マガジンのカバー画像

WE Run | Write, Eat, Run

266
私たちが(そして誰かが)走り続けるためのリレーマガジン
運営しているクリエイター

2020年4月の記事一覧

天神で『A面』を走る " 旅先で『日常』を走る 〜episode 4〜 福岡編 "

前回のあらすじ・熊本で『過去』を走る “ かつて暮らしていた土地で走る。過去の自分・そして今現在の自分と向き合い、さらに特定の場所をフィルターにすることによって自分自身の『定点観測』となるのだ。そしてこのランの面白さは、歳を重ねるほど得られる収穫が多くなるという点にある。” 天神で『A面を走る』私の父は、同じ会社で勤続53年勤め上げた。近所にある4階建ての町工場、そこで工場長や開発部長を担当していた。繁忙期には少年時代の私も駆り出され、機械を使って部品に穴を開けたりしてい

坂ランの負荷と水流の負荷

「坂ラン」開始 PLANETSCLUBランニング部で走り始めて1年が経過しました。年が明けてそろそろまたメンバーとも走りたいなと感じていたやさき、クラブで参加予定だった3/1三浦国際市民マラソン大会は中止となり、今も集まることができない状態が続いています。  しばらくは状況の改善を願いつつ、また再開できることを楽しみとしている次第であります。  三浦国際市民マラソンは中止となりましたが、自分は昨年末から大会中止が決まるまで、この大会に向けてのランニングへ変化し、普段のコース

山があるから走るのではない、走るから山があるのだ。

お気に入りのコースがある。 なんてことのない、河川敷 家からぴったり1キロ。 今の時期は芝の調子が丁度良い。 足にからみつく芝は、さくっ、と、乾いた音で包んでくれる。 スピードを上げて走るのに絶妙な硬さなのだ。 気温が上がる度に、あの、独特の匂いが増してくる。「緑の香り」というらしい。 一種の防衛反応のようだが、相手が悪い。 なんでも、芝を刈った時に発生する青葉アルコールは、リラックス効果と疲労回復に効果が見込めるとのこと。それだけでなく、作業への集中力まで上がるらし

私はなぜ走るか | 2020年4月編

2020年4月19日、日曜日。17時〜19時頃に都内を13km走る。 この日のランニングまでは、これまで以上に周囲の人々に気を使わなければいけなくなったり、マスクが必要になったり、走る喜びの手前に新たな障害がいくつも発生し、モチベーションが下がっていた。 使い捨てマスクのストックがないため、布マスクの運用には毎回10分程度洗剤に浸けて…という記事を読んだ時、ランニング生活はしばらく休止しようかと絶望した。あまりに面倒すぎる。続ける自信が全く湧かない。 だからこそ、この日

熊本で『過去』を走る " 旅先で『日常』を走る 〜episode 3〜 熊本編 "

前回のあらすじ京都で『歴史』を走る “『観光しない京都』を読んで、旅先でも暮らすように走るという喜びを覚えた。そして京都を走ることによって物理的に歴史に触れると言う楽しみを獲得したのだ。” 熊本で『過去』を走る今回のテーマは、『過去』を走る。 かつて暮らしていた土地で走ることによって、過去の自分、そして今現在の自分と向き合う。 このランの面白さは、歳を重ねるほど得られる収穫が多くなるという点にある。若さの特権と引き換えにこんな豊かさを手に入れられるのならば、歳を重ねるの

距離が気になる

「さてと…」 スマホを手に取り、いつものように目的地までGoogle マップで検索する。 この日の目的地は吉祥寺。私の家からだと徒歩とバスで1時間弱、約7キロだ。 約7キロ。 この、目的地までの「距離」に焦点を当てるようになったのは、割と最近のことだ。 なぜなら私は、移動するときにまず真っ先に何分で着くかを考える、つまり「時間」を考えるタイプだった。そして、目的地まで何キロかあかるかなんて考えたこともなかった。 そんな私が、この1年で時間よりも距離が気になるようになった。

ちゃらっちゃっ、ちゃっちゃっちゃっちゃ、ちゃらちゃちゃ|ジョギングのススメ

世の中は、新型感染症の影響で、不安定だ。 何が不安定か? 先行きが見通せない生活の不安定さ。状況の変化に慣れない精神的な不安定さ。 僕も精神的に不安定だった時期がある。 2013年。その時、僕は走った。 ちょうど昼休みの時間帯で、2kmくらい走ったところで流れてくる音楽があった。その音楽に気付いてから、昼に走るのが楽しみになる。 設定したコースをひと回り。必要にせがまれて走り始めた、たった5kmの道のりだったが、平日は毎日のように走ったので、走るスピードが上がりタイムが縮

京都で『歴史』を走る " 旅先で『日常』を走る 〜episode 2〜 京都編 "

前回のあらすじ皇居で『境界』を走る " 皇居ランのルールは逆時計回り。したがって皇居を走る我々にとって常に右手には日常、左手には非日常が存在する。" ↓ では、episode2 京都編スタートです ↓ あまり興味が湧かない非日常な土地 修学旅行先は京都・奈良だった。中学も高校も。 子供だった私には京都の歴史的建造物などは退屈でしかなく、神社仏閣を予定通り回ったことにして公園で友達と喋ったりタバコをふかしたりしていた。 大学時代には当時付き合っていた女性と一泊二日

マキシマルシューズの台頭による表現の拡大

 2020年1月、ワールドアスレティックス (世界陸連)が、使用シューズについての規定を発表した。 ・複数のプレートを靴底に内蔵してはならない。 ・靴底の厚さは40mmまで。 ・レースの4カ月前から一般購入できること(医学的理由などでカスタマイズされたものは許可される) 以上3点を、4月30日以降に適用。  ことの発端は2017年NIKEが発表したイタリア・モンツァで行われたフルマラソン2時間切りプロジェクト“Breaking2”に遡る。(実際の記録は2:00:25で達成

新しい組み合わせで走るひと

PLANETSCLUBのランニング部では、いろいろな企画があがり、みんなのここ走ったよ!が報告されています。私はツイッターにも走るのアレコレ、つぶやいたりしています。 そんな投稿のなかで、見っけ!という言葉を最近よく使っているのですが。 それはSpitzのアルバム 見っけ "MIKKE" の影響です(笑) Spitzが好きです、とても。 雑誌のインタビュー。アルバムタイトルについて、マサムネさんがこんなこと言ってました。 見っけってエウレカ(eureka)じゃないですか。そ

ランニング落書き帳#01-地元を走る-

ランニングを出汁に、次のテーマを頭の片隅に置きながら書いてみる。 ・非日常の中に日常を持ち込む ・絶対的な基準を用意して未知の尺度を測る まずは、そういえば何も基準を持たないで知らない土地に出かけることってなかなかないよなぁと思いつつ。 _________ 僕はよく旅先でゲームセンターに行く。これは第一に気分を落ち着けるためだ。どうしても自分の知らない場所に行くとテンションが変に上がってしまう。ゲーセンにはその緩衝材として機能してもらうことにしている。 僕は高校時代か