002MANGAサムネ

救ってくれたのは、封印していた黒歴史。ダニエル・ピンクさんとの出会い

こんにちは。BLACKです。好きな色は黒です。

今の私は「ヨーヨーオタク」であるとも言えると思いますが、ヨーヨーを始める前は「アニメオタク」でした。元来、何か一つの事に熱中しやすい気質だったのかもしれません。

漫画、アニメといった趣味は今でこそ市民権を得ていますが、私が子供の頃は表立って公言しやすい趣味とは言い難く、私は学校のクラスの中で底辺に近いポジションにいたように思います。

自分でも、「アニメ好きでいるといじめられてしまう」と感じていたため、アニメに代わる趣味としてヨーヨーと出会うと、それまで収集していた全てのグッズを処分し、「過去の趣味は黒歴史だったのだ」と記憶から封印していました。

そんな過去の趣味が、まさか20年後に活きることになるとは、当時の私は知る由もありませんでした。


その出会いは突然に

2013年、ある海外での出演を終えた翌朝、私はホテルから空港へ向かう車へ乗り込むところでした。

スタッフの方が、「BLACKさん、別の出演者の方も同乗してもよろしいでしょうか?」とおっしゃるので、「もちろん構いませんよ」と返事した次の瞬間、驚きました。

なんと、同乗される方は、かの有名な作家、ダニエル・ピンクさんだったのです。

※ダニエル・ピンクさん:アメリカの作家。過去にはアル・ゴア副大統領のスピーチライターを務めたことも。著書「ハイ・コンセプト」、「モチベーション3.0」でも有名。


人脈自慢のダサさ

私は人と出会う時に、その人の知名度を理由に興味を持つことはやめようと意識しています。「私は有名な〇〇さんと知り合いですよ」と自分の人脈を自慢し、それを自分の能力であるように振舞うのは、最高にダサいと思うからです。

この時も、ダニエル・ピンクさんが超有名人だとは知っていましたが、「有名人だから取り入る」ということはやめよう、とまず決めました。相手の知名度に関係なく、あくまで同じ車に乗り合わせた者同士、敬意を持った挨拶や世間話をして、お互いが気分良く過ごせるよう心がけよう。そう考えました。


しかし、すぐに気づきました。

「ダニエル・ピンクさんとの世間話って、何を話したらいいの?」


「気分良く過ごす世間話」のハードル

この時の予定乗車時間は、およそ2時間。

乗車中、ずっと話し続けなければいけないという決まりはありませんが、さすがに天気の話くらいでは間が持ちません。

かと言って、副大統領のスピーチライターまで務めたミリオンセラー作家の方との会話経験が私にあるはずも無く。

焦った私は、乗車するまでの数分の間に、取り急ぎWikipediaでダニエル・ピンクさんの記事をチェック。

すると、「文筆家でありながら、日本の漫画にも造詣が深い」とあります。

・・・そうです。ここで活きてきたのが、私が子供の頃に没頭していた趣味、「アニメ・漫画オタク」です。


封印したはずの黒歴史が活路に

「この分野ならば、共通の話題が見つかるかも!」

そう思い漫画を切り口に話題を振ると、驚くほど会話が弾む弾む。


ピンク: 「コミケにも行ったことがあるよ」
BLACK: 「なんと!」
ピンク: 「4人組の女性漫画家の方にもインタビューしたことがあってね」
BLACK: 「もしかして、CLAMP先生ですか!?」
ピンク: 「そう!CLAMPさん!」
BLACK: 「すごい!僕は小学生の頃、魔法騎士レイアースにめちゃくちゃハマってまして!」
ピンク: 「ごめん、その作品は知らないわ」

と、素晴らしい盛り上がりを見せました。


ピンクさんとお会いしたのはこの一度きりなのですが、悪くない印象を持っていただけたようで、その後私が著書を書いた際には、なんと帯コメントまで寄せてくださいました。


人と人とのコミュニケーション

私がこの経験から感じたのは、海外VIPとの交流においても、重要なのは相手に対する「人としての興味」なのだなという事です。

もちろん、なめらかな英語力や相手と同レベルの博識さがあるに越したことは無いと思いますが、やはり人間、自分に好意を寄せてくれる人、興味を持ってくれる人に対しては、誠意をもって接しようと思うじゃないですか。

それは、外国人の方が相手であっても、VIPの方が相手であっても、同じなのだなと。


有名な方であればあるほど、自分の知名度に引き寄せられた人を数え切れないほど見てきたでしょうから、そうしたミーハー心って、すぐバレてしまうんですよね。

相手と自分の共通の興味を話題にしたからこそ、知名度や社会的ステータスの垣根を越えて会話することが出来たのかなと、そう感じました。


ちなみに、一度は封印していた「漫画・アニメ」の趣味ですが、今はすっかり復活しています。

ジャンル自体が世間的に市民権を得たからという面もありますが、「人目を気にしなくなったから」というのが一番の理由でしょうね。

年齢や性別、国籍など、先入観に塗り固められた「常識」にとらわれる必要は無いのだと、今は思います。自分が好きなものを全力で楽しんだ方が、人生楽しいですよね。


さて、本編は以上となるのですが、ここまでの文章は、実際のエピソードを一部かいつまんでいたりします。

もし「もっと詳細を知りたい!」という方がいらっしゃいましたら、よろしければ以下よりお読みいただければ幸いです。


注)残念ながら、「著名人と打ち解ける話術」といったHowToではないので、そうした裏技を期待している方は購入をお控えくださいm(_ _)m

海外のカンファレンスでの出来事ではありますが、あくまで私の身の上に起きたエピソードの詳細になりますので、知識欲を満たす程度にご笑覧いただければ幸いです。


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