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毎日連載!みんなで選ぶ1人小説ダンス劇「〇〇な男」

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緊急事態宣言が解除されるその日まで、ダンス劇作家「熊谷拓明」が毎日1話の超短編ダンス劇小説を連載。もっとも人気を集めてた作品を、事態収束後に、熊谷が1人小説ダンス劇として約60分… もっと読む
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#毎日連載ダンス劇小説

【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第35話

【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第35話

ダンス劇作家「熊谷拓明」が、この度の緊急事態宣言が解除されるまで ダンス劇小説を毎日連載!
もっともいいねを集めた作品を、収束後どこかの会場で
熊谷が60分の1人小説ダンス劇として上演致します。

第35話「ささいな男」作.熊谷拓明「明日はじゃ雨は降らないってことね?」

「それは僕に言われても、さっきテレビで言ってたからね。くらいしか言えないな…」

「いや、そーじゃなくて、一人でも多く

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【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第34話

【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第34話

ダンス劇作家「熊谷拓明」が、この度の緊急事態宣言が解除されるまで ダンス劇小説を毎日連載!
もっともいいねを集めた作品を、収束後どこかの会場で
熊谷が60分の1人小説ダンス劇として上演致します。

第34話「さまざまな男」作.熊谷拓明  何度もあくびをかみ殺すことなく、両目を思いっきり閉じて、目尻から涙が溢れるほど、思いっきりしてやった。

どう思われようが、それでいいのだという覚悟があっ

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【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第33話

【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第33話

ダンス劇作家「熊谷拓明」が、この度の緊急事態宣言が解除されるまで ダンス劇小説を毎日連載!
もっともいいねを集めた作品を、収束後どこかの会場で
熊谷が60分の1人小説ダンス劇として上演致します。

第33話「いぶかしげな男」作.熊谷拓明その男の店には、男ほどの大きさの熊のぬいぐるみがいた。
風呂に浮べるアヒルの5羽の親子がいた。
15個の関節を持つ黒地に金色の斑点が描かれたプラスチック製の

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【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第32話

【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第32話

ダンス劇作家「熊谷拓明」が、この度の緊急事態宣言が解除されるまで ダンス劇小説を毎日連載!
もっともいいねを集めた作品を、収束後どこかの会場で
熊谷が60分の1人小説ダンス劇として上演致します。

第32 話「なかなかな男」作.熊谷拓明「別に好きでこうなったわけじゃないよ。
仕方がなくって事、何度かあるだろ?これくらい生きてると。」

「好きでもないのになんでそうなる?」

「だから仕方な

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【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第31話

【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第31話

ダンス劇作家「熊谷拓明」が、この度の緊急事態宣言が解除されるまで ダンス劇小説を毎日連載!
もっともいいねを集めた作品を、収束後どこかの会場で
熊谷が60分の1人小説ダンス劇として上演致します。   

第31話「たからかな男」作.熊谷拓明右の太ももが熱くなってきた。
いつもは左ふくらはぎから熱くなってくるのだが、今日はバランスがいつもと違うらしい。
少し昨日の夜から、腰がだるく、あまりだ

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【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第30話

【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第30話

ダンス劇作家「熊谷拓明」が、この度の緊急事態宣言が解除されるまで ダンス劇小説を毎日連載!
もっともいいねを集めた作品を、収束後どこかの会場で
熊谷が60分の1人小説ダンス劇として上演致します。

第30話「それぞれな男」作.熊谷拓明かかとから強くブーツを押しあてて、足の裏を丁寧に置き、腰に力を込める、つま先から抜く時にすでに反対のかかとを強く押し当てている。

東京では珍しく雪が降ると、

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【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第29話

【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第29話

ダンス劇作家「熊谷拓明」が、この度の緊急事態宣言が解除されるまで ダンス劇小説を毎日連載!
もっともいいねを集めた作品を、収束後どこかの会場で
熊谷が60分の1人小説ダンス劇として上演致します。

