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我流奏者を目指したワケ(後編)

上司の思わぬ話に自分は言葉を失いました。色んなモヤモヤが心の中で葛藤してる最中でしたが、でもなによりも、この方でもできない事があるんだということ、また少し切なそうな表情になんも言えなくなってました。

上司「〜君幾つだっけ?w(歳)」

俺「19す…」

上司「そかぁ、私はさ、小さな頃からクラシックピアノやってきたんだけどさ、もう嫌でさ〜、厳しいし遊びたいしでも遊べないし、まぁ音楽は好きだから言う程嫌いではなかったけどさ、親の影響と後押しが凄かったのよね、でも頑張って海外留学してきたんだ」

俺「ほんと凄いと思います…ジュリアードですもんね…噂は聞いてます…チーフが教えてくれました」

その次の話から、大きく揺れ動いた何かがあって、それが今に繋がってる。上司はこっちをいきなり向いてこう放ちました

上司「でも、ただの店頭販売の社員だよw」

言葉を更に失った。必然的に、どうしてです?など軽率にも言えませんでした

上司「どんなに凄いとこいこうが、経歴があろうが、選び方や、その進み方次第で良くも悪くもなっちゃう。そんなのわかりっこないじゃない。まぁ選んだのは自分ってなっちゃうんだけどさ、どうしようもないこともあるのよ、だからいつでも、その時その瞬間を如何に大切にできるかの自然な積み重ねがさ、自分にとって、良き未来や現在であれたらいいよね」

上司「言葉なくしちゃったよね、ごめんね。でも正直に伝えたいと思いました。音楽をしたいならね。それに貴方にだって私の出来ない事はできる、もし貴方がこのままを貫いていくなら、こうして私のように思う人はいるかもしれない、その代わりに貴方は凄く葛藤して辛いかもしれない、棘の道かもしれない、それでも、今の貴方の良さは無くしてほしくないかなって、自分と戦ってくしかないと思う。道は拓けるかもしれない、拓けないかもしれない、どちらでもその時、ピアノにまだ触れてるならば、笑顔であってください」


俺はこの日を忘れてません。確かに棘の道です。悩み葛藤もした。凄く辛かったこともある、誰にも聴かれないストリート、笑われ、俺にも弾けるはあんなんwと言われやめたストリート、孤独で技術を伸ばそうと模索した時期も全部、まだ語れない部分全部あるけど


まだピアノに触れてて、俺は笑顔だし、向き合ってます。相変わらず譜面は苦手すw
代わりに、好き勝手に弾いてます

ありがとう。吉岡さん

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