コロナうつが増えていると言う。 目に見えないものを脅威と教えられ、家に閉じ込められた私たちは、自分や家族の身体や精神を簡単に傷つけ、見失いかけていた生きる意味を完全に無くすくらいには、疲弊しているのだろう。 別に誰のため、というのではなく、いや、誰かのため、と思う一抹の傲慢さはあるのかもしれないが、やはりいま、うつのことを書こうと思った。 ・ 異常に気づき始めたのは、三年生が始まって数週間が経った頃のことだった。初期症状はとにかく、やる気が出ない・集中力がない・何でも
「ツバメの巣が落ちた！どうにかしてあげて」 父親の声で目が覚めた。 聞くところによると、今朝、家の軒先にあるツバメの巣をカラスが狙っているのを母親が目撃。 カラスが狙ってるから見張っといて！と父親に託してそそくさと仕事に向かったその矢先、カラスが帰還して巣を一撃。おそらく昨日生まれたばかりのヒナ4羽が巣ごと落下した。 あわてた父親はヒナと崩れた巣を虫かごに入れ、まだ寝ぼけている私にひとこと、どうにかしてあげて！と雑すぎる引き継ぎを行って出かけたのである。 虫かごの中
