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荒々しさを追求する優しき漢たちーOL

2連覇に挑む2021シーズンのオービックシーガルズ。それぞれのユニット(ポジション)はどんな布陣でどう戦うか。ユニットを率いるコーチとリーダーにZoomで聞く、全9回の連載企画です。

第1回はオフェンスの屋台骨、OL(オフェンスライン)。愛称ツイスターズ。矢部寛之オフェンスコーディネーターと♯75川本康太選手に聞きました。

-ツイスターズは大所帯ですね。メンバーの構成を教えてください。

矢部  全部で14人います。ベテラン33歳の藤田(♯76藤田真史)を筆頭に、新人が2人加入し、平均年齢は26歳ぐらいですかね。今年は長年ツイスターズを引っ張ってくれた山さん(山本祐介)が引退したのが大きなトピックスですね。平均年齢は少し下がりましたが、ちょうど油が乗り切ったメンバーが多いと思います。

ーあまり知られていないかもしれませんが、OLのポジションは種類がありますよね。それぞれの役割や特徴を教えてください。

矢部  5人並んだ中央から外に、「センター」「ガード」「タックル」の3種類あります。カウ(川本)はセンターとタックルの両方をやっています。

川本  センターはラインの中央にいて、周りに指示を出して統率を取ることが多いですね。ガードは左右の動きや、比較的体重の重い選手とぶつかることが多いので、血気盛んな選手が多い印象です。いちばん外のタックルは、ディフェンスエンド(DE / ディフェンスラインのいちばん外のポジション)の外国人選手やスピードラッシュを止めないといけないので、スマートにプレーするというイメージがあります。

川本

―川本選手はセンターとタックルのどちらが好きですか。

川本  両方好きですが、タックルの方が、よりやっていて楽しいという感じはあります。1対1になる場面が多いので、駆け引きがあって、「勝負しているな」という感覚が好きですね。もちろん、一瞬で抜かれてしまうというプレッシャーもありますし、うまくいかなければQBがケガしてしまうという責任感もありますが、それらも含めて楽しめています。

ーセンター、ガード、タックルそれぞれの、他チームとの違いやこだわりがあれば教えてください。

川本  センターはどのチームよりもクレバーだと思いますね。昨年ジオ(♯58庄島辰尭)が加入したことで、よりツイスターズのスタンダードが上がったという印象があります。ジオはフットボールIQが高く、ミーティングで発信してくれる内容をツイスターズ全体に落とし込めたことで、みんなのプレー理解度が上がりました。他のチームよりフットボールIQが高いという自信はあります。

矢部  相手が今まで見せたことのないディフェンスを敷いてきたときに、センターの力量というか役割が出てきますね。

川本  そういう場面でジオがQBや周りのOLに指示をする姿がよく見られると思うので、そこに注目してもらえると楽しめるのかなと思います。

OL_庄島

ーガードとタックルはどうですか。

川本  うちのガードは少しサイズは小さいですが、その分、横の動きやプル(遠く離れた選手をブロック)するときのスピードが速いです。外に展開するプレーなどのスピードや激しさを見てもらえたらと思います。

矢部  オフェンスのキープレーであるアウトサイドゾーン(外に展開するプレー)でキーとなるポジションがタックルです。相手DEをどれだけ押し込みコントロールできるか。うちのタックルがプライドを持ってやっているところなので、そこの激しさをぜひ見てもらいたいです。

ー外国人選手を押し込むためのポイントはどんなことですか。

川本  スタートやファーストヒットが重要だと思っているので、練習からスタートをしっかり切ることや、ファーストヒットで相手を押し込むことを意識してやっています。

ーそれにはフィジカルとファンダメンタル(基礎技術)も求められますね。

川本  そうですね。フィジカルはそれぞれ平日にしっかり取り組んでいます。それにプラスして最近は、チーム練習の前後にツイスターズ全体でトレーニングする意識づけができてきて、その結果、測定の数値も少しずつ上がってきています。年齢関係なくお互い指摘できるのがこのユニットのいいところで、お互いにしっかり意見ができて、ファンダメンタルの徹底、ベースをつくることに役立っていると思います。

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ー新加入選手2人の印象を教えてください。

矢部  1人は唐松星悦(しんえ / 東京大)です。彼は大学4年生だった昨年、シニア日本代表に選ばれていて、日本人のOLとして理想的なフレームサイズを持つ選手ですが、非常に努力家で、練習後は誰よりも熱心に質問をしてくるような選手です。

新人2人

もう1人は大木綜一郎(関西大)。高校まで野球をやっていて、大学で和久憲三さん(オービックシーガルズOB・現 関西大ヘッドコーチ)に発掘されてアメフトを始めた選手です。まだ粗削りですが、野球出身だけあってよく走れて動きがいい。気持ちも熱い男で、新人ながらツイスターズのハドルでも手を挙げて発言しますし、いちばん元気があります。タイプは違いますが、2人とも次の世代のツイスターズを背負う存在として、とても期待しています。

