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WOMAN Life Style & Career Interview|中嶋佳乃子さん<後編>

女性の自分らしい生き方を応援するための、ライフスタイルとキャリアをテーマにしたインタビューブログ。
今回は、夢であった「数学教師」と「いきいきと働くママ」を実現されている中嶋佳乃子さんにお話しを伺っています。
育休中は自分へのボーナスタイムと捉えて、資格取得をされたそう。育休復帰後も順調な両立生活のスタートができたと思っていたら、、、管理職になったことをきっかけにして暗黒の両立生活が始まってしまった中嶋さん。
今は、家族の時間も大切にされながら、「数学」と「女性活躍」をテーマにした仕事でいきいきと活躍されています。
中嶋さんはどのように自分らしい生き方を見つけていったのでしょうか?妊娠されるまでの話を前編で、両立期の話を後編で紹介しています。

仕事が楽しすぎて、結婚したけど子どもは当分先でいいかなと考えていた中嶋さん。仕事を優先した結果、パートナーとの関係もギスギスしてきてしまった<前編>からぜひご覧ください。

中嶋さんの紹介

Qパートナーとの出会いエピソード
離婚後に始めたマラソンやロードバイクを通じて知り合いました。一緒にお酒を楽しめるのが決め手に!
Q妊娠・出産・育児のエピソード
妊娠8か月まで飛行機に乗って国内出張していました。1歳の子どもを置いて1週間海外出張もしました。
Q家事や育児の工夫やパートナーとの分担方法
基本はできる人ができることをできるときに。自ずと「できること」が固定化している今日この頃。
Qオススメの本
『LIFE SHIFT|100年時代の人生戦略』…この本を読んで、自分のこれまでの紆余曲折も、今の選択も、すべてが自分の資産になっていると解釈でき勇気づけられました。

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育休は自分へのボーナスタイム

ーーこれまでの社会人時代で初めての長いお休みが育休だったと思いますが、どんな過ごし方をされましたか?

育休は自分自身へのボーナスタイムだと思いました。今まで時間がなくてできていなかったことに挑戦したり、時間を投じたりしたいと考えていました。以前からお金のことを体系的に学びたいと考えていたので、ファイナンシャルプランナーを勉強して、資格取得をしました。

また学童保育指導員の資格があることを知り、今後の仕事や子育てにも役立てられると思い、資格取得を目指しました。スクールは4か月間で土日の通学だったので、パートナーに娘を預けて参加しました。定期的に一人の時間を持つことができたのもよかったです。

ーー育休中に自分のための時間を使うことに罪悪感を感じてしまう人も多いと聞きますが、どうでしたか?

私は、母親になっても自分の人生を楽しみたいと思っていますし、それに罪悪感を感じる必要はないと考えています。パートナーともお互いの人生を楽しむこと、子育てをしながらも仕事やキャリアを充実させることを大切にしたいと想い合っています。

子育てについても、母乳をあげること以外は母親でなくてもできるし、母親以外のたくさんの人と関わったり、触れ合ったりすることで得られることも多いと思っているので、託児サービスを利用することにも抵抗はありませんでした。

順調な復職と思いきや、暗黒の両立生活スタート

ーー夢の1つに「いきいきと働くママ」がありましたね。復職後、夢は叶いましたか?

育休復帰時はお休み前とは別の部署に配属され、メンバーとして復職しました。仕事を覚えたり、子育てと仕事の両立生活に慣れたりと順調にスタートできたんです。いきいきと働くママという夢も叶い、わくわく感もありました。でも、順調だったのは半年間だけでした。

復職半年後に上司から管理職にならないかと打診を受けたんです。打診された時はとてもうれしく、新しいポジションに挑戦してみたいと思いました。それから、暗黒の両立生活がスタートしました。

ーーどんな両立生活の苦労があったのでしょうか?

自分が管理職になったものの、仕事の内容はメンバーの方が詳しく、海外のパートナーとやりとりする必要があって、英語のスキルが必要だったんですが、私はあまり英語が得意ではなかったんです。メンバーが海外のパートナーとやりとりしている詳細が把握できず、相談にも的確なアドバイスができていないと感じました。さらに、17時になったら保育園のお迎えに行かないといけないので、残業ができないけど、自宅に帰っても仕事用のスマホを気にする生活をしていました。仕事も家庭も中途半端に思え、自分はなんの役に立てているのか、一生懸命やっているけどもまったく前進しない感覚に陥りました。

今思えば、管理職やリーダーの役割が分かっていなかったと思います。管理職になるまで、管理職の役割や仕事の内容について教えられることも考えることもありませんでした。私が見えていた範囲の管理職の仕事は労務管理などのタスクが中心で、管理職=マネージメントには何が必要なのかを手探りでみつけようとあがいていました。

サードプレイスで見つけた新しい発見

ーー暗黒の両立生活をどうやって抜け出したんですか?

