沸きオタク vs 地蔵オタク 〜フロアが盛り上がるライブは良いライブなのか〜

※きりぃの思想強めのnoteとなります。お気をつけください。
※地蔵とは、ライブを静かに見ることです。
※沸くとは、コールやミックス、クラップなどでライブをアクティブに楽しむことです。

最近ちょくちょく「きりぃさんみたいにミックスとかコールたくさん言えて盛り上げられたら…」って他のオタクに言われることが増えました。

確かに僕は、ライブ中フロアでうるさい自覚があります。声出しができなくても、振りコピやクラップで賑やかに楽しむのが大好きなんです。推しメンに指差しして「好きだよ!!!」って伝えるのが大好きなんです。

でも、こう言われることに対して少し思うことがあって。めちゃくちゃ久しぶりにnoteを執筆してみます。

本題に入る前に前提の僕の思想を記しておきます。

  • フロアを盛り上げるのはオタクではなくステージに立つ演者自身である

  • 良いフロアとは、多様性のあるフロアのことである

この2点を前提に今から本文を書きます。

さて、「きりぃさんみたいにミックスとかコールたくさん言えて盛り上げられたら…」

これはきっと、僕がうるさくライブを見ていることで、他の(初めてそのグループを見る)人を巻き込んでフロアが盛り上がった感じになる。僕も、僕の推しメンのためにそんなフロア作りに協力できたらな。

そんな想いがあるのかなと推測します。僕のいないライブは、もちろん僕は見ていないのでわかりませんが、時折「あのライブ声出しだったからいて欲しかった!」と言ってくださることもあります。

推しメンのためにフロアを盛り上げたいと思うこと。非常に素敵なことだと思います。推しメンに真っ直ぐで、推しメンのことが大好きなオタクが僕は大好きです。

ただ、、、

みんながたくさん動いて、声が出せるところではミックスを打ったり推しメンの名前をコールしたり、みんなが汗かいてアクティブにライブを楽しんでいるフロアってとても盛り上がっていて、良いライブ!と評価されがちです。それは事実。

でもそういうフロアでは、必ず、人知れず居づらさを感じているオタクがいると思います。もしくはそれが恒常的になってしまっているから、そもそも現場に行かなくなってしまったオタク。

静かにライブを見たい人

そういう人ってもちろん静かなので、目立たずライブ中フロア内で主張がない様に見えます。

でも、そういう人を排除する様なフロアって本当に良いフロアかな?と僕は疑問を持っています。
「沸けるなら、声出しができる現場なら、"ちゃんと"声を出して盛り上げて、推しメンを応援するのが正しいオタクの姿だ!」
こんな主張を見聞きしたことがあるのですが。

本当の応援って、「推しメン」を心から楽しむことではないでしょうか。だって相手はエンタメのプロ。自分のライブを見ているファンが、盛り上がっている様に見えて実は心から楽しんでいませんでした!なんて推しメンに言えますか?

写真を撮る。コールやミックスを打つ。クラップをする。振りコピをする。じっと推しメンだけを見る。オタ芸やペンライト芸をする。ツーステを踏む。ジャンプや指差しで推しメンにアピールする。少し下がったところから全体を見る。

どれもとても楽しい。それぞれ楽しみ方がある。人によって、現場によって、どれが一番いいかはそれぞれあるはず。誰しも、チケットさえあれば他の人たちの楽しみを侵害しない範囲でライブを楽しむ権利がある。

そんな中コールミックスやクラップなどに代表される「沸く」という行為は目立つから。マジョリティ(多数派)に見えて正義に見えるんだけれど。

多いから正義!というという考え方は支持されがちだけれど、民主主義が原則の日本国憲法ですら少数派の権利というのは守られています。(現代社会の授業じゃないので詳しい説明は避けます。)

そういった目に見えづらい人たちの居場所があることこそフロアの多様性につながり、良いフロアになるのではないのかな。
どんな人も楽しめるフロアだからこそ、どんな人も通えて、推しメンやそのグループは大きくなれるのかな。

僕はそう思っています。

僕がうるさくライブを楽しんでいるのが楽しそうだなと思った方はぜひとも一緒にやりましょう!楽しいですよ!
一方で何か迷惑をかけてしまっていたら是非言ってください。もっとうまいやり方を見つけます。楽しみ方が相反したらお互いうまい落とし所を見つけましょう。

推しメンのために頑張って沸きたいと思ってくれている方。
もしそれを楽しいと感じたら是非一緒にやりましょう!

でも、もし静かに見る方が好きだな。。。となったら無理をしないでください。私たちがうるさくしているせいで居場所を失っている地蔵オタクの、あなたはその居場所となっているから。

界隈が小規模だとどうしても暗黙の了解みたいなローカルルールが生まれて、これが正しいよね!という文化のもと外から来る新しい人の居場所を奪ってしまいがちなのですが。
でも多様性こそ進化発展の鍵。多様性がなければそのまま滅ぶだけなので、気をつけていきたいです!

題名の「フロアが盛り上がるライブは良いライブなのか」に対する僕なりの答えは。

Noです。正確にいうと必ずしもYESじゃないというか。

結局良いライブって、それを見ている人の心がどれだけ動いたかだと思います。どれだけ素敵なパフォーマンスでも、フロアの人たちが楽しめていないと良いライブにはならない。ファンはライブを良くすることはできないけれど、自身が楽しむことでライブを悪くしないことはできるのかなって思います。

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