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夫、タオルを投げ膝をつく

飲食店は総合エンターテイメント。
いっぱい笑って楽しんでもらって、気持ちよく帰ってもらう。

夫はこの想いを自分のお店で表現しようと日々努力しています。

恋人で例えるなら王子様タイプ。
恋人をいっぱい笑わせて楽しませて

「夫といると楽しい!」
「また夫に会いたい!」

そう思ってもらう。
これが夫の営業スタイルです。

私もこれが飲食店のあるべき姿だと思っていました。

しかし、世の中色んな男子がいる訳で。
ツンデレ男子もいる訳なんです。

ツンデレ男子。
もとい、ツンデレ飲食店。

まさかあんな形で出会うとは思ってもみませんでした。

異国情緒漂うツンデレ

私は激辛大好きなエスニック舌です。
辛くて複雑な味に目がありません。

きっと前世はタイ人か韓国人です。

新大久保に住んでた時は韓国料理三昧、新宿のタイ料理屋さんはほぼ巡りましたw

そんな私が紹介されたのは原宿にあるタイ料理屋さん↓

お友達が少ない私。
夫と行くことにしたんです。

すごいんすよ、ここ。
タイの屋台をまんま持ってきた感じ。

外とお店を仕切るのはビニールカーテン。たてつけの悪い質素なテーブルとイス。
荷物置きは野菜が入ってた段ボール。

どこでもドア×タイムマシーンじゃなきゃ辿り着けないような風情のお店です。

まさにパスポートいらずの海外旅行。

お店に入ろうとしたら

「ナニシテルノ!」
「アッチデマッテテ!」

突然お店のおばちゃんに怒られましたw

オーダーを取ってもらう時も

「シンハ?アッチアルカラ!」
「エ?ナニ!?●●ヒトツ?」

グイグイこられる訳です。

ビックリしつつもワクワクしてる夫。

怒られてるのに超ご機嫌。
シンハも進む進むw

厨房を見れば、ぱっと見全員タイ人です。

料理が来るのはめっちゃ速い。
ただ、順番はちぐはぐw

明らか前菜っぽいの頼んだのに、
最初に来たの炒飯w

この雑さ、私は超好みです。
これで美味しかったら最高だな…
そんなことを思いつつ一口パクリ。

…やばw
めっっっっちゃ美味しいやないか!!

ほっぺた落ちるとかじゃないんです。
食べた瞬間、にやにやしちゃいます。

我が夫。
めっちゃ美味しいと爆笑するんです。

しょっぱなから大爆笑w
「ブホッ、何これ超美味しいんだけど!」

あまりの美味しさにギャル化してました。

にやつく女とギャルになった男。

お店のおばちゃんに見られていたら
「アノフタリ!キモチワルイネ!」
とまた怒られていたことでしょう。

とにかく青唐辛子の使い方が絶妙です。

青唐辛子があんなにお酢に合うなんて。
青唐辛子があんなに麻婆豆腐に合うなんて。

野獣のように貪っているのに…
別なテーブルの料理まで気になる始末w

人を餓鬼にするお店です。
あー怖い怖いw

貪りつつ、夫はぼそっと言いました。

「こんなロックなサービスに、
 こんなに美味しい料理…
 もう僕、やってく自信ないよw」

ツンデレ飲食店の衝撃に夫が白旗をあげた瞬間でした。

完全に異国だったツンデレ

「あのギャップはずるいよね」
「あのロックな接客クセになるわ」
「もう一回あのロックさを体感したい」

ツンデレの魅力にすっかりハマった夫。
自らツンデレを探すようになりましたw

完全ドMw
でもわかるw
あのロックな感じ、クセになるw

ドM夫婦と化した我々が見つけたのは、
神田にある中華料理屋さん↓
中国は東北料理のお店です。

系列店が孤独のグルメに出たんです↓

こっちもしっかり行きましたよw

何せ我々は羊が大好き。
ついでに子供たちも羊肉が好きです。
何なら豚より羊の方が食いつきが良いw

美味しい羊が食べたい…!
もっとワイルドに責めたい…!

