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障害者法定雇用率の未達で必要な視点とは

こんにちは。

株式会社オフィスマッサージ代表の田辺です。

先月(2018年9月)、複数の省庁や地方自治体という公的機関で障害者法定雇用率が未達という報道が駆け巡り、ことに民間企業からは「自分たちはまじめに取り組んでいて、社名公表等のペナルティーが課されるのに、本当に残念だ」とのお声も相次いでいます。

確かに、公的機関の障害者雇用は性善説での運用が想定されていて、民間企業に厳しい重圧を課しているのに、アンフェアであるとの指摘は、一理あるかもしれません。

その一方で、筆者が数々の民間企業と障害者雇用についての対話を長年重ねてきて実感しますのは、「法定雇用率でペナルティーが課されるから、いわばイヤイヤながら、障害者雇用をせざるを得ない」というお気持ちが、民間企業側にもまだまだ散見され、これは現状の課題として冷静に受け止めておく必要を感じます。

「人事部で障害者雇用の担当者をずっとしてきて、権利意識ばかり先立つ、就労意欲の低い障害者と向き合うのは本当につらいです」と吐露するお声をお聞きすることは、実は珍しくありません。

「うちではヘルスキーパー(障害者で企業内でのマッサージに従事する社員)を評価する人事評価制度もどうしたらいいかわからない。施術の上手い下手をわかる人は人事部にはいないし、そもそもうちはIT企業なので、専門が違う」

「日々、試行錯誤が続いて、忙しい中、なんとか時間を作ってミーティングを続けてきても、不意に辞められ、もう障害者雇用なんてこりごりだという気持ちが社内に広がってしまった。むしろお金でもし解決できるなら、その方がいいとの心情になってしまう」

確かに、空前の人手不足時代です。障害者のジョブマーケットも売り手市場です。

ですが、それをいいことに、障害者側が「働く上で権利と義務はセットだ」という意識がもし希薄になり、職場でのコミュニケーションをおろそかにしたり、自らへの評価を避けるようなことになると、先が続かなくなってしまいます。

せっかく苦労してヘルスキーパーが常勤できるマッサージルームを企業が開設しても、「あのヘルスキーパーはなんか付き合いにくい」「マッサージの腕が良くない」「忙しい中、残業覚悟で職場のマッサージルームに行ったのに、残念な時間になった」等となると、ご案内の通り、稼働率は伸び悩みます。

そして、障害者法定雇用率の土俵だけで企業も障害者も付き合ってしまうと、「他の障害特性の人でいい候補者がいる」と、不意にマッサージルームの閉鎖が決まってしまうというリスクは、常にヘルスキーパーに付きまとってしまいます。

「じゃあ他社に行くからいいよ」と転職しても、上記の課題は、結局ヘルスキーパーの意識が変わらなければ、再現してしまいます。

ですが、人事部門としても、もちろん役員会としても、決して上記のような展開を望んではおられないと思います。

大金をはたいてマッサージルームを開設したのに閉鎖という展開は、もっと早めに軌道修正できていれば、避けられる悲劇と思います。

企業側が障害者をペナルティーゆえのイヤイヤ雇用をするのでなく、「この人はうちに必要だ」と思い続けてもらえるような、理解し合えている、相思相愛の障害者雇用になるよう、願ってやみません。

弊社としても、2006年以来の長年の専門性を活かして、ぜひ貢献したく存じます。

お忙しい中、お読みくださり、ありがとうございました。

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