Bohemian

妄想家

Bohemian

妄想家

最近の記事

Longing

変わってしまった 誘うようなボディラインも 官能的な咆哮も オイルの匂いさえ 今や過去のもの 変わらないのは 刻まれた記憶 思い出して欲しい あの姿 あの音 あの匂い きっと今も どこかの道で あの頃のまま (2020.3 渋谷Barfoxy 写真展『旧車地獄R』告知用モノローグより)

    • Overnight

      他人事みたいなFMのメロディを 4バルブDOHCの雑なブルースが掻き消す 小僧の頃から変わらない ヘッドライトに切り取られた 三車線の夜の河 海の匂いを嗅ぎ分けたRSに 行き先を任せ 南行きのバイパスへ (2020.3 渋谷Barfoxy 写真展『旧車地獄R』告知用モノローグより)

      • The summer

        気絶するような青い空 陽炎の海岸道路 ノイズ混じりの810kHzと FLAT4の空冷ビート 窓を開け放ち スロットルを踏んだ 全てが可能で 終わらないと信じた かつて誰かと走った 夏の時代の夢を ここでずっと見ている (2020.3 渋谷Barfoxy 写真展『旧車地獄R』告知用モノローグより)

        • Savage

          退屈な街の空気を 油臭い喉から吸い込み 火を放たれた鋳鉄の心臓が 鋼のボディを震わせる 雑踏が振り返る 野獣の匂いと咆哮 時代遅れの狼に 羊たちが道を開ける (2020.3 渋谷Barfoxy 写真展『旧車地獄R』告知用モノローグより)

          Tragedia

          彼女が見届けようとしているのは どんな悲劇だろう 化石燃料の美酒に酔いしれ 束の間の春を謳歌する RomeoとGiuliettaの 戯曲の終幕だろうか (2020.3 渋谷Barfoxy 写真展『旧車地獄R』告知用モノローグより)

          Bug out

          未読と既読の文字を映すだけの ひび割れたiPhoneを bugったままの俺の人生と一緒に リヤシートに放り投げた 砂漠さえ平然と走り抜けるコイツも この街のDryさにはお手上げだ クワイエットマフラーが 今夜はやけに騒々しい (2020.3 渋谷Barfoxy 写真展『旧車地獄R』告知用モノローグより)

          Vengeance

          羊の皮を被った狼── 一度は抜かれたかに見えたその牙は 反逆の時を待ち 静かに磨かれ続けた ストレート6の血に飢えた遠吠えは 今なお止むことはなく 狼たちの栄華を知る者を 振り向かせる (2020.3 渋谷Barfoxy 写真展『旧車地獄R』告知用モノローグより)

          Kawasaki

          カワサキの匂いっていうのがあるんだ ガソリンが燃えて オイルがちょっと混ざって…… そういうのはドコのも一緒の筈なんだけどさ あ、この匂いは……って 信号で追いつくと ソイツはやっぱりカワサキなんだよ (2020.3 渋谷Barfoxy 写真展『旧車地獄R』告知用モノローグより)

          Night howler

          静まりかえる街の彼方から かすかに聞こえる 息の長い遠吠えは 貪るように燃料を飲み込み 心臓に青い火を放つ 鉄の甲羅に身を包んだ野獣の雄叫 覚えておいてほしい 彼らの魂は いつだって加速する (2019.4 渋谷Barfoxy 写真展『旧車地獄』告知用モノローグより)

          Night howler

          Fascination

          陽炎に立ち昇る ガソリンの匂いを 嗅いだことはありますか ボディを震わせ コクピットに木霊する エンジンの咆哮を 聴いたことがありますか ドアを閉め クルマを離れても 思わず3度振り返らせる そんなクルマに 出会ったことはありますか (2019.4 渋谷Barfoxy 写真展『旧車地獄』告知用モノローグより)

          Fascination

          Rainy street

          ノイズ混じりの古いバラッドと ワイパーの音だけが、 噛み合わないリズムを ゆっくりと刻んでいる。 雑踏の喧騒と雨音を置き去りにして、 宇宙船は静かに離陸する。 過ぎ去った未来を 檸檬色に染めながら。 (2019.4 渋谷Barfoxy 写真展『旧車地獄』告知用モノローグより)

          Rainy street

          Coastline

          材木座海岸の駐車場から、 錆びた三菱のピックアップを出した。 134号線を西へ。 橋を渡ったらすぐ右折。 鎌倉駅へ向かう通り沿いにある 古い喫茶店の前に、その娘はいた。 白いTシャツ、ポニー・テール。 夏が、すぐそこまで来ていた。 (2019.4 渋谷Barfoxy 写真展『旧車地獄』告知用モノローグより)

          Seven Stars

          潰れた紙パックから、 くしゃくしゃになったセブンスターを引き抜く。 着古したライダースのポケットを探る。 ——店に忘れてきてしまったか……。 咥えた煙草を紙パックに戻す。 擦れたカワサキのキーだけが、 ポケットの中で手に触れた。 (2019.4 渋谷Barfoxy 写真展『旧車地獄』告知用モノローグより)

          Seven Stars

          Tail light

          ゴロゴロと喉を鳴らすような吸気音 地を這うように低く ゆっくりと通り過ぎていく銀のボディ 遠ざかる紅いテールランプ 街の空気を震わせながら── (2019.4 渋谷Barfoxy 写真展『旧車地獄』告知用モノローグより)

          Tail light

          Good morning HEAVYMETAL. 3

          今回で第3回となる『Good morning HEAVYMETAL.』は、ひとまずのシリーズ完結編。 以前SNSに投稿していたつぶやきに書いていただいた友人やまてぃ氏を中心としたコメントを対談形式にまとめたもの。 第1回はこちら 第2回はこちら 前回同様、対談形式に編集しているが書いている内容はほぼ原文ママ。あくまで個人間でのやりとりにつき、主観的で見苦しい点もあると思われるがご容赦を。 登場人物: やまてぃ氏:バイクとヘヴィメタル好きなメンバーで結成された30年続

          Good morning HEAVYMETAL. 3

          Good morning HEAVYMETAL. 2

          前回掲載した『Good morning HEAVYMETAL.』の続編。 以前SNSに投稿していたつぶやきのコメント欄に書いていただいた解説を、音楽に造詣の深い友人やまてぃ氏のものを中心に対談形式にまとめたもの。 第1回はこちら 前回同様、対談形式に編集しているが書いている内容はほぼ原文ママ。あくまで個人間でのやりとりにつき、主観的で見苦しい点もあると思われるがご容赦を。 登場人物: やまてぃ氏:バイクとヘヴィメタル好きなメンバーで結成された30年続く二輪クラブの創設メ

          Good morning HEAVYMETAL. 2