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【簿記のススメ】中小企業診断士試験と簿記

こんにちは おーえだです。

今回は、中小企業診断士試験と簿記について書こうと思いました。

というのも、中小企業診断士試験の一科目である財務会計と簿記の試験の親和性は非常と高いと考えたからです。

特に、中小企業診断士の試験を受験しようかどうか迷っている方、1度目の2次試験が残念ながら不合格、または受験を見送り、次回の2次試験まで時間のある方にとって参考になるればと思います。

ここでは2つの資格を絡めて書きますの、簿記の勉強方法に焦点はあてません。
他の方の意見が参考になると思いますし、結局参考書を読んで、問題集を解きまくるという至極当たり前の内容になりますのでその点ご注意ください。

自身と簿記の資格について
私自身は簿記2級を持っており、1回目の中小企業診断士の2次試験不合格後、2回目の2次試験までの間に取得しました。
ただ、恥ずかしい話ですが、2級の勉強は長期間に渡って行なっており、だいたい3年くらいだらだらと挑戦しておりました。おそらく中小企業診断士1次試験時点である程度の会計の知識は持っていたかと思いますので、2級保持の観点から中小企業診断士1次試験と2次試験との関係について書こうと思います。

結論

結論として、簿記3級、可能であれば2級をとって、中小企業診断士にチャレンジするのが理想であるということです。

ざっくり簿記とは

社内外の関係者が意思決定をするために会社の現状を数値化する必要があり、その数値化のルール、方法を定めたのが簿記、会計であるとの理解でいいと思います。
簿記の試験はいかに早く、正確にそのルール、方法を適用し、回答を導き出せるかの試験です。

簿記の検定試験には大まかに1~3級まで存在しますが、全ての人に簿記1級の知識が必要かといえばそうではなく、自営業を想定した3級、株式会社を想定した2級もあり、職業として会計に関わる経理や財務の人でない限り簿記2級を持っていれば十分と言われています。

最近3級、2級の対象範囲が変化しており、3級が自営業ではなく、中小規模の株式会社を想定した範囲となるようで、会社員の方にとってはより一層身近な存在になるのではないかと思います。
勉強時間は3級で100時間、2級で200時間ほど、計300時間ほどと思われます。
(もちろん個人差があります。)

中小企業診断士との関係性

一方中小企業診断士の資格ですが、財務会計が試験科目にあり、簿記の知識は間違いなく必要です。簿記の範囲を試験内容に当てはめると、3級相当の知識は必須、2級相当の知識は全部ではないにしろ多くの部分で必要、1級相当の知識があれば心配いらない、むしろ過剰という感じでしょうか。より具体的には、1次試験は3級、2級、2次試験はプラスして1級の範囲が対象になり、私としては診断士試験の内容は簿記で換算すると1.5級のような印象を持っております。
ただし、あくまでも7科目あるうちの1科目ですので、その他にも幅広い範囲の知識が必要です。以前の記事にも書きましたが、それらの広範な範囲を勉強するために多大な時間が必要となり、しっかりとした覚悟とスケジュール確保が必要となります。
勉強時間は、1000時間ほどと言われいています。(個人差があります。)

これから診断士へ挑戦する方への「簿記取得のススメ」の理由

最大の理由は方向転換のしやすさからです。私自身もそうですが、経営に興味を持っている方が診断士試験の財務会計を勉強するとおそらく面白く感じると思います。簿記の試験対策のみで面白いと思うかは怪しいですが、決算資料の読み方、財務三表のつながりのようなもっと大きな範囲を大まかに捉えておくと経営との関わりが見えて大変面白いです。逆に、経営の勉強をしたいのであれば、簿記、会計を避けて通ることはできません。

学習を進めるにつれて、広く浅い中小企業診断士の勉強よりも、より専門的に会計分野を勉強したいと考えるかもしれません。仮に会計方面の勉強を更にしたい、具体的には簿記1級、税理士、米国公認会計士、公認会計士など会計の専門的な資格へチャレンジしたいと思った場合、すんなりと方向転換ができるでしょうか。
これまで会計分野以外の知識習得に多大な時間をかけ、今後についてもしっかり計画を立て、今後のスケジュールを確保している中で、容易に方向転換はできないと思いますが、現実として会計、経理、財務関係のお仕事を志望する場合、中小企業診断士よりも簿記1級、税理士、米国公認会計士、公認会計士の資格の方が必要かとなります。
むしろ、中小企業診断士を持っている「だけ」ではなんのアピールにもならず、中小企業診断士の資格取得のために多大なコストをかけたにも関わらず、結局別の資格を取得するために方向転換を余儀無くされることになると思います。

