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ビーイング・ア・ベジー

【これまでのあらすじ】
 生まれつき全身がオレンジ色の邦夫はそのことでずっといじめられていた。成人の年、母から告げられた衝撃の事実。それは、実は彼は人参と人間のハーフということだった!野菜として覚醒した邦夫は、かつて自分をいじめた者たちに復讐を始める。




―――――――エピソード#1:【進撃の野菜】―――――――――――




 人参は、数ある野菜の中でも特に凶暴であった。 


 そこは、街から少し外れた所にある平原。
 雨が降っている。

 邦夫の足元には、かつて自分をいじめた連中の一人、沢田がバラバラになって死んでいた。不浄な肉片の散らばるその場に、呼吸を荒げて立つ邦夫。その両手は穢れた血で染まっていた。
 そして邦夫は確信する。やはり目指すは、肉食至上主義の街ミーティア。野菜嫌いのクズどもの蔓延る街。
 邦夫の闘志が漲る。水分は十分。鮮度はばっちり。そのオレンジの身体は今、燃えるように赤く輝いていた。
 邦夫は誓う。
 待っていろ。野菜嫌いの人間どもめ。
 皆殺しだ。
 野菜嫌いの人間は皆殺しなんだ。

【続く】

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