「強もみ対応をして身体を壊してしまったが、訴えたほうがいいのかな」という声がありました。

強もみを求めることは、結果的にマッサージ師から企業への訴訟リスクを生むと私は感じました。

身体がカチコチに固まってしまって、指が全然身体に入らないのに、その改善に、強もみだけを解とするのは危険です。

むしろ、睡眠時間不足や、不規則な食事、運動不足、セルフケア不足等を改善する包括的な視点があって、マッサージの効果もより活かせます。

確かに、企業で重責を担う方々が、少しの空き時間でも、身体の手入れにオフィスマッサージをとお考えになってくださり、強もみを希望されるのは、人情としてはすごく理解できます。

ですが、その強もみの依頼の先にあるものは、マッサージ師が潰れて使い捨てになることや、訴訟リスクが待っているかもしれないとの認識を、切にお願いしたく思います。

障害の有無を問わずに、マッサージ師が一生の仕事として治療活動に従事できることを、社会をあげてご一緒に応援できたらと思います。

お忙しい中、お読みくださり、ありがとうございました。

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