―昨シーズンを振り返って、成果や課題にはどんなことが挙げられますか。

矢部  昨年はQBがジミー(♯11ジミー・ロックレイ)に代わり、OLにはジオが加入し、オフェンスコーディネーターである自分も加入初年度と、いろいろなことが変わったと思いますが、ユニットの一体感や団結、アサイメントやアジャストにほころびをつくらないことに注力し、そこでは成果が出たと思います。一方で、一人ひとりのフィジカルやファンダメンタル、プレーの激しさや荒々しさが足りないことが課題として残りました。ユニットとしての総合力を高めるために、今年は一人ひとりの強さや荒々しを追求しています。

川本  成果は矢部さんと同じですが、加えると、新人や移籍など新戦力が多く入ってきて、いままでになかったユニット内の競争ができ、いい循環が生まれたと思っています。課題は、オールXリーグ(OL5枠)に誰も選ばれなかったことですね。全員悔しい思いを持っているので、オールXリーグ受賞者を複数人出せるようにと取り組んでいます。

ー今シーズンのユニットのスローガンや目標を教えてください。

川本  スローガンは「GRIT」(グリット / やり抜く力)です。目標達成に執念を持って取り組み、達成していこう、精神的にきつい場面でもツイスターズが引っ張っていこうという意味合いを込めて、このスローガンを掲げました。練習中しんどいメニューやオフェンスが悪い流れのときなど、OLがチームを引っ張ったり、パート内でも声をかけて全体を引き上げたり 、ということに取り組んでいます。

―今シーズンはここを見てほしいという注目ポイントは。

川本  ランプレーで相手を激しく押し込んで荒々しくプレーするところですね。ランプレーを出すことにプライドを持ってやっているので、そこをぜひ見てほしいです。あとはタッチダウン後のセレブレーションですかね。OLはなかなか目立たないポジションですが、タッチダウンのあとはけっこうみんなで集まるので、注目してほしいです。イエロー(反則)を取られない範囲で何パターンか練習しようと思います(笑)。

ーチーム内の他のユニットと比較して、これだけは負けないということがあれば教えてください。

矢部  団結力ですかね。

川本  僕もチームワークだと思います。お互いの足りないところを補完し合っているユニットだと思っています。

ー最後に、自分たちのユニットにキャッチコピーをつけるとしたら。

川本  「気は優しくて力持ち」とかどうですか。

矢部  いいね、それ間違いないね。

―全員がお姫様抱っこできます、とか(笑)。

川本  できます、余裕です(笑)。

 矢部寛之 オフェンスコーディネーター
(やべ・ひろゆき)2002~2006 年にOLとして在籍。アサヒ飲料ヘッドコーチ、桜美林大学オフェンスコーディネーターなどを歴任後、2020 年古巣に復帰しオフェンスを指揮。現役時代の2005年、JAPAN X BOWLで最も活躍したラインマンに贈られる初代棚橋賞を受賞。神奈川県出身、46歳。

OL75川本康太
(かわもと・こうた)高校からOLひと筋。立教大学時代はほぼ無名選手でありながらオービックにチャレンジ。2016年に加入後も努力を重ね、2019シーズンにスターターを獲得。フィールド内外でリーダーシップを発揮し、ツイスターズを牽引している。187cm・135kg、埼玉県出身、28歳。

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▲後列左から:坂本昴大オフェンスコーディネーターアシスタント兼OLコーチ、♯72島崎貴弘、♯89髙田 望、♯58庄島辰尭、♯73岡本 陸、♯61玉村 匠、唐松星悦(新人)、♯70窪田翔吾、大木綜一郎(新人)、矢部寛之オフェンスコーディネーター / 前列左から:♯77坂口 裕、♯76藤田真史、♯75川本康太、♯71松原寛志、♯51村田健太

< OL 自己評価レーダーチャート >
2人にユニットの「戦力」(アクア)と「キャラクター」(ピンク)を自己評価してもらいました。(全10項目。0~10点満点。2人の平均点をチャート化)

レーダーチャート_OL

「コミュニケーション」は矢部コーチも川本選手も迷わず10点をチョイス。「おしゃれ度」はともに3点の評価。「着られる服がないんです…」とのこと。大きいサイズのオシャレな服をご存知の方、ぜひ教えてください! サプライもお待ちしています(笑)! 

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アメリカンフットボールトップリーグ X1 Super「オービックシーガルズ」の公式noteです。ホームタウンは千葉県習志野市。日本選手権ライスボウル優勝は史上最多8回。アメフトにかける私たちの思いを発信していきます。 https://seagulls.jp