きっかけは育勉との出会いでした。育勉では両立のための思考術や行動術を学びました。一番大きな収穫だったのは、なぜ両立生活がこんなに大変なのかの理由に気付けたことです。両立生活が大変と感じていたのは、子育て環境などのハード面ではなく、自己への肯定感や周囲との関係性、ポジティブな思考習慣などのソフト面だったんです。

ソフト面のアップデートが必要だと気づいてからは、アップデートできる機会を探しました。その時、岡山イノベーションスクールに出会い、通学することにしました。岡山イノベーションスクールでは、今まで出会ったことがなかった多様な人と出会い、たくさんの考え方に触れることができました。自分がやりたいと思ったことに実際にチャレンジしている人たちの話を聞いて、素直にステキだなと思ったし、とても刺激を受けました。そして、自分が悩んでいるのは、小さい井戸の中で溺れているようなものと思え、視野が広がった気がしました。

さらに、自分が培ってきたビジネススキルやポテンシャルにも客観的なフィードバックを受けることができ、正しい自己評価ができるようになりました。イノベーションコンテストでは、賞を受賞することができたのですが、アイディアだけではなく、プレゼンテーションや資料を作ること、そのためのロジックの組み立てなど、これまで20年間積み重ねてきたビジネススキル対しての評価も頂いたと思っています。今までのキャリアで磨いてきたことが評価され、自信もつきました。そして、今の仕事を続けるより、新しい環境に身を置き、自分のやりたいことを実現していきたいと考えるようになりました。

ーー育休スクラにも通われたんですね。

すでに復帰をしていたのですが、暗黒の両立生活を自分なりに整理したいと思い、育休スクラを受講しました。この育休スクラで管理職やリーダーはチームの成果を最大化するのが役割だということを学びました。復職半年で管理職になったとき、メンバーよりも仕事を知らないとか、英語ができないとか、そういったことは関係がなくて、メンバーのスキルを最大化することに注力すればよかったのかとやっと気づくことができたんです。

そして、今までは自分ひとりで抱え込んで、考え込むことが多かったのですが、一緒に成長し合い、刺激し合える仲間を得ることができ、誰かに話したり、壁打ちすることの面白さやよさを知りました。一人で考えるよりも、誰かに壁打ちする方が、考えが洗練されたり、別の考え方や捉え方ができることがあるんです。

不妊治療と新しいステージへ

ーー不妊治療もされていたんですね。

第1子復職後しばらくは仕事に追われていたら、気付けば40歳を超えており、第2子が欲しくて不妊治療に通いました。やはり40歳を超えるとなかなか成功率が低く、治療は1年間と決めてスタートしましたが、残念ながら妊娠には至らずでした。もし第2子を授かっていたら、また育休に入って、今の仕事を続けていたかもしれないけれど、結果的に心おきなく新しいステージへの挑戦を決意できました。

ーー今後はどんな働き方、生き方を歩まれるのでしょうか?

今はベネッセを退職し、週に2日高校生に数学を教えながら、育休スクラの運営に携わっています。「数学教師」と「いきいきと働くママ」の両方の夢が叶っていて、本当に楽しいです。今後、どんな仕事や働き方をするかは、まだ探索中で、家族や育児も十分に楽しみつつ、今まで培ってきた自分の強みやスキルを活かして、社会にどう貢献できるのかを考えているところです。

まとめ|中嶋さんのインタビューを振り返って

自身のライフスタイルやキャリアについて、オープンに語ってくださった中嶋さん、本当にありがとうございました。

中嶋さんのお話しで印象深かったのは、自分でコントロールできないことが起きたときに、それを受け入れながらも、ただ受け入れ・流されるだけではないところです。

例えば、想定外の異動でキャリア迷子になったとき、若さ故に気持ちを切り換えるのに時間はかかりましたが、自分が得意としている仕事を増やしていくように、周りへの働きかけやそれを認めてもらえる努力をされたんだろうなと思います。
また、夢であった数学教師になるため、教員採用試験に挑戦して見事合格された途端の妊娠発覚のときも、もう一つの夢であった生き生きと働くママになるために育休を有意義に活用されました。
さらに、暗黒の両立生活では、なんでこんなに苦しいんだろうという理由を、自分の中や知っている環境の中だけで答えを出そうとせず、サードプレイスに意識的に身を置いて、新しい視点や価値観に触れています。

中嶋さんの生き方、そして生き方を選び取る際の行動や考え方は、私にとっても、そして今からライフイベントを向かえる方にもたくさんのヒントを提示してくれています。

この記事をご覧いただいたみなさまも、どんな感想や気づきがあったか、せひ気軽にコメント欄から教えてください。

インタビュアー自己紹介

池上朋子
育休スクラをはじめ女性のキャリアを応援するサービスのマネージャーをしています。2018年に結婚を機に浜松に移住し、NOKIOOに入社しました。2019年4月産休取得、2020年1月半育休半復帰、2020年5月フルタイムで復帰してます。1歳の息子を育てながら、子育てと仕事の両立生活を楽しんでいます。とにかく息子がかわいい。
Twitter|https://twitter.com/tomoko_ikegami

中嶋さんが卒業した今もサードプレイスとして刺激し合える仲間を見つけられた『育休スクラ』が気になる方はこちらをご覧ください。