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"設計提案付き売地"という考え方

知り合いの不動産屋さんとともに、新しい不動産販売の方法を模索しています。売地は湘南エリア、小田急江ノ島線 善行駅近くです。既存家屋の解体工事が終わり、12月に入り販売を開始しました。

211130 藤沢市善行 売地13710162

よく広告や住宅情報サイトなどで目にする、建築条件付き売地という売り方。住宅の新築を考えている建て主にとっては、建物と土地がセットになっているためかかる費用もわかりやすく、建売だけでなく注文住宅にも対応できるという形式もあるため、理想の住まいを自由に設計したいと考えている方にとっても十分に選択肢に入ってくると思います。

この形式が主流になっている現状に私が疑問を感じることは、設計の自由度の高い低いはもちろん細かい問題としてあるのですが、まず第一に、販売図面等に提示されている建物の参考プランや建築費用(設計者と施工工務店も同時に決定している)が、固定概念として建て主の頭の中に入っていってしまうのではないかということ。

これから住宅を新築したいと考えている方にとっては、土地を探すことと建物を建てることは当然セットで考えているはず。建築条件付き売地の場合にはその土地に建つであろう家のプランがすでにあって、かつその費用まで明確に提示されているために、なんとなくその情報をベースに考えるという流れに自然と誘導されてしまっているのではないかと思うのです。また、そのプランの多くは設計・施工者が優位になるかたちでまとめられていることが多いために、建築的にクリエイティブであったり、住まい手にとって楽しそうな暮らしが想像できるようなプランを見かけることはほとんどありません。

更地であったり既存建物が建っていたりと土地の状態はさまざまですが、どんな土地であっても、これから建てる住宅のかたちは設計次第でどんなプランでもかたちでも作ることが可能なはずです。(もちろん法規上の制限はありますが)

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↑↑ 参考プラン検討時のボリュームスタディ模型

そんな問題意識があり、今回の”設計提案付き売地”という販売方法を不動産屋さんとともに実践してみることにしました。建築条件はなく、土地購入に興味をもった方に設計提案をさせていただく、というかたちです。あくまで設計提案付きということで、その設計者に依頼するかどうかについても土地購入とは分けて考えることができます。

提示している参考プランについては、土地条件を読み取ってある程度家族構成などを想定しながら、極力自由な発想で、住まい方に対して提案性のある空間にしています。建て主にとって自由な家を設計するのだから、イメージを限定させないような自由な設計をベースにした上で、今後の設計打合せをスタートさせていきたいと考えています。

理想の家をほしいと考えている方にとって、建築条件付き土地のように非常に限定されてしまうイメージからスタートしてほしくないという想いがあり、今回のようなかたちをとってみました。土地情報サイトSUUMOにも掲載が始まりましたので、興味のある方はぜひ覗いてみてください。


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