見出し画像

子どもが自主学習にハマる方法 〜6つのやる気エンジンに火をつけろ!〜

休校明けから始めた自主学習

 いわゆるコロナショックによる休校が明けたのは、5月の後半であった。
 それ以降、学年で取り組んできたことが「自主学習」である。

 十数年の教師生活の中で、最も子どもの成長を感じた取組が、この「自主学習」だ。
 もちろん、これまでも様々な実践を行う中で、子どもの成長を感じることは多々あった。
 しかし、たった2ヶ月半という短くなった1学期、これほどの短期間に子どもの変容を大きく感じたことはなかった。
 新型コロナが流行する中、様々な制約があり、学校行事が精選され、学習に力を入れることができたことも大きな要因ではあると思う。
 しかし、それを差し引いても、子どもの成長の早さと成長の大きさに驚かされ続けた2ヶ月半だった。

 私がこれに、本気で取り組もうと思ったきっかけは、「新型コロナウィルス」によって休校になったことである。

 もしも第2波が来て、もう一度休校になった時のために、子どもたちに「自分で学べる力」を付けたかったからだ。『自立した学び手』を育てようと思ったからだ。

 1学期の最終日に「1学期の思い出」についての1分間スピーチを行った。そして、クラスの3分の2が「自主学習が楽しかった」と話した。
 私だけでなく、子どもたちも大きな手応えを感じていたのだと思った。


あなたはどんな声をかけますか?

 クラスには様々な子がいる。
 勉強が得意な子・得意ではない子、運動が得意な子・得意ではない子、何か取組を始めた時に教師の意図を100%理解できる子・できない子、様々な子がいる。
 自主学習でも、初日から"S”の評定が付く子がいる一方(評定においては後に記述する)、そうでない子も多くいた。

 私のクラスにA君という男の子がいる。
 学力的にとても厳しく、2日に1日は遅刻する。家庭の教育力も高くはなさそうだ。
 その子の初日の自主学習は、以前の私だったら「やり直し」と突っ返したいただろう、お世辞にもいい学習とは思えないものだった。

 そんなA君に対して、あなただったら、どんな声をかけますか?

 私は、A君に何も声はかけなかった。
 ただ、彼のノートに"C”と書き続けた。
 そして、クラスで様々な取組を行った。
 そして、A君のノートが少しでも良くなったら、めちゃくちゃほめた。

 その約2ヶ月後、彼のノートはクラスで行った自主学習コンテスト(後に記述)で、優秀賞に選ばれた。

 彼は、1学期の振り返りで次のように書いている。

 正直、宿題はめんどくさかったけど、ちょっとずつ成長してるなぁと思って、最後はちょっとだけ楽しくなってきました。
 自主学習はまだ全然慣れていなかったけど、やっていくうちにどんどん慣れてきて、AやSが多くなってきました。
 これからも、6年になっても、中学になっても、自主学はあるから、中学でもあると思ったら、がんばらなきゃと思います。

 最初は、自主学習に対してあまり意欲的ではなかったA君が徐々に変わってきたことがわかる。
 A君を含めたクラスの子の「自主学習熱」をどのように高めたのかについて、科学的根拠を基に説明する。


子どものやる気はどこから生まれるのか?

 やる気は、外から与えられるやる気と、中から湧き出るやる気に大きく分けられる。専門用語では、それぞれ「外発的動機付け」「内発的動機付け」と呼ばれる。

 外からのやる気は、自分の行動が外部(他人や環境)の報酬・命令によって生じる状態のことを指す。「成績が悪いと怒られるから(罰を避ける)」「宿題を終わらせたらゲームができるから(報酬を求める)」などが、外からのやる気で動いている例だ。

 一方で、内からのやる気とは、自分の行動が完全に自律的で、興味から生じている状態のことだ。「新しい情報を得たい(知的好奇心)」「なぜなのか知りたい(理解欲求)」「前より上手くなりたい(向上心)」などが、内からのやる気に含まれる。

 内からのやる気で動いている子どもは、深く、持続する学習を実行しようとする。「知りたい」「理解したい」と感じる限り、自分の意欲で取り組み続ける。

 子どもたちに、よい方法で粘り強く学習するようになってほしければ、最後には内からのやる気が生まれるように導いていくことが大切である。


6つのやる気エンジンに火をつけろ!

