結局、2回見た。(ネタバレあり)
2日連続で映画館に行ったのは、はじめてだ。
それも、同じ映画を見に。
その映画とは、もちろん、劇場版『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』である。
間に合わない!
今日は映画の始まる時刻に遅れそうで、冒頭のキリンよろしく、「あぁ〜〜〜、まに、まに、まに、間に合わない!」と言いながら、必死に自転車を走らせた。
そして、映画館に入り、つぶやく。
「私は、見逃してしまったのか……! いや違う、開演したのだ。」
(まだ開演10分前。余裕で間に合っている)
わかります。
そういえば今回、キリンさん、「わかります。」って言ってたっけ……?
言ってないような気がする!
せっかくの2回目だし、キリンのセリフにも注目しながら見た。
「わかります。」
……言ってた。2回も言ってた。なんなら冒頭の無料公開パートでもう言ってた。ごめんなさい。
あとの1回は、アルチンボルド化したキリンが燃え尽き、落ちていくシーン。キリン最後のセリフ。
やはり代名詞である、「わかります」を言わないはずがない。あまりに自然な「わかります」のせいで聞き逃してしまっていたのだ。
(以下、各シーン回想。)
冒頭、飛散する無数のポジションゼロ
サイコフレームってこんな形してたな……
(『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のおぼろげな記憶)
友よ、なぜ行ってしまうのか
ここの華恋の演技がうますぎて泣きそうになった。
やはり迫真の演技をするには、役者自身がその感情を抱いたことがあること、あるいは今まさにその感情を抱いていること、が必要なんだなと思った。
真の演技は「なりきり」を超えて、自己と混じり合う。役者はもはや演技の中に溶けていて、役者が演技をしているのか、演技が役者のすがたをしているのか、わからなくなる。
地下鉄のシーン
それにしても、地下鉄のシーンは、しびれた。
なな、お前……。
造作もなく純那のマントを落とす動作に惚れた。
あと、真矢様の「うろたえるなぁーーー!」からの「舞台装置だ(小声)」には、シリアスなのについ笑ってしまった。
車内でも広告と同じポーズしながら語ってたし、今回、お笑い要員なんですか?真矢様。
一緒に地下鉄に乗っていたはずの華恋がいつの間にか消えていたのもポイント。
彼女は舞台に上がれなかった。
ロンドンの地下鉄描写
よく雰囲気が再現されている。
今にも「Mind the gap.(電車とホームのすきまにご注意。)」というおなじみのアナウンスが聞こえてきそう。
トラックの戦い
清水の舞台でトラック一騎打ちとか、もう、やりたい放題ね。
先取りオリンピック
もうこれがオリンピックでいいよ。みんな8月はこれ見よう。
このあたりからもう、120分という時間の感覚がわからなくなる。
どのシーンで「はい、終わりですよ〜」と言われても満足して帰ってしまう自信がある。レヴュー1つにつき、映画を1本味わったような気分になった。
だから初回は、この後すぐ、ひかりと華恋の最終決戦があるのだと思っていた。
まだまだあるよ!
がぁお❤︎
大好き。
あと、切腹用の脇差を台ごと足で突きつけるシーン。これも大好き。
なな、お前……。
このレヴューは作中屈指の名シーン。
「This is 天堂真矢」キャンセル
「This is... (カァン!)」
直前の、ボタンを弾くシーンがやけにあっさりしているな(エフェクトや効果音の音量とか)、と思ったらこれだ。
勝った、と思わせての逆転劇、まるで真矢様がラスボスのようだった。
これも屈指の名レヴュー。屈指……。指が足りない。
そういえば、この作品はバトル要素がありながら、主人公たちにとって敵や、悪者がいない。しかし、奇跡のようなバランスで対立構造を作っている。
どんな魔法?
華恋がでっかいTになるシーン
死んだ後は、サイコフレームに……
やっぱり『逆襲のシャア』じゃないか!
そしてサイコフレームが乗った列車は、加速したままマスドライバーを登ってテイクオフ! やっぱりガンダムじゃないか!
東京タワーロケット
こんな結末、想像つくはずがない。圧倒された。
着陸のとき、映画館が揺れた。(地震か、それとも4Dか)
マント
皆がマントを手放すシーンもよかった。
あれ? 華恋のマントだけ飛んでいっていないような……?
と思わせて、最後の最後、オーディションシーンの裏で、鉄骨に引っかかっていたマントが風にさらわれる。
完璧なエンディング。
舞台が、それぞれの『スタァライト』が、終わったのだ。
何度でも
大好きなアニメが完結してしまったのに、不思議と寂しくない。
それはきっと、このアニメが、まさに再演のたびに違った表情を見せてくれるからだろう。
しかし、どんな映画だったかと聞かれても、まだ、「ワイルドスクリーーーーーンバロック、だった!!!」としか答えられない。
2回も見たのに、まだ見たい。
何度でも、見たい。
いつか飽きて、飢えて、次の舞台に向かうそのときまで……
…わかります。
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