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コンピューティングの竜王 AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ) 決算&財務諸表を分析(2023年12月)

AMDの株は買うべき?

AMDの株は買うべき?

AMDの業績や財務状況を知りたいけど、自分で調べるのは大変。。

そんな悩みを抱える個人投資家のため、この記事では、最新のAMDの決算内容、PERや財務諸表を分析します。

この記事を読めば、誰でも、AMDの現在の業績や財務状況を把握することができます。

今回の記事では、AMDの総合評価をS,A,B,C,Dの5段階で評価をしていますので、投資判断の参考としていただければと思います

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AMDとは?

AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)は、コンピューターの中心的な部品として用いられる「マイクロプロセッサ」やディスプレイに映像を出力するために必要になる「グラフィックスカード」の開発・製造を行っている半導体の企業です。

AMDの主要な製品・サービスとしては、以下のものが挙げられます。

  1. RyzenシリーズのCPU - 高性能で効率的なプロセッシング能力を提供し、ゲーミングやプロフェッショナルな作業に適しています。

  2. RadeonシリーズのGPU - ゲームや映像制作で高いパフォーマンスを発揮するグラフィックスカードです。

  3. EPYCサーバー用プロセッサ - 企業やデータセンター向けに、高性能で省エネルギーなサーバー用プロセッサを提供しています。

  4. ThreadripperシリーズのCPU - ハイエンドデスクトップ市場向けの、多コア・高性能プロセッサです。

  5. ソフトウェアとドライバー - AMDのハードウェアを最大限に活用するための、専用のソフトウェアとドライバーの開発も行っています。

これらの製品群によって、AMDはコンピュータハードウェア市場において重要な地位を占めています。

最新の決算

2023年10月にAMDは2023年第3四半期決算を発表しており、

  • EPS:アナリスト予想68セントに対し結果70セントで、アナリスト予想を上回る。(〇) 

  • 売上高:アナリスト予想57億ドルに対し結果58億ドルで、アナリスト予想を上回る。(〇)

  • 次期四半期売上高ガイダンス:アナリスト予想63.7億ドルに対し結果61億ドルで、アナリスト予想を下回る。(✖)

という結果でした。

AMDのリサ・スー最高経営責任者(CEO)は決算説明会で、「データセンター向けGPUの収益は第4四半期に約4億ドル、2024年には20億ドルを超えると予想している」と述べました。

平均PER

2023年12月7日時点のAMDのPERについては、financecharts.comによると下記のとおりです。

  • 過去5年間の平均PER: -392.60倍

  • 過去3年間の平均PER: -536.7倍

  • 過去1年間の平均PER:-979.53倍

  • 2023年12月7日時点のPER:898.62倍

となっています。

このデータから、AMDのPERには顕著な変動があることがわかります。

特に、過去5年間、3年間、1年間の平均PERがマイナスの値を示しているのは注目に値します。

PERが負の値を示すことは、企業がその期間に損失を報告していること(純利益がマイナスであること)を意味します。

2023年12月2日時点のPERが898.62倍という非常に高い値になっているのは、市場がAMDの将来の収益成長に対して極めて楽観的であること、またはAMDの株価が過大評価されている可能性を示唆しています。
PERが非常に高い場合、投資家は会社の将来の成長を大いに期待していると解釈できますが、同時に株価が過熱している可能性も考えられます。

総じて、AMDのPERのデータは、過去数年間の業績に苦戦があったこと、そして現在は市場からの高い期待があることを示しています。

https://www.financecharts.com/stocks/AMD/value/pe-ratio

売上高の推移

AMDの売上高に関するデータを見ると、2020年第4四半期から2023年第3四半期までの期間にわたって、一般的には成長の傾向が見られます。
具体的には、2020年第4四半期の時点での売上高は32.44億ドルでしたが、その後、ほぼ連続的に増加し、2022年第2四半期には65.50億ドルに達しています。
これはこの期間におけるピークであり、それ以降の四半期ではわずかながら売上が減少しています。

2022年第3四半期以降、売上高は55.65億ドルから58.00億ドルの間で推移しており、これは2022年第2四半期のピーク時からの減少を示していますが、依然として2020年第4四半期の初期の数値よりは高い水準を維持しています。