いかなる難関資格にチャレンジする際も同じことですが、まずはハードルの低いものにチャレンジしてみて適性を確認したのち、ハードルの高い資格にチャレンジすることで無駄な投資を避けようということです。特に社会人の方は勉強に当てる時間は貴重ですので、少し遠回りな感じですが、結果としては最短で目的の資格の取得につながると思います。

ここでは中小企業診断士だけではなく簿記1級、税理士、米国公認会計士、公認会計士の資格についても同様で、簿記2級や3級という小さなハードルをまずは超え、そこを分岐点として、他の難関資格にチャレンジしていきましょうということです。

もちろん、独立を具体的にイメージしており、どうしても中小企業診断士を早期に取得しなければならない方もいらっしゃると思いますので、そのような方は遠回りをせずに、即診断士試験にチャレンジしましょう。
ただし、簿記2級ほどの知識があれば、かなり診断士の勉強時間を短縮でき、会計分野を得点源にしやすいと思います。現実として簿記の知識は診断士試験に必要となりますので、診断士資格がすぐ欲しい方にとっても簿記の勉強はかなり有益かと思います。

既に診断士へ挑戦している方への「簿記学習のススメ」の理由

既に挑戦されている方は他の範囲の勉強をしなければならない中で、簿記試験の勉強に時間を回せるかという問題があります。実際に簿記の試験を受け、資格を取得するかどうかはおいておいて、私は少なくとも簿記学習用のテキストを使ってしっかりと勉強すべきだと思います。

理由は財務会計の範囲を効率的、体型的に学べるからです。
繰り返しになりますが、簿記の知識は診断士試験の財務会計に対応する上で必須です。
中小企業診断士試験用のテキストで勉強をする方法もなくはないとは思いますが、1次試験の際にテキストを読んでみた感想としては、不十分な印象を持ち、テキストはその後読まず、簿記のテキストで復習しておりました。
簿記に特化した参考書の方がわかりやすく、網羅的に説明されていましたので、基礎をしっかりと抑えることができ、2次試験への対応もしやすいです。やはり、餅は餅屋という印象です。

既に中小企業診断士に焦点を合わせている以上、資格取得を目的とするのではなく、最低限、土台として3級範囲を丸々勉強し、かつ2級、1級の試験に出題される範囲のみ勉強するのが限られた時間の中で取りうる現実的な手段かと思います。

以前書きましたが、2次試験の本格的な対策はある程度の時期までしないほうが良いというのが私の持論です。資格取得を目指さないと書いた一方で、1回目の2次試験がダメで、2回目に挑戦される方は、勉強の中だるみを防止する目的でも2級の取得に挑戦されるのはありなのではないかと思います。

ただし、連結会計が対象になるなど最近2級の難易度が上がっており、以前と比べ内容が被る範囲が小さくなった印象があります。
あくまでも中小企業診断士の勉強がメインだと思いますので、取得できなくとも特定の時期になれば、診断士2次試験にスパッと切り替えるのが肝要かと思います。2次試験の対策については下記の記事をご参照ください。

蛇足ですが、1級の全範囲は明らかに診断士試験対策として過剰です。確かに1級の内容が出題されますが、2級と比べると対象としてほんの一部分だけですので、参考書、問題集を買い、対象の範囲の問題のみ解くで十分ですので、間違っても診断士試験のために1級にチャレンジしようとは思わないほうが良いかと思います。

まとめ

まとめると、
1. 中小企業診断士を取得する上で簿記の勉強は避けられない
2. 避けられないのであれば、方向転換の可能性を加味し、診断士にチャレンジする前にまずは簿記の資格取得を目指そう
3. 既にチャレンジしている人も最低限簿記3級はカバーできていないと後々厳しい
4. 可能であれば2級にチャレンジすると、診断士試験に大きく役立つ
ということです。

ではでは。

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