 外からのやる気より内からのやる気がいいことはわかったが、具体的にどうすればいいのだろうか。
 そこで、この2つの動機付けをさらに細かく分けるみる。すると、より具体的なアイデアが出てくる。

❶報酬志向
  報酬を得る手段として勉強する(ほめられたいから・叱られたくないから)


 怒ることと報酬で釣ることは全く同じ種類だ。怒るくらいなら、罰ではなくご褒美を与える方がよい。
 6つのやる気エンジンの最初は、この報酬志向を意識した「ご褒美作戦」から入ることが効果的だ。

❷自尊志向
  プライドや競争心から勉強に向かう(勝ちたいから・負けたくないから)

 実力が近い友人がいるときが一番うまくいく。
 ただし、負けが続くときは注意しなければいけない。あまりにも勝てないと諦めてしまう。
 「成績」だけで勝負するのではなく、「前回よりも伸びた点数」「学習時間」「解けた問題数」などで勝負といった工夫をした方がよい。

❸関係志向
  他者につられて勉強する(みんなやっているから・信頼しているひとを喜ばせるため)

 やる気は感染する。高い意欲を持った子の周りには、意欲の高い子が集まるので、その輪をいかに広げるかが大切である。

❹実用志向
  仕事や生活に活かすために勉強する(今や将来に役立てられるから)

 「英語を学ぶことで外国に旅行するときに役立てたい」「お金の計算に算数で習った割り算やかけ算を使う」などを示すことができれば、学んだ意味を感じることができる。

❺訓練志向
  知力を得るために勉強する(賢くなるから・頭が良くなるから)

 ❷の自尊志向が他者比較なのに対して、この訓練志向は自己比較である。
 勉強を続けていくと、「前はできなかったことができるようになった」という実感が得られるようになる。この積み重ねが楽しくなると、「もっと賢くなりたい」という好循環が生まれる。
 また、「こういう勉強をすれば記憶に残るのか」という発見を求めるため、勉強法が改善されていく。
 私たち教師は、「前よりこういうところがよくなっている」と伝えることが大切だ。

❻充実志向
  学習が楽しい(楽しいから・やりたいから)

 ここまで到達したら、あまり邪魔しないで見守るのが一番。
 最終目的地の1つである。


 この❶〜❻の数字は、❶から始まって❻に到達するというような、段階を示すわけではない。
 もちろん、担任としては、クラスの全員が❻充実志向で学習をしてほしいという願いはある。しかし、それは現実的には厳しいと思う。
 職場でも、生活のために働いている人もいるだろうし、その仕事が好きで働いている人もいるだろう。それと同じだ。
 大切なことは、「自分で学ぶ力」をつけることだと思っている。
 そして、私の手から離れて、中学や高校、そして社会人になってからでも、❻充実志向に到達してくれたらと願っている。

 では、次からは、具体的にどのような取組を行ったのかについて、説明していく。


主体的に学ぶ子どもを育てる「自主学習システム」

1、家庭学習カード
 家庭学習カードに、自主学習で行ったことやできたことを記録させている。
 記録と言っても簡単で、頑張ってほしい項目を作り、それができたらその項目に○をするだけだ。人は全ての項目を埋めたくなる(○をしたくなる)ものなので、カードを埋めるために頑張るというシステムだ。
 毎日、自主学習ノートと共に提出する。
 また、音読の宿題も、このカードに含んでいる。

画像1

画像2


2、昇段システム
 家庭学習カードに○が付いた数によって、「級」が上がっていき、「級」が上がるごとにシールを貼る。
 実を言うと、モノ(シール)を動機にするのはあまり好きじゃないので、このシステムを取り入れるかどうか悩んだ。しかし、シールをもらえることを前面に出さずに、子どもの頑張りを可視化することを意識している。だから、市販のキラキラシールではなく、私手作りの「級シール」なのだ。

画像3


3、計画表
 家庭学習カードの裏に、カレンダーを貼り付け、テストの予定などを記入させている。この1ヶ月で、この予定表を参考にして、テスト勉強を自主的に行える子がかなり増えた。