第29話「やっきな男」作.熊谷拓明北海道浦臼町字晩生内(ウラスウチョウアザオソキナイ)にある祖父母が暮した家に遊びに行くと、決まって祖父母の家の庭から国道275号線に出て、オソキナイで唯一車の通

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【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第28話

【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第28話

ダンス劇作家「熊谷拓明」が、この度の緊急事態宣言が解除されるまで ダンス劇小説を毎日連載!
もっともいいねを集めた作品を、収束後どこかの会場で
熊谷が60分の1人小説ダンス劇として上演致します。

第28話「ふかかいな男」作.熊谷拓明最近やたらと生え際ににきびが出来る。
いや、にきびなんて年齢ではないのだから、ただ肌がぶつぶつしているだけである。
人差し指から薬指の3本を、額で何度も右から

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【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第27話

【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第27話

ダンス劇作家「熊谷拓明」が、この度の緊急事態宣言が解除されるまで ダンス劇小説を毎日連載!
もっともいいねを集めた作品を、収束後どこかの会場で
熊谷が60分の1人小説ダンス劇として上演致します。

第27話「はつらつな男」作.熊谷拓明右の人差し指を曲げてフックのような形にして、突き出た第2関節でエレベーターの上を何度も押した。

特に誰かに追われているわけでもないのに、なんとか今日は一人が

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【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第26話

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ダンス劇作家「熊谷拓明」が、この度の緊急事態宣言が解除されるまで ダンス劇小説を毎日連載!
もっともいいねを集めた作品を、収束後どこかの会場で
熊谷が60分の1人小説ダンス劇として上演致します。

第26話「ぬけがらな男」作.熊谷拓明右耳の頂点で小さなアリが足を踏み外さないように、慎重に慌ただしくコソコソしている。

もちろん気にはなっている、手などを使ってここにいるアリを払う事も出来るが

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【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第25話

【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第25話

ダンス劇作家「熊谷拓明」が、この度の緊急事態宣言が解除されるまで ダンス劇小説を毎日連載!
もっともいいねを集めた作品を、収束後どこかの会場で
熊谷が60分の1人小説ダンス劇として上演致します。

第25話「うやむやな男」作.熊谷拓明中野駅に着くと、駅構内まで届く北と南から昼の光が眩しく、北にはローターリーの植込みのコーナーに腰を掛けて、>_を待つのか、何かを待つのか、その時を待っているの

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【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第24話

【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第24話

ダンス劇作家「熊谷拓明」が、この度の緊急事態宣言が解除されるまで ダンス劇小説を毎日連載!
もっともいいねを集めた作品を、収束後どこかの会場で
熊谷が60分の1人小説ダンス劇として上演致します。

第24話「ささいな男」作.熊谷拓明「痛い痛い痛い!ほら、それを押すから今角が僕の左の腹にささるでしょ。
すみませんじゃなくて、早く一度戻して。
ほら、もう一回いくよ。せーの。

痛い痛い痛い!ち

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【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第23話

【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第23話

ダンス劇作家「熊谷拓明」が、この度の緊急事態宣言が解除されるまで ダンス劇小説を毎日連載!
もっともいいねを集めた作品を、収束後どこかの会場で
熊谷が60分の1人小説ダンス劇として上演致します。

第23話「おってな男」作.熊谷拓明足元の窓から子供が2人、朝から高らかに歌っている。
いつからこの声をうるさいと感じなくなった、歳をとったと言ってすませれば簡単かもしれないが、僕ぐらいの歳の男が

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【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第22話

【みんなで選ぶ一人小説ダンス劇】毎日連載「〇〇な男」第22話

ダンス劇作家「熊谷拓明」が、この度の緊急事態宣言が解除されるまで ダンス劇小説を毎日連載!
もっともいいねを集めた作品を、収束後どこかの会場で
熊谷が60分の1人小説ダンス劇として上演致します。

第22話「たかがな男」作.熊谷拓明この地に越して来た当初から、彼は所謂幸せそうであった。

家業なのか、勤め先なのか、レンガ色の四角い2階建てのこじんまりとした民家の1階部分から、緑の日除けテン

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