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好きなことを見つけるには?人生を変えた1年間【インタビュー:斉藤まなみさん】

自分の人生を変えたいと思っても、どうやって始めればいいのかわからないことってありませんか?

ファシリテーション協会(FAJ)のイベントでお会いした斉藤まなみさんは、パラレルワークの実践者。派遣勤務をしながら、ご自身のお仕事としてグラフィックレコーディング(以下グラレコ)をされています。
斉藤さんがどのようにグラレコや、パラレルキャリアを実践されるようになったのかお伺いしました。

普段は穏やかで落ち着いた雰囲気のまなみさん。グラレコ話になると急に前のめり!画面越しにアツいパワーをムンムン感じました。
好きなことを楽しみ続けるために、苦手なことも乗り越えていく努力家な一面や、不安をパワーに変えて、自分と向き合いながら前に進んでいこうとする行動力、そして、のめり込める程の「好き」を持つことの強さを改めて実感しました。

<斉藤まなみさん>

会社員、グラフィックレコーダー

ーーインタビューをお引き受けくださりありがとうございます!よろしくお願いします!

どういたしまして。こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします!

ーーまなみさんのご出身とお仕事について簡単に教えてください。

埼玉県出身、東京都在住です。
仕事は、一般事務の派遣社員に加えて、約1年前からグラフィックレコーダー(以下、グラレコ)をしています。先月からは、新しい副業プロジェクトにも参加しています。

ーーグラレコについて教えてください。
簡単に言うと、「絵(グラフィック)で取る議事録(レコード)」です。世界中の人々が、言語が違っていても理解しあえる議事録として、絵や図解を使い表現します。

特にお気に入りのグラレコをいくつかお見せしますね!

「片付け習慣術」セミナー

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「自動運転が実現した未来とは?」パネルディスカッション

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「がんと言われても動揺しない社会に向かって」パネルディスカッション

がんと言われても


ーイベントをイラストで表現するのですね。テーマやスタイルも様々ですが、絵が上手くないと描けないのではありませんか?

大丈夫です!グラレコは、誰でも描けるのがイイのです。絵も簡単なアイコンで良いし、決まった描き方もありません。すみなべさんも慣れれば描けますよ!

ーーレコーダーさんはイベント会場の隅で黙々と描いている印象がありますが、レコーダーとしての進行はどのようになっているのですか?準備などもあるのでしょうか?

準備としては、イベント前に資料や話すポイントなどを確認しています。当日は会場で描く準備をして、イベント中はずっと描き続けます。完成したグラレコは、イベントの最後にみなさんと共有します。

ーーずっと描き続けるのは大変そうです。グラレコ中に意識していることはありますか?

会場の雰囲気を盛り込むことです。というのも、イベント中に予定外の貴重な話を聞ける時や、登壇者の一言で会場がワーッ!と盛り上がることがあります。それがグラレコに描き込まれていると、後の振り返りでその瞬間の感覚が蘇ってまた盛り上がれて、さらに深い議論ができることもあります、
グラレコはイベント後に使われてこそ価値のあるもの。登壇者や参加者のみなさんの嬉しそうな顔を見られると、大成功!と嬉しくなります。

ーー五感で感じながら描いているということですね。

えへへ、カッコ良く言えばそうですね。イベント中は目も耳も手もフル稼働ですが、集中していると長時間のイベントもあっという間です。描くこと自体が楽しいですし、終わった瞬間の達成感と疲労感も心地良いです。

ーー全力を注いで描かれているのですね。グラレコとの出会いについてお聞かせください。

きっかけは、漠然とした不安でした。本業は派遣事務ですが、資格の仕事でもなく、続けられるかなと不安に思っていました。
人生100年時代、好きなことを仕事にと言われても…好きなことは絵を描くこと、でも、当時は自分の画力では仕事にならないと思い込んでいて。

そこで昨年、30歳の節目の年に、好きなことを作ろう!と思いました。でも、いろいろな習い事や講座に参加しても、何一つ続きません。
そんな時、当時の職場でお世話になっていた、勉強熱心なSさんという方が、たまたま、講座やセミナーで見かける「グラレコ」が良さそう、という話をしていました。
ちょっと調べてみると、絵や図解で議事録を取ることに興味がわき、試しに講座に参加したら…スルッスル描けてしまい…これなら自分も楽しめて、人の役にも立つことで、なんとか続けられるかも!と思いました。

ところが、グラレコは主にイベントで使われています。でも、私は人見知りで、知らない人が集まる場所が苦手です。でも、でもでも!描く場が欲しくて、イベントへ参加し始めました。といっても、参加ボタンを一つ押すのにスマホの前で何十分も悩みながらです。

イベント会場で知り合った方々とグラレコの話をするうち、人の繋がりができ、少しずつお仕事や講座の依頼も頂けて…気付けば週の半分はグラレコに関わる、「グラレコの人」になっていました。

ーー偶然の出会いが仕事になった!スゴイですね!