スクリーンショット 2020-08-12 15.40.35


4、評定
 子どもの自主学習ノートに、S・A・B・Cなどの評定を付けた。

【C】自主学習ノートを行っているが、1ページをうめきれていない。ナンバーや日付、タイトル、振り返りなど、当たり前に書くことがぬけている。
【B】1ページにわたって、自主学習を行っている。
【A】余白がほとんどなく、ぎっしり行えている。ていねいに書けている。
【S】工夫をしている。自分の興味の持ったことを調べている。漢字練習だけや計算練習だけでは、Sはつかない。

 Sよりもいいノートには、SS、SSSなどを付ける。


5、教師のコメント
 休校が明けてすぐはそんな余裕はなかったが、最近は子どものノートに毎日コメントを入れている。ほとんどがプラスのコメントだ。
 コメントを入れるようになって、子どもノートがさらに良くなったような気がする。

画像5


6、学級通信での紹介
 ほぼ日刊で学級通信を書いている。お手本になりそうな自主学習ノートを、学級通信で紹介している。

画像6


7、自主学習ノートコンテスト
 ①各自、自主学習ノートの自信のある1ページを開け、机に置く。
 ②10分ほど時間をとり、他の子のノートを見て回る。
 ③その際、「いいな」と思ったノートには、付箋にコメントを書いて、その子の机に貼る。

スクリーンショット 2020-08-12 15.47.47


 ④「いいな」と思ったノート、ベスト3を選ぶ。集計用紙に理由と共に書き、提出する。

 付箋を多く貼った子を、「友だちのいいところを見つけるのが上手いね」とたくさんほめる。

 友だちからからもらったコメント付きの付箋を、ノートに貼り付けて持っている子が多い。

スクリーンショット 2020-08-12 15.48.00

 教師が「ベスト3」を集計し、票が多く集まったノートを、後日「自主学習ノートコンテスト優秀賞」として発表する。
 このアイデアは、SNSの「いいね」からヒントを得た。tweetなどに、「いいね」をもらったら、嬉しいからだ。


8、コンテスト優秀賞に賞状
 優秀賞には、ノートにシールとして貼れる小さな賞状をプレゼントしている。 

画像9

画像10


9、コンテスト優秀賞を学級通信で紹介

画像11


10、ライバルと自主学習コンテスト
 自主学習コンテストの優秀者が固定されてきたので、複数の優秀者が選ばれる取組を行う。

 ①自主学習ノートで競い合いたい人のグループ(2〜5人)をつくる。(コンテストの前にグループをつくる)
 ②3人のグループだったら、3人のノートを並べる。

画像12 


 ③クラス全体を見て回り、付箋にコメントを書いて、「いいな」と思ったノートに貼る。
 ④各グループの優秀賞を選び、優秀者の名前と選んだ理由を書いて、提出する。

 教師は次の日に、学級通信などで、各グループの優秀賞を発表する。
 グループになる時に、自分よりちょっと上だなと思う人と組むのがポイント。


11、よいお手本ノートを用意する
 言葉で説明することも大切だが、見本になるような自主学習ノートの実物を見せる方が手っ取り早い。
 私の場合は運良く、友人が自主学習に力を入れており、そのクラスのノートを手に入れることができた。その中の何ページかをスキャンして印刷し、自分のクラスで提示した。
 まずはお手本を配り、それらの「いいところ」を自主学習ノートの最後のページに箇条書きで書かせた。また、希望する子には、お手本を持ち帰らせ、家で学習するときの参考にさせた。

画像13


12、自主学習を授業時間内でもさせる
 自主学習を宿題に出しても、できる子とできない子に分かれるだろう。
 だから、年度当初は、自主学習のやり方を教えて、教室で共に行う。そして、時間内に終えられなければ、宿題として行わせる。
 こうすると、何をやっていいかわからない子が助かるのだ。また、教室で行うことによって、いろいろアドバイスもできる。
 ちなみに、次のリストが教室で行った自主学習だ。

 ①漢字ドリル1ページを、「けテぶれ」で行う。
 ②算数の復習ページを、「けテぶれ」で行う。
 ③各教科のテスト前に、「けテぶれ」でプレテストを行う。


13、時間を決める&学校で行ってもよい
 「あまり時間をかけていないな」と思えるノートがたまにある。
 だから、自主学習を行う意義をもう一度伝えて、自主学習を行う時間について、1時間ほどかけて、話し合った。
 そして、「50分間」は必ず行うことに決まった。
 その代わり、習い事などで時間を取れない子もいるので、学校で自主学習を行ってもよいことにした。
 以前の私だったら、「50分以上はやろう」など、こちらから指示していたと思うが、子どもに課題を投げかけ、子どもたちと共に考えたのが良かった。
 このルールを決めてから、時間をかけて学習するので、ノートのクオリティーがさらに上がった。


