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組織が本気で取組みたくなる女性活躍を考えてみた#2

こんにちは。育休スクラをはじめとした法人研修サービスのマネージャーをしていますNOKIOOの池上です。私たちは女性活躍を起点に組織が発展することを目指して事業を展開しています。女性活躍をテーマに毎月開催している人事担当者向け無料セミナーから要はなんなんだっけ?というポイントをまとめていきたいと思っています。

今回は「組織が本気で取組みたくなる女性活躍」の回から、ポイントをまとめています。この記事は、女性活躍の現状や課題を整理し、そこから組織が本気で取組みたくなる女性活躍はどんなものかを考えていくような構成にしています。

前回の記事では女性活躍ってうまくいってないんですということ、そして女性活躍ってどういうことなのかを考えました。

今回は、なぜ女性活躍に取組むべきなのか、そして女性活躍が進まない理由を考えていきます。

今、女性活躍に取り組むべき理由

今、女性活躍に取組むべき理由を考えていく前に、大きな時代の潮流を抑えていきたいと思います。今、時代の潮流が大きく変化していますし、コロナによってその変化のスピードはさらに速くなっています。

今まで、旧来の製造量モデル(統制型モデル)で成功していた時代は、組織の中に正解がありました。例えば、「この車を作れば売れる!」という声の下、車を製造するための業務の最適化が図られた現場で、全員が同じ場所で同じ時間で働き、決められたことをこなしていれば、車が売れる時代でした。個人の視点でも新卒で入社した企業に定年まで働けば、潤沢な退職金と年金が得られて、自分も家族も幸せな老後が送れるという時代でした。

ところが今はどうでしょうか。あのトヨタの社長が「終身雇用は難しい」と発言したニュースはとても話題となりました。現在は不確実性が増している時代で、今までのような前提がすべて覆っています。

このような時代の潮流から、組織の中に正解や答えを持っている人が少なくなっていると言えます。組織内に答えを持ち合わせていないなら、外とオープンにつながって課題解決していく必要があります。

すなわち、組織はオープン型(イノベーション型)に進化していかなければなりません。ただし、決して統制型を否定している訳ではありません。統制型オンリーの組織風土やマネジメントスタイルにはもはや限界がある。その前提に立ち、統制型とオープン型の二項対立ではなく、統制型でうまくいく部分はそのままで、うまくいかない部分はオープン型に変えていく考え方が求められます。

従来の統制型モデルは週5日×8時間以上働けて、残業や休日出勤もでき、転勤や配置転換も受け入れられる人に優位に設計されていました。一方、オープン型モデルは、性別やライフステージを問わず、組織が必要とする答えや能力を持っている人がオープンに活躍できるスタイルを志向します。

そのためには、統制型一辺倒の風土や働き方、ひいてはマネジメントそのものを変えていく必要があります。その風土改革や働き方改革、マネジメント変革の原動力となり得るのが、女性起点の考え方なのです。

女性活躍が進まない理由はなんだろう

次にすでに35年も女性活躍の取組みがされてきているのに、女性活躍が進まない理由を考えていきます。女性活躍が進まない理由ってどんな風に考えていますか?女性自身のモチベーションや家庭の中の家事や育児の分担の問題でしょうか。もちろんそいうった問題も存在します。

ただ、組織が本気で取組みたくなる女性活躍を軸にすると、【職場の問題】と【女性本人の問題】に分け、どちらも正しく向き合う必要があると考えています。それぞれの問題を考え得るだけ書き出してみました。

【職場の問題】
*アナログベースの仕事のやり方(低いITリテラシ)
*気合と根性の組織カルチャー
*同調圧力
*変化への抵抗
*曖昧な成果や役割定義
*時間起点の評価
*古いマネジメント要件(管理中心)
*古いスキルセット 例)対面での発言の大きさ
*同質化した組織、排他的な風土
*個人依存、属人化
*開示されない情報、コミュニケーション不全
*仕事の定義が古い
*女性に対する決めつけ(強いバイアス)
*女性の育成に投資しない・機会を提供しない
*外を知らない
【女性本人の問題】
*環境依存と他責志向
*自分の立ち位置の決めつけ(強い自己バイアス)
*キャリアビジョンを描けない
*変化への抵抗
*気合と根性で乗り越えようとするか、あきらめる
*時間でナントカする仕事のやり方しかしらない
*一人で抱え込む(仕事も家庭も)
*発信しない、意見を言わない
*スキルアップをあきらめる
*外を知らない 

これらの問題解決を図ることが、女性活躍だけでなく、変化の時代に組織が成長でき、かつ女性を含む多様な人材が活躍できることにつながると考えています。

ーー今回の女性活躍に取組むべき理由と進まない理由を踏まえて、次回は組織が本気で取組みたくなる女性活躍を考えていきたいと思います。

人事担当者向け無料セミナーの紹介

女性活躍をテーマにした人事担当者向け無料セミナーを毎月開催しています。特長はスピーカーと対話しながら進める双方向ライブ型セミナーで、参加者の悩みや課題に応えながら進行する点です。セミナーが終わるころには、「腹落ち感」たっぷりの内容になっています。今後の開催情報は以下よりご欄ください。

■スピーカー紹介
ー沢渡 あまね
あまねキャリア工房代表/なないろのはな取締役/株式会社NOKIOO顧問

日産自動車、NTTデータ(オフィスソリューション統括部)、大手製薬会社などを経て、2014年秋より現業。情報システム部門、ネットワークソリューション事業部門、広報部門などを経験。現在は企業の業務プロセスやインターナルコミュニケーション改善の講演・アドバイザー・執筆活動などを行っている。NTTデータでは、ITサービスマネージャーとして社内外のサービスデスクやヘルプデスクの立ち上げ・運用・改善やビジネスプロセスアウトソーシングも手がける。これまで300を超える企業・自治体・官公庁で、働き方改革、マネジメント変革、組織改革の支援および経営層・管理職・中堅人材の育成も行う。これまで指導した受講生は4,000名以上。
著書『職場の問題地図』『マネージャーの問題地図』『働き方の問題地図』『職場の科学』など。

ー小田木 朝子
株式会社NOKIOO取締役/経営学修士

ウェブマーケティングの法人営業などを経て、NOKIOO創業メンバーとして参画。教育研修事業担当役員。2011年、中小企業診断士資格取得。2013年、自身の経験を活かし女性の社会参画支援事業『ON-MOプロジェクト』を立ち上げ、会員6,000名を超えるネットワークを育成。2016年12月『一般社団法人 育勉普及協会』を設立。2020年、オンライン教育サービス『育休スクラ』を立ち上げ、経験学習による人材開発・オンラインを活用したキャリア開発とアクティブラーニングを法人・個人向けに提供。グロービス経営大学院修了。
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●アクティブ・ブック・ダイアローグ®認定ファシリテーター