【OPV Members!】 ＃６ 「自立した地域」を創ろう。只野由香利さん
「地域の100の課題から100のビジネスを創出する。」
原発の避難指示解除準備区域だった小高の再生を見据え、
2014年に株式会社小高ワーカーズベースが創業されました。
「地域の課題は起業のチャンス」という考え方のもと、食堂、仮設商店運営、ガラスアクセサリー工房をはじめ、多角的な事業展開がなされています。
さらに「再生」に止まらずに自由な発想で新しい街の創造を目指し、コワーキングスペース「小高パイオニアヴィレッジ」が2019年にオープンしました。
そこでは起業型地域おこし協力隊員"NextComonsLab南相馬"の展開など、多くのエネルギーに溢れる人々が活動し、コミュニティが育っています。
現代日本のフロンティアを駆ける人々がどんなビジョンを持って活動しているのでしょうか？
一人一人にインタビューしてみました。
Pioneer's Profile
只野 由香利（ただのゆかり）
1995年生まれ、南相馬市出身。
県内の高校を卒業後、神奈川県内の大学に進学。
東日本大震災後、ロータリー財団の支援を受け、初めての海外研修で米国留学を経験し、海外の魅力に気づく。
大学進学後は、海外ボランティア活動や山岳少数民族のゼミナール研修、バックパッカーなどで、海外を往来する。
2018年新卒でUターンし、小高ワーカーズベース入社。
好きなもの 旅行
他にも、最近は"生活する事"に興味があり、
自宅では自給自足を進めるために畑づくりを始めたり、薪をわってお風呂を沸かしたり、料理を始めたりと、他に依存しないライフスタイルの確立を心掛けています。
座右の銘
「明日は明日の風が吹く」
カービィの座右の銘が「明日は明日の風が吹く」。
これは自分自身と重なる部分も多くあり、良くも悪くも私は「ものごとは結局なるようにしかならない」と捉えがちです。
理不尽な物事に出くわした時、受け入れやすいし引きずらない。
後悔の少ない生き方が出来ると思っています。
Q:南相馬で只野さんは何をされていますか？
株式会社小高ワーカーズベースで働いています。
小高パイオニアヴィレッジの宿泊・事務・受付など運営業務全般と、ガラスアクセサリー事業の広報をしています。
仕事以外では、知人と自宅にある蔵をリノベーションして娯楽を楽しむ場にしてみたり、自宅の荒れ地を整備して畑を始めたり、DIYを楽しんだりしています。
只野さんの蔵リノベーション活動はコチラ↓
Q:きっかけは何ですか？
高校時代にオーストリアで海外の魅力に圧倒され、以来積極的に海外経験をし、それを活かしてそのまま首都圏で就職しようと考えていました。
けど、大きく方向転換をしたんです。
海外で同世代の若者と話す時、自国や故郷に対しての無知さを突きつけられ、そもそも自分自身を知らなすぎると痛感しました。
彼ら彼女らは自国の歴史や政治に関して自分の意見を持った上で話せるのに対し、私は「福島県」という世界に注目されている地域に暮らしていながら、尋ねられても答えられない。
それをきっかけに「外にいく前に、まず内側を知ろう」と思い、Uターンして働こうと思いました。
就職活動中、ご縁があり、小高ワーカーズベースと出会ったんです。
まず、「自立した地域づくりをする」という話にピンときました。
次に生きる上でのテーマ「精神的、物理的にも自律していること」との調和や地域に根ざしている所に惹かれました。
さらに海外経験をきっかけに好きになったゲストハウスも、いつか自分でもやりたいと思っていたので、OPVでの業務内容もぴったりでした。
Q:背景にある思いを教えてください。
この小高区域に来る人たちは、一風変わっているけどみんな熱い思いを持っています。
若くて町に愛情を持っていて、昔からいる地元の人たちに負けないぐらい南相馬を熱く語れる人たちが集まるOPVのコミュニティは魅力的です。
起業をしようと日々前進している人たちから学べる所は沢山あるので、自分がその一員である事に感謝しつつ、たくさん吸収していきます。
Q:未来のビジョンを教えてください。
さっきの話に関連して自分で何かを始めるなら「日本固有の生活を維持していることの価値や魅力を伝える活動」ですかね。
私の祖父の世代以前では、田んぼや畑を自分の手で耕して、水は井戸から汲み、明かりは火を起こして灯す事が当たり前でした。
一方で、首都圏や外国の方からすればこういった生活様式はとても珍しく、魅力的に映るのではないでしょうか。
異常事態が発生しようと生存するために続けているライフスタイルを価値に変えて、将来的には人が集まるようになったらいいなと思います。
私は例えるなら「カービィ」です！
丸くて自由気ままでのんびりと。カービィのようにみんなに癒しを与えられたらいいな。
Q:最後に一言！
今ある環境、関わってくださっている方々への感謝を込めて、私は幸せです！
編集後記録
何でもかんでも効率化しすぎずに丁寧に暮らすライフスタイルを聞いて、インタビューをしながらうわ〜！いいな〜！と思っている自分がいました。
座右の銘「明日は明日の風が吹く」の嫌な事があっても明日はきっといい事があると考えへこたれない姿勢からも、沢山見習えるところがありました。
蔵リノベーション活動が気になる方は、ぜひ一緒に作り上げましょう！
（野口福太郎）
最後まで読んでいただきありがとうございました！
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