14、ビフォー&アフター
 自分の成長を可視化するために行った取組。

①自主学習ノートの最初の5ページの評定を書き出す。 
②C(1点)、B(2点)、(3点)、S(4点)、SS(5点)、SSS(6点)とし、5ページの評定の点数を足し算する。
③自主学習ノートの最近の5ページの評定を書き出す。 
④5ページの評定の点数を足し算する。
⑤最初の5ページの点数と最近の5ページの点数を比べる。
⑥クラス全員分の点数も足し算し、クラス全員の成長を可視化する。

・「自主学上手くなったねぇ」とめちゃくちゃほめる!


15、土居式漢字指導法を応用
 昨年度までは、全員が同じ漢字練習を行い、同じ漢字テストを一斉に行っていた。
 しかし、今年は漢字の宿題をなくした代わりに、自主学習で自分のやるべき漢字練習を行っている。
 具体的に言うと、同じ小テストを3回行う。例えば、1学期の漢字小テストに全て合格(満点)したら、2周目に入る。1周目より2周目の方が難易度は上がる。どのように難易度が上がるかについては、下の学年便りの画像をご覧になってほしい。

 漢字テストは、合格すれば先に進めるというシステムなので、子どもによってやるべきところが違う。一言に漢字練習と言っても、どれだけ練習したら定着するかは人によって違うので、自分のペースで学習すればいいのだ。自分で課題を見付け、自分のやるべきことを自分で行っているわけだ。

 これまでは「ノート1ページに練習する」「先生から丸をもらう」を目標に漢字の宿題に取り組む子が多いように思えた。
 しかし、漢字学習の本来の目的は、「漢字を習得すること」「覚えた漢字を作文等で使えるようになること」だと思う。
 「漢字テストに合格しないと先に進めない」というわかりやすい目標をおくことによって、機械的に漢字練習するのではなく、「おぼえること」を意識しながら、学習できるようになったのだと思う。
 このやり方により、「宿題を終えればいい」「○をもらえればいい」と思っていた子たちが、「漢字を覚えなければならない」というような意識に変わっていった。

画像15

画像18


16、自主学習ノートタワーを教室に作る(実施予定)


17、自主学習ノートで交換日記(実施予定)


18、授業参観でノートを展示する(実施予定)


19、自主学ビンゴ(実施予定)


取組を行う上で大切にしたい2つのこと

 今年度取り組んできた自主学習についての様々な取組を紹介した。
 このような取組を行う上で大切なことは、子どもの思いに寄り添うことである。
 教師の思いだけが先行しないように、子どもたちと対話しながら、自主学習を行ってきたつもりだ。

 例えば、上に紹介した「50分間は自主学習を行う」というルールも、子どもたちと1時間ほど話し合って決めたことである。
 「自主学習を頑張っている人もいれば、ノートを見るとどう考えても手を抜いているなと思う人もいるんだけど、どうしようかな?」という問いかけから話し合いを始めて、このように決まったわけだ。

 私は以前、ある取組をクラスで行ったことがある。
 しかし、いつしか、その取組を行おうとすると子どもたちから「えっー」という声が上がるようになってしまった。
 自分の指導は間違っていたと痛感した。
 自分の思いばかりが先行していて、子どもの思いを何も聞いていかなったことに、その時やっと気付いた。
 今でも、その子たちには申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

 クラスのことだから、子どもたちの思いに寄り添いながら、実践を進めていくことが大切である。

 取組を行う上でもう一つの大切なことは、そのクラスに合った取組を行うこと。

 私のクラスでは、「自主学習ノートコンテスト」が人気だ。
 隔週で行っている取組だが、毎回子どもたちは楽しみにしている。
 例え勝てなくても、「次勝ちたい!」と笑顔で言っている。

 しかし、こういう取組は人間関係を悪くしてしまう可能性がある。
 当たり前のことだが、あるクラスでハマった取組が、他のクラスで合わないことは多々ある。

 子どもたちの実態を把握し、子どもたちに合った取組を行うことが大切だと思う。

 私は持ち上がりの学年(4年→5年)だったので、実態を把握しており、彼らに自主学の取組は合っているという根拠のない自信があった。
 そして、彼らには合っていた。


自主学習の取り組みを「6つのやる気エンジン」に当てはめると


スクリーンショット 2020-08-13 10.53.53




子どもは自主学習の取り組みに対してどう思っていたのか?