総じて、この期間におけるAMDの売上高は成長傾向にありますが、最近ではその成長ペースにいくらかの鈍化が見られると言えるでしょう。

売上高 前年同期比での成長率

AMDの売上高成長率に関するデータを詳しく見てみましょう。ここでの成長率は、前年同期比(Year-Over-Year, YOY)で計算されています。

  • 2021年第4四半期では、成長率は48.8%となっており、この期間においてかなりの高い成長を示しています。

  • 2022年第1四半期と2022年第2四半期では、成長率はそれぞれ70.9%、70.1%となっており、この時点でAMDの売上は非常に強い成長を遂げていることがわかります。

  • しかし、2022年第3四半期になると成長率は29.0%に減少し、2022年第4四半期ではさらに低下して16.0%になっています。これは、成長の勢いが鈍化していることを示唆しています。

  • 2023年第1四半期からは成長率がマイナスに転じ、-9.1%となり、2023年第2四半期ではさらに低下して-18.2%を記録しています。これは、売上が前年同期比で減少していることを意味しています。

  • 2023年第3四半期では成長率はわずかに回復して4.2%となっていますが、これは前年の同じ期間と比較してわずかな成長に留まっています。

これらのデータから、AMDの売上高は2021年第4四半期から2022年第2四半期にかけて非常に高い成長を遂げていたものの、2022年第3四半期以降、成長率が減速し、2023年第1四半期と2023年第2四半期では売上が前年同期比で減少していることが明らかになります。
ただし、2023年第3四半期でのわずかな成長は、売上が安定しているか、あるいは回復傾向にある可能性を示唆しています。

営業利益の推移

営業利益とは、企業が本業で稼いだ利益です。

AMDの営業利益に関するデータを見ると、2020年第4四半期から2023年第3四半期までの期間において、顕著な変動が見られます。

  • 2020年第4四半期では営業利益は5.70億ドルで、その後、2021年の四半期ごとに着実に増加しています。2021年第1四半期は6.62億ドル、第2四半期は8.31億ドル、第3四半期は9.48億ドルと成長を続け、2021年第4四半期には12.07億ドルに達しました。この時点での成長はAMDの強さを示しています。

  • しかし、2022年に入ると、営業利益は減少に転じます。2022年第1四半期は9.51億ドル、第2四半期は大きく減少して5.26億ドルとなり、第3四半期には-0.64億ドルと赤字に転落します。2022年第4四半期も赤字が続き、-1.49億ドルを記録しました。

  • 2023年に入っても、営業利益の状況は厳しさを増しています。2023年第1四半期は-1.45億ドル、第2四半期は-0.20億ドルと赤字が続いていますが、第3四半期には2.24億ドルと黒字に転じています。

このデータから、AMDは2021年にかけて順調に営業利益を伸ばしていましたが、2022年に入ると急激に業績が悪化し、数四半期にわたって赤字を記録しました。
しかし、2023年第3四半期には営業利益が回復し、黒字に転じています。


営業利益 前年同期比での成長率

AMDの営業利益成長率に関するデータを見ると、2021年第4四半期から2023年第3四半期までの期間において大きな変動が見られます。ここでの成長率は、前年同期比(Year-Over-Year, YOY)で計算されています。

  • 2021年第4四半期では、営業利益成長率は111.8%と非常に高い成長を示しています。

  • 2022年に入ると、状況が大きく変化します。2022年第1四半期の成長率は43.7%と減少し、第2四半期には-36.7%へと下降し始めます。

  • その後、2022年第3四半期と第4四半期では成長率はそれぞれ-106.8%、-112.3%となり、営業利益が大幅に減少していることを示しています。

  • 2023年第1四半期と第2四半期には、この傾向が続き、成長率はそれぞれ-115.2%、-103.8%となります。

  • しかし、2023年第3四半期には、成長率が大幅に改善し、450.0%となります。これは、営業利益が前年同期比で大きく回復していることを示しています。

このデータから、AMDの営業利益は2021年第4四半期に高い成長を達成した後、2022年に入ると大幅な減少に転じ、数四半期にわたり厳しい状況が続いていたことがわかります。
しかし、2023年第3四半期の大幅な回復は、営業利益が改善傾向にあることを示唆しています。

