バイヤー目線から見た営業〜セールスからマーケになってみて〜
営業からマーケティングに職種チェンジしたことで、立場が「売る側」から「買う側」に変わった。
特に、この半年の中では、媒体やITツールの営業さんと10社以上お会いし、提案を受けた。バイヤー(上申する立場の担当者)の側になってみて、営業に会う上でどんなことに期待するのか、どんな営業に発注したいと感じたか...が徐々に言語化できてきたので、簡単に整理できればと思う。
まず営業に求めること
・商談に至った背景や、顧客の現状・目的等の深掘り
・他社事例など、具体的活用例
・業界動向など+α
商品説明だけであれば、別に商談機会を設けなくても、用意された資料やデモ動画などを見れば解決する。前提として、お互いにわざわざ時間を取るので、「時間をわざわざ割いて、商談する価値のある」情報・発見があると嬉しい。
具体的には、自社の課題や目的に、どのようにその商材がハマるのか(もしくはハマらないのか)。そして、商材がうまくハマりそうなのであれば、どのように活用できるのかの具体像がないと、本当にその商材に決めてOKなのかどうかの判断が行いにくい。
また、その業界の営業だからこそ知っている、業界動向などの情報もあると「わざわざ問い合わせて話を聞いてみてよかった...」と、商談後の満足度は上がった。
この営業に発注したいと思ったケース
・なぜ自社のソリューションが顧客の役に立つのかの説明が明確
・複数の選択肢がある場合、それぞれのメリデメの説明がある
・顧客サイドにおける担当における、モチベーション・目標等の把握
・仮説に基づいて+αの提案がある
自分の提案が顧客の課題にどう貢献するか、他社との優位はどこにあるのか。基本的なことに聞こえるが、意外とここを説明してくれる営業は多くなかった。
しかし、ここが言語化されていると、バイヤーの担当は明確なビジョンを持って、次のステップに向かえる。具体的には、社内調整や稟議が行いやすくなり、発注プロセスが圧倒的に楽だ。
また、商材によっては限界はあるが、「〇〇を解決できます」という見せ方にとどまらず、「〇〇を解決した結果、顧客の状況がどうなります」というところまでプレゼンがあると、「今なぜこの商材を発注するのか」というところの解像度が一段高くなるため、購入意欲は上がる。
また、営業とバイヤーの間にはどうしても情報の非対称性が発生する。もし複数の選択肢がある場合、メリデメの比較があると、誠実さを感じやすいし、安心感がある(ただし、営業も数字を背負っている手前、片方の選択肢が一方と比較して極端に安価な場合などは、ここは無理に全てを伝える必要は無い、と思う)。
そして、何より一番すごいなと感じたのは、「おふmiyoさんの社内評価って今期どういうものですか?せっかくお時間をいただいてご検討いただくので、できればおふmiyoさんの個人目標にもアラインさせて形で提案したいので!」と聞いてきた営業の方だった。稟議の上申において鍵を握っている担当者にモチベーションが無いと、案件はなかなか進まない。逆にバイヤーの担当の満足度を上げれば、案件の検討は早く進むだろうし、今後も継続検討してもらえる余地は増えるかもしれない。この人は、ここをよく理解していたのだと思う。営業を受けていて大変勉強になった。
また、最初にヒアリングしていた課題を元に、定期的に+αで情報提供や提案があると信頼感は上がる。その提案をすぐに採用するかどうかは別としても、何かあった際に、「XXさんに聞こうかな」となりやすい。実際に私も、多部署の担当が困っていた時、「XXさんに聞いたら何か提案してくれるかも」と、その営業を紹介したりした。
自分が営業だった時に見えなかった/意識していなかった要素が、バイヤーの立場になると見えたりする。
今、営業をしていらっしゃる方は、もし社内で他社提案を受ける部署があるのなら、一度商談に同席してみると、色々発見があって良いかもしれない。
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