 1学期の最終日に、自主学習を行ってきてどう思っていたのか、どう感じていたのか、本音で書いてほしいと子どもたちに伝えた。
 その感想(振り返り)がこれだ。

 私は自主学習はいい勉強だと思います。自分が興味を持ったことを調べられるし、自主学習コンテストで、みんながどんな勉強をしているのかを見られてよかったです。
 自分が苦手な教科を克服するために、やったテストで間違えてしまったところをもう一度練習できるのがよかったです。
 初めて自主学習をやった時はめんどくさいなと思っていましたが、今はめんどくさいと思わず楽しくやっています。
 初めてやった時は、SSやSSSは私には取れないと諦めていましたが、今では心に火がついて、SS、SSSを取るためにがんばっています。SS、SSSを取るのにはどうしたらいいかを考えて、工夫しながらやっています。
 自主学習では、自分にあった勉強方法探しができるので、あきることはないです。今までの勉強より、自主学習の方が私はやりやすいので、気に入っています。
 5年生から始めた自主学習で、計画を立てて、その計画に合わせて自主学習をやったら、テストの点数が4年生の時よりも上になりました。だから、私は自主学習を6年生になっても続けていきたいと思いました。
 間違えた問題をもう1回自主学習でやったので、まとめのテストがいい点でした。6年生まで自主学習を続けていきたい。理由は、1回間違えた問題を、次間違えないように自主学でして、点数が本当に上がったからです。
 はじめは、少しめんどくさいな思ったけれど、本当に国語や算数や理科や社会や家庭科、英語などの教科の点数がすごく上がったので、自分ややる気が出て、とても自主学が楽しくなりました。
  何をやってもいいので、テスト勉強ができたり、習ったことを復習したり、予習したり、自分が好きなものを調べたりできるので、しばられなくて解放感がある宿題。
 漢字をやってきてと言われるとする。分かっているのに、練習したら時間の無駄になる。その時間を苦手なところのテスト勉強に使うと、もっと効率が良くなる。
 最初は「50分かぁ」とか思っていたけれど、やっているうちに、165分とか135分とか、2時間を余裕でこえた。また、最初はめんどくさいと少し思っていて、「宿題だから」という理由でしていたが、やっているうちに自主学習は「自分のために」「将来のため」という理由になってきた。
 そして、楽しくもなってきて、テストも4年のときよりもできるようになり100点の回数も増え、直しも減ってきているのでいいと思っている。
 賞状をもらうことを目標として、成績をよくすることを頑張ります。
 1学期の最初と最後では、自主学習に対する考え方が変わった。
 最初は適当に漢字練習などを書いていたけれど、現在は地球温暖化や食物連鎖など、とても重要な問題を書けていて、書いているときにたまに「このまま地球が暑くなってきたらどうしよう」「自分でできることはないかな」など、考える時もあるのだ。そのおかげで、地球のプラスティック問題や環境問題に関して、自分のできる範囲のことをしているから、自主学は素晴らしいと思う。
 確かに、自主学は50分間集中してかからないといけないけど、やっていると楽しいから、自主学の宿題はいやではない。
  最初は慣れていなかったので大変だったけど、2週間ほどやったら慣れました。そして、今は最初とは逆に楽しくなりました。なぜかというと、自主学習コンテストで賞を取りたいと思ったからです。でも、今まで賞を取ったことがなかったので、今日こそ取りたいです。そのために自主学習を頑張ってきました。
 2学期も頑張って勉強しようと思っており、2学期は賞状を3枚もらうことを目標にして、自主学習を頑張りたいと思います。


保護者は自主学習の取り組みに対してどう思っていたのか?