営業利益率

営業利益率は、売上高に占める営業利益の割合を示したものです。

この割合が高いほど、企業の本業の稼ぐ力が強いと判断できます。

AMD、エヌビディア、およびインテルの各社について、営業利益率のトレンドと変化を個別に解説します。

AMD

  • 2021年第4四半期: 営業利益率は25.01%で、比較的高い水準を維持しています。この時期はAMDが市場で好調なパフォーマンスを示していたことを反映しています。

  • 2022年: この年を通じてAMDの営業利益率は低下し、特に第2四半期から第4四半期にかけては赤字に転じています(第2四半期:8.03%、第3四半期:-1.15%、第4四半期:-2.66%)。

  • 2023年: 第1四半期と第2四半期も引き続き赤字でしたが(-2.71%、-0.37%)、第3四半期には3.86%と回復し、再び黒字に転じています。

エヌビディア

  • 2021年第4四半期: この期間における営業利益率は38.86%と非常に高く、業界内での強い競争力を示しています。

  • 2022年: 一貫して高い利益率を維持していますが、第2四半期には若干の低下を見せています(7.44%)。ただし、第3四半期と第4四半期には再び増加し、それぞれ10.13%、20.76%となっています。

  • 2023年: 営業利益率はさらに向上し、第1四半期29.76%、第2四半期50.34%、第3四半期には57.49%と、業界内で非常に高い水準を維持しています。

インテル

  • 2021年第4四半期: この期間の営業利益率は24.30%で、AMDと同等の水準です。

  • 2022年: この年は特に厳しい年で、特に第2四半期から第4四半期にかけては営業利益率が大きく低下し、赤字に転落しています(第2四半期:-4.57%、第3四半期:-1.14%、第4四半期:-8.06%)。

  • 2023年: 第1四半期と第2四半期は引き続き赤字の状態が続きますが(-12.53%、-7.85%)、第3四半期には-0.06%とほぼブレークイーブン(企業が利益も損失も出さない状態)に近い状態に回復しています。

結論

これらのデータから、エヌビディアは一貫して高い営業利益率を維持しており、市場での強い競争力を持っていることがわかります。
一方で、AMDとインテルは2022年に苦戦し、特にインテルは長期にわたり赤字状態が続いています。
しかし、AMDは2023年第3四半期に回復の兆しを見せており、インテルも同期にブレークイーブンに近い状態になっています。

営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは、企業の営業活動から発生した現金収入です。
営業キャッシュフローは、企業の健全性と持続可能性を測る重要な指標の一つです。

AMDの営業キャッシュフローのデータを見ると、2020年第4四半期から2023年第3四半期までの期間におけるトレンドと変化が見られます。

  • 2020年第4四半期: 営業キャッシュフローは5.54億ドルで、この時点では安定した流れを示しています。

  • 2021年: この年を通じて、営業キャッシュフローは順調に増加しました。2021年第1四半期は8.98億ドル、第2四半期は9.52億ドル、第3四半期は8.49億ドル、第4四半期は8.22億ドルとなりました。この増加は、同社のビジネスが拡大し、効率的に運営されていることを示しています。

  • 2022年: 営業キャッシュフローはさらに増加し、2022年第1四半期には9.95億ドル、第2四半期には10.38億ドルに達しました。しかし、第3四半期には9.65億ドルに減少し、第4四半期には5.67億ドルと大幅に減少しました。

  • 2023年: 営業キャッシュフローはさらに低下し、2023年第1四半期は4.86億ドル、第2四半期は3.79億ドル、第3四半期は4.21億ドルとなっています。

このデータから、AMDは2021年にかけて営業キャッシュフローを順調に増加させていましたが、2022年から2023年にかけて減少傾向にあります。

営業キャッシュフロー 前年同期比での成長率

AMDの営業キャッシュフローの成長率(前年同期比、Year-Over-Year, YOY)を見ると、2021年第4四半期から2023年第3四半期までの期間にわたるトレンドと変化が明確に見て取れます。

  • 2021年第4四半期: 営業キャッシュフローの成長率は48.4%となっており、この時期にAMDは前年同期比でかなりの成長を遂げています。

  • 2022年: しかし、2022年に入ると成長率は減少し始めます。2022年第1四半期は10.8%、第2四半期は9.0%となり、第3四半期には若干改善して13.7%になりますが、第4四半期には大幅に低下し、-31.0%となります。これは、前年同期比で営業キャッシュフローが減少していることを示しています。