ということで、羊香味坊訪問からすぐに味坊本店に向かった訳です。

もうね、ここは強烈w
厨房から日本語が聞こえてこないw

ドMと化した我々からすると、
もうドキドキとワクワクが止まりません。

今日はどんなロックが見れるんだろう。
勝手に生ビール注げとか言われる?w
(な訳はないw)

ワクワクしながら注文しました。

お店に行ったのはちょうどお昼時。
我々以外はビジネス仕様な方でした。

ランチメニューが出ていく中、
我々だけアラカルトと頼む感じw

「チョットマッテアルカキク!」
「ゴメン、ソレナイ」
「ア、チョットマッテ…」
(階段を下りるお姉さん)

\デキルッテ!!!/
(階段の下から)

…キ、キター!
これよ、これ!!

待ってたのよ、これを!
もう最高、ビール奢る!

お店のお姉さんのツンデレぶりに
歓喜の目眩すら覚えた我々。

そして、肝心の料理は…

優勝\(^o^)/

私はここでしか羊を食べたくない。
そう決めちゃうくらい美味しかった!

特にラムスペアリブのカツ!
羊が苦手な人に食べて欲しい。

味坊

あ、トップ写真は羊ももの茹で肉です。
美味しそうでしょw

下処理相当凝ってるのでしょう。
下味相当気を使ってるのでしょう。

いや…
故郷で培った感覚かもしれません。

臭みがないのは当たり前。
めっちゃ繊細な味がするんです。

しかも火入れが最高。

柔らかいんだけど…
歯ごたえを感じるギリッギリのラインを責めてる感じ!

またも夫は大爆笑。
私に至っては目を閉じながら食べたw

美味しければ美味しいほど
接客がロックであればあるほど

そのギャップにドはまりしてしまいます。

あー、書きながら思い出しちゃったw
食べたいいいいw

お腹も心も満たされて、お店を出ようとしたら、雑誌の記者さんがいらしてました。

味坊、めちゃくちゃ有名ですもんね。
中野のラムフェスティバルでも一番並んでたし。

「もう、僕やってける自信ないよ」

食後のコーヒーを飲みに入ったプロントで夫はまたも悲嘆してしまいましたw

お店の数だけ色がある

プロントで夫は嘆きながらも熱く語ってくれました。

自分の料理は独学。
専門的に学んだ人には勝てない。

チャオバンブー
味坊

絶対に太刀打ちなんてできない。

だからこそ、
自分はサービスで勝負がしたい。

お客さんが笑顔で過ごせる工夫で生き残りたい。

ついさっき放り投げたタオルをしっかりと掴み、決意を新たにしたようです。

確かにw
あの羊には勝てないわw

でも、私は夫のサービスが好きです。

初めて夫に接客してもらった時のこと。

私はお酒を飲みません。
いつもウィルキンソンジンジャーエールの辛口を瓶ごと出してもらっていたんです。

その旨を伝えると夫は言いました。

「ライム飲み口に刺しましょうか?
辛口にはこれが合うんですよ」

え、うそw
そんなん知らんかったw

お願いしたら…めっちゃうまい!

当時は結婚するなんて知らなかったからw
この人最高!好き!と思いましたよw

それ以来、夫がいる時はライムを一緒に出してもらうようになりました。

気遣い?というか…
相手が求めているものを探る力というか…

お客さまをめちゃくちゃ見ています。
皆さん、見られてますよw

たとえ味坊ばりの羊を提供しても
青唐辛子の魔術師になったとしても。

夫には、自分が決めた道を突き進んで欲しいなと思います。

お店の数だけ色がある訳で。
オーナーの数だけ道がある訳で。

真似をしたってどうしようもありません。
お店の色にファンがつくと思いますから。

だから夫よ。
思う道を進んでおくれ…!

そして、決して…
片言の日本語なんて使わないでおくれ…!

夫の飲食店はここ↓
beer republic THE GRUB 代々木上原店

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