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Who Laughs LAST ?

いつものように仕事を終えて、いつものように地方都市のカプセルホテルに入ると、俺は苛立ちとともに抜身のベレッタM92をスチールロッカーに投げ込んだ。
ガッシャンと大きな音が脱衣所に響き渡り、自身の苛立ちを加速させる。
タオル片手に足早に浴場へと向かい、頭と体を念入りに洗い流した。
熱を求めてサウナ室に入ると、既に情報屋のシシドがいたので報告を済ませる。

「片付けてきた、川に流してきたから明日には見つかる筈だ。」

「今回も仕事が早くて助かるよ。カネはもう振り込んである。」

「ガキ相手は勘弁してくれって言ってあるよな?依頼せずとも何とでもなるだろうに。」

「しかし客は多いのさ。今回は親からの依頼だったよ、自分の持ち物は自由ってもんだろ?それとも何だ、アンタのGUNはお飾りかい?」

「テメェの股のGUNもぶち抜いてやろうか。」

「それこそ勘弁してくれ、アンタへの仕事も取って来れなくなっちまう。」

ーーS市を中心に続いている銃殺事件ですが、捜査は依然難航しており引き続きーー

サウナ室内のテレビから県内ニュースが流れてきたのが意識を一瞬奪う。気付けば汗の粒が浮き出てきている。

シシドはテレビに目をやりながら話を変えてきた。
「こいつはお節介だが、同業者がアンタを嗅ぎ回ってるらしい。背の高い女だってよ。」

「ソイツの事は知らんがよくある話さ、邪魔になるなら消すまでだ。」

「別品だったら、自慢のGUNでヨロシクやっといてやるぜ。ハハッ。」

俺は無視をきめ込み、熱した体を冷ますべく水風呂へと歩き出す。50度以上の温度差に収縮した血管に、ドクドクと血が流れ出すのが聴こえてくる。
つづけて頭の中の全てが、水面のように静かになってゆく。その後、水風呂を出て屋外のビル風に浴びてるうちに、生の実感が戻ってくる。
あぁ、今日もさっさと寝ちまおう。

翌週、仕事を取りにシシドの事務所を訪れると、奴は3日前に女に刺されて死んだと聞かされた。

【続く】

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