スクリーンショット 2020-08-14 20.30.16

 4年生までは宿題をするのが苦痛でしたが、5年生の自主学習は毎日意欲的に取り組めています。自分で計画できること、周りの友だちから良い刺激を受けること、先生の評価で次も頑張ろうと思えることがやる気につながっていると思います。この調子で続けていければいいなと思っています。
 5年生になり、集中して宿題をする時間が増えたと思っていました。聞けば、50分間集中して自主学習をしないといけない!と。ノートを見るとぎっしり文字が書かれていて初めは驚きました。「SSS」がもらえるように頑張っていると言っていました。友達の影響もあってか、毎日必死でやっているように思います。「継続は力なり」まさに色々な面で力になってきていると思います。
 休校中のたくさんの課題を取り組み、自己でスケジュールを立てることも最初はできず、一緒に考え学習することができ、2週目、3週目と計画を自分で考えることができるようになりました。現在の自主学習も、今自分ができていないところやテストの予定に合わせ、自己管理ができているように感じます(成長できています)」。この2ヶ月半で、学ぶことが楽しいと思えるようになっています。計画する→実行→できたかチェックする→次もっとよく(理解)するためにはどうするかを考えられるようになりました。ありがとうございます。
 今まで全く自主勉強をしてこなかった息子にとって、自主勉強をすることに戸惑いがありました。何をして良いのかわからない状態でした。出された宿題をただやるだけでした。最初は何をすればよいの?って聞いていましたが、今は自分で考えています。この取組にすごく賛成です。
 自粛期間が解け、6月からこの2ヶ月半、この世の中の異常事態に皆それぞれが遅れていた学習や学校生活に戸惑い、不安な思いと共に過ごしてきたと思います。そのような中ででも、学校や先生方には、そのような子どもたちや親の不安などを配慮し、工夫をして何事にも取り組んでくださったことに感謝でございます。自主学習の取組によって、家での子どもの学習に取り組む姿を見ていると、本当に「自分で学ぶ力」自主性を感じられ、成長する姿に嬉しく思いました。ありがとうございました。
 自主学習ノートに取り組んでいる時は、今日は何を勉強するか、すべきかを自分で考え、ノート1ページのレイアウトも考えながら進めていき、1ページやり切るまでは集中して机に向かうことができていたと思います。みんなそれぞれ違うノートを見て、学んだこともたくさんあったようです。自分の中で目標を立て、興味を持って楽しんで勉強し、その成果を子どもたちが実感できることが一番だと思います。
 やり出したら凝るので、1時間以上してやりすぎて終われず、翌朝早起きして仕上げていました。自分で気になることをテーマに決めてできるところが、問題集をやるより好きだそうです。写真や絵をプリントアウトして切り貼りし、途中にキャラクターを描いたり、自由な発想で、学習に意欲的に取り組んでいるなと思います。工作や絵を描いたり、自分のやり方で取り組める自主学習は○○には合っているなと思います。ただ、苦手な分野に取り組むことが少ないように思うので、そこは気になっています。
 5年生になって、コロナで休校が続くようになってから、自主学習をしている様子が見受けられるようになった気がします。最初は取り組み方がわからなかったところもあったようですが、最近はとても頑張っているように思います。勉強に対する姿勢が変わってきたようで、とても良いことだと思います。これからもよろしくお願いします。
 最初の頃は何を自主学習のテーマにしてよいかで悩んでいました。50分もかけて自主的に勉強するということに慣れていなかったのですが、今ではテーマはもう決まった状態でノートを開いているようです。ノートの記入の仕方も、友達のわかりやすく工夫されたノートを見ることで刺激され、自分なりに工夫するようになりました。ドリルや問題を解くだけの問題とは違い、時間はかかるけれど、考える力や、人にわかりやすく伝えるという力を身に付けることができる学習だと思います。今後も、自発的に学習する力をつけていってもらいたいと思います。

最後に

 この取組は、「自立した学び手」を育てるために行っていると、前に述べた。
 本当は、このようなシステムがなくても、「自ら学べる子」に育ってほしいと思う。しかし、いきなり「自分で学びなさいよ」と言っても、できるのは数パーセントの子だろう。
 だから、このシステムは、「教師から与えられた課題をこなす子ども」と「自立した学び手」をつなぐ役割だと思っている。
 「家庭学習カード」や「シール」などを少しずつなくしていき、このようなシステムがなくても学べる子どもになってほしいというのが願いである。


【参考図書】

画像16

画像17


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?