  • 2023年: 2023年になると、状況はさらに悪化します。第1四半期の成長率は-51.2%、第2四半期は-63.5%、第3四半期は-56.4%となり、前年同期比での営業キャッシュフローの減少が続いています。

これらのデータから、AMDの営業キャッシュフローは2021年第4四半期に高い成長を示した後、2022年および2023年に大幅な減少を経験していることがわかります。

営業キャッシュフローマージン

営業キャッシュフローマージンは、売上高に占める営業キャッシュフローの割合を示したものです。

この割合が高いほど、企業の現金を稼ぐ能力が高いと判断できます。

なお、「MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法」によると、営業キャッシュフローマージンは、理想として15%から35%程度あると素晴らしいとされています。

AMD、エヌビディア、およびインテルの営業キャッシュフローマージンのデータを比較し、各社の営業キャッシュフローマージンの全体的なトレンドと変化について解説します。

(※AMD FY23Q3と同時期に発表されたNVDA FY24Q3とINTC FY23Q3のデータを比較)

続きの記事については、有料記事となります。

興味がある方は、購読していただければと思います。

AMDの営業キャッシュフローマージン

  • 2021年第4四半期: 営業キャッシュフローマージンは17.03%で、この時期は比較的安定したマージンを示しています。

  • 2022年: この年を通じて、AMDのマージンは徐々に低下しています。2022年第1四半期は16.90%、第2四半期は15.85%、第3四半期は17.34%ですが、第4四半期には10.13%に大幅に低下します。

  • 2023年: 2023年のマージンはさらに低下し、第1四半期は9.08%、第2四半期は7.07%、第3四半期は7.26%となっています。

エヌビディアの営業キャッシュフローマージン

  • 2021年第4四半期: この時期のエヌビディアのマージンは39.68%と非常に高いです。

  • 2022年: エヌビディアのマージンは2022年第1四半期と第2四半期に低下(20.89%、18.94%)しますが、第3四半期には6.61%に大幅に低下し、第4四半期には37.15%に回復します。

  • 2023年: 2023年は一貫して高いマージンを保っており、第1四半期は40.48%、第2四半期は47.00%、第3四半期は40.46%です。

インテルの営業キャッシュフローマージン

  • 2021年第4四半期: インテルのマージンは4.00%と比較的低いです。

  • 2022年: 2022年を通じて、インテルのマージンはわずかに増加し(第1四半期5.42%、第2四半期6.78%、第3四半期6.29%)、第4四半期には4.04%に減少します。

  • 2023年: 2023年は一貫して4%台を維持しており、第1四半期は4.15%、第2四半期は2.93%、第3四半期は2.97%です。

これらのデータから、AMDの営業キャッシュフローマージンは一貫して減少傾向にあり、特に2022年から2023年にかけての低下が顕著です。
一方で、エヌビディアは一時的な低下があるものの、全体的には高いマージンを維持しています。
インテルは一定の水準を維持していますが、他の二社と比較して低いマージンです。

アクルアール

アクルアールは、会計上の利益である純利益を実際の現金収入である営業キャッシュフローで引いた値です。

アクルアールの値がマイナスとなる企業は、現金収入を伴った質の高い利益を生み出していると判断されます。

一方で、アクルアールの値がプラスとなる企業は、会計上の利益に対して実際の現金収入が少なく、現金収入を伴わない質の低い利益しか生み出せていないと判断されます。

AMDの四半期ごとのアクルアールの値を見ると、2022年第3四半期から2023年第3四半期までのトレンドと変化が見られます。

  • 2022年第3四半期: AMDのアクルアールは-8.99億ドルとなっており、この値がマイナスであることは、AMDが現金収入を伴った質の高い利益を生み出していることを示しています。

  • 2022年第4四半期: この期間のアクルアールは-5.46億ドルとなり、引き続きマイナス値ですが、前期に比べると減少しています。

  • 2023年: 2023年に入ると、AMDのアクルアールは引き続きマイナス値を維持していますが、減少傾向にあります。第1四半期は-6.25億ドル、第2四半期は-3.52億ドル、第3四半期は-1.22億ドルとなっています。