ありがとうございます。ただ、ここまでなら順風満帆な感じですが…実は、今年の3月は全くグラレコをしませんでした。
コロナの影響で、2月末に楽しみにしていたイベントが中止になりました。同時に派遣勤務は自宅待機、次の派遣先も未定となり、気持ちが一気に沈んでしまいました。グラレコも根詰めてしていたこともあり、一旦、グラレコから距離を置いてみることにしました。

ーー離れてみてどうでしたか?
寂しいと思いました。
私の中でグラレコはコミュニケーションツールなのだと実感しました。人見知りの私も、グラレコを通じて知らない人とも交流できた。それが無いだけで人との繋がりが減っていって、そして自分が寂しいと感じることにも驚きました。
それに、副業化を急いで不向きな依頼も引き受けていて、疲れてしまっていました。自分が楽しめる、満足できる仕事を続けるために、これからは自分基準でいこうとも決めました。
そういう気付きがあり、また動こう!と思えた3月下旬、新たなプロジェクトへのお誘いを頂いたり、次の派遣先やリモートワークの導入も決まりました。

ーー挑戦して経験して反省できたからこそ、次のステップに進めたのですね。

自宅待機が良かったと思います。じっくり考えられたし、体も休められました。もし無理に出社していたら、不安に飲み込まれていたかもしれません。会社には感謝しています。
とはいえ、この4月は職場や仕事、働き方、プロジェクトも新しいことだらけでした。1か月ほどたって、ようやく、グラレコも復活しながらバランスを取る、パラレルな働き方に慣れてきたところです。

ーーパラレルワークを実践されて、どのようなことが変わりましたか?

この1年間で、何もかもが変わりました。
気持ちが前向きになりました。以前の私は、他力本願な受け身でしたが、頑張って参加したイベントがグラレコや次の機会に…と繋がるようになり、チャンスは自分から取りに行くものだと実感しています。
昔の友達からも変わったと言われ、グラレコの存在を教えてくださったSさんからは、凄い成長と驚かれています。見ていてくれる人達がいるのも、また嬉しいです。

尊敬する人達に出会えたのも嬉しいです。グラレコで出会った方はみなさん優しくて、特にSさんや、パラレルキャリアを教えてくれた森山正明さん、クリエイターのKaiさんは、自由で楽しそうでカッコいい!楽しんで結果を出している人を見ると、私だってやるぞ~!と燃えてきます!

ーー好きなことを見つけるコツはありますか?

とにかく試してみる、でしょうか。やってみないとわからないと思います。私の場合、絵のお仕事への固定概念を、グラレコとの出会いが崩してくれました。できないことをできるようにする美学も良いけど、自分はできることの延長線で良かったとも思っています。
実は、今でもイベントの参加ボタンを押すのに勇気が要るのです。でも、最終的には押す!だって、チャンスかもしれない。そういう積み重ねが繋がって今に至るかもしれない。

ーー最近の課題はありますか?

時間の使い方です。実は、オンライン化で出来た時間にイベントを詰め込み過ぎ、先週はイッパイイッパイでした。通勤や移動が無くなり時間が増えた気分でしたが、全ての時間を使えるわけではないのですよね。
家にいると時間管理も甘くなりがちなので、より意識していこうと思います。

ーー最後に、これからやりたいことなどお聞かせください。

グラレコは、引き続き楽しく続けられる方法を模索してゆきます。講座もオンライン化を考えていますが、対面のようなフォローをどうするか、やり方を模索しているところです。
派遣のお仕事、グラレコ、副業とのバランスを取りながら、これからも新しいことにチャレンジしてゆきます!

※斉藤まなみさんの活動についてはこちら!

公式ウェブサイト
https://graphic-recorder.studio.site/

斉藤 まなみ | Facebook

(インタビュー日:2020年4月26日)

※イラスト:斉藤まなみさん

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