これらのデータから、AMDは一貫して現金収入を伴った質の高い利益を生み出していることがわかります。
特に2022年第3四半期には非常に高いマイナスのアクルアール値を記録しており、強い現金収入を示しています。
2023年に入ると、アクルアールのマイナス値は減少していますが、依然としてマイナスの状態を維持しており、これは引き続き現金収入を伴う利益を生み出していることを示しています。
AMDの財務健全性と収益の質は、この期間において良好であると評価できるでしょう。

なお、基本的な財務諸表の読み方やアクルアールなどの財務指標については、「たった10日で決算書がプロ並みに読めるようになる! 会計の教室」という本で、初心者向けに分かりやすく解説されていますので、より詳しい内容を知りたい方はそちらをご覧ください。

自己株式調整済み負債比率

自己株式調整済み負債比率は、企業の抱える負債が純資産(自己株式を除く)に対してどれだけの割合を占めているのかを表す指標です。

この比率が低ければ低いほど、企業は少ない負債で運営されており、その結果、財務が健全であると見なされます。

「史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力」によると、自己株式調整済み負債比率が0.80を下回ることが望ましいとアメリカの著名な投資家である、ウォーレン・バフェットは言います。

AMDの自己株式調整済み負債比率を見ると、2022年第3四半期から2023年第3四半期までの期間にわたるトレンドと変化が見られます。

  • 2022年第3四半期: AMDの自己株式調整済み負債比率は0.26で、これは比較的低い水準を示しています。ウォーレン・バフェットが示唆する0.80以下の基準を大きく下回っており、AMDの財務状態が健全であることを示しています。

  • 2022年第4四半期以降: この期間においても、AMDの自己株式調整済み負債比率は一貫して0.25で安定しています。この一定の低い水準は、AMDが負債依存度が低く、財務的に安定していることを示しています。

これらのデータから、2022年第3四半期から2023年第3四半期にかけて、AMDの財務状況は安定しており、負債比率が低いことから財務が健全であると評価できます。
自己株式調整済み負債比率が一貫して低いことは、企業が少ない負債で運営されており、リスク管理が適切に行われていることを意味しています。
AMDの場合、これは投資家にとって安心材料となる可能性があります。

固定長期適合率

固定長期適合率は、企業の固定資産の購入費用が、安定した資金で賄えているかどうかを示す指標です。

一般的に、この比率が100%以下であると、企業の固定資産が安定した資金でまかなえており、会社の財務状況が安定していると判断できます。

AMDの固定長期適合率を見ると、2022年第3四半期から2023年第3四半期までの期間におけるトレンドと変化があります。

  • 2022年第3四半期: 固定長期適合率は87.35%となっており、この時点でAMDは固定資産を安定した資金で十分に賄えていることがわかります。一般的に、この比率が100%以下であれば、企業の財務状況は安定していると判断されます。

  • 2022年第4四半期以降: AMDの固定長期適合率は続く四半期にわたって一貫して低下しています。2022年第4四半期は85.87%、2023年第1四半期は85.13%、第2四半期は85.21%、そして2023年第3四半期は84.90%となっています。

これらのデータから、AMDは2022年第3四半期から2023年第3四半期にかけて一貫して固定長期適合率が100%以下を維持しており、これは企業の固定資産が長期的に安定した資金で適切に賄われていることを示しています。
この比率の継続的な低下は、AMDが効率的に資産を管理しており、財務的に安定していることを意味しています。
全体的に見て、AMDの財務状況はこの期間において安定していると評価できます。

総合評価:AMDの総合評価は、S,A,B,C,Dのうち、「〇」ランクとします。

AMDの総合評価は、S,A,B,C,Dのうち、「B」ランクとします。

理由: AMDの決算は一部好調ながら、過去のPERや営業利益の変動、営業キャッシュフローマージンの減少などにより完全な安定感はありません。
しかし、自己株式調整済み負債比率や固定長期適合率が良好であり、アクルアールがマイナス値を維持することで質の高い利益を生み出しています。
また、2023年第3四半期における営業利益の回復や市場からの高い期待(現時点のPER)を考慮すると、全体的には安定していると評価できます。
ただし、次期の売上高ガイダンスが予想を下回っている点は注意が必要です。

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