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「毎試合ボール2つ」の約束ーDB

2021シーズンの戦いを占うユニットインタビューも第9弾・最終回は、守備の最後の砦、ディフェンスバック(DB)です。2019年まで立命館大学を指揮した池上祐二ディフェンスアドバイザーと、副将を務める♯1砂川敬三郎選手に聞きました。

―DBは最も人数が多いユニットですが、今年はどんな雰囲気ですか。

池上  DBは大外で相手レシーバーを止めるコーナーバック(CB)と、最後尾を守るセーフティー(SF)に分けられます。CBは須田(須田克志)が引退したので、いままでいたメンバーもチャンスが増えて、レベルアップしている感じです。SFも三宅(三宅剛司)が引退してコーチとしてべったりついているので、だいぶレベルが上がってきていると思います。

砂川  確かに、CBは東方(♯45東方嘉永)とか昨年出ていなかった選手が頭角を現してきて、いい競争ができていますね。SFは三宅さんが抜けましたが、ベテランが多いので、さらに安定してきたと感じます。

―3選手が加入しました。それぞれどんな選手でしょうか。

池上  高橋弘汰(早稲田大)は久保(♯4久保 颯)と似たタイプで、頭が切れてスマート。うまく育てたい、楽しみな選手です。小椋拓海(関西学院大→富士通)は昨年のシニア日本代表。これまで敵として、タックル回りのいい選手だなと思っていたんですが、実際見てみると、こんなに体の使い方がうまいんだと、ちょっとびっくりしています。坊農賢吾(関西大)は合流したばかりであまり見られていませんが、能力は高いですね。今年のHULA BOWL(全米学生オールスターゲーム)の日本代表です。

―みんな一線級ということですね。

池上  そうですね。3人のうち誰かはローテーションで出ている、という感じになりそうです。

坊農

―他チームのDBとの違いや、自分たちの強みを挙げるならどんなところですか。

砂川  1対1には誇りを持っていますし、個の力は負けないと自負しています。DBを信頼してもらっているから、社会人チームとしてはマンツーマンのサインが多いのかなと思います。

池上  Xリーグでこれだけ口うるさくファンダメンタル(基礎技術)を言われるチームはないのではと思いますね。

―池上さんが来て変わったのでしょうか。

池上  DBだけでなく、元々どのポジションもファンダメンタルを徹底しているチームだとは思います。でも、さらにうるさい奴(自分)が来て、さらにうるさくなったという感じでしょうね(笑)。

―池上さんのファンダメンタル論は、これまでチームがやっていたことと違うのですか。

砂川  僕らが知っていたファンダメンタルではありますが、自分なりにやっていたことをより正確に教えてもらっています。新たな体の動かし方も教わり、確実にうまくなっている。こんなにコーチングしてもらえることはみんなほぼ初めてで、かなり吸収していると思います。

池上  今年はもう一歩深いファンダメンタルをやれているかなと思います。三宅がSFを見てくれているので、自分はCBにつきっきりでやれていて、より本質的なところを攻められていると思います。

―具体的にはどのようなことでしょうか。

池上  たとえばバックペダル(後ろ向きに走る)やターンの足の使い方とか。目に見えて上達しているのはブレイクアップ(前に移動する動作)で、確実にスピードが上がっているはずです。昨年は基礎技術を教える時間がなかったので、今年はけっこうそこに費やしています。何を意識すればいいのか、理論的に正しい動作ができることが大事ですね。

池上さん

―昨シーズンを振り返って、取り組みや成果はどう感じていますか。

池上  すべてが初めての体験だったので、みんなに引っ張ってもらい、教えてもらったという感じです。土日しか練習できない分、コミュニケーションは意識してやれたかなと思います。

砂川  コロナの影響でなかなかみんなで練習できない中、池上さんが加わって新しいサインをインストールして…と、最初は不安が大きかったのですが、「信じて、やることをやろう」と話していました。平日のコミュニケーションも増えましたし、サインでわからないことを補うためにフィールドでのコミュニケーションも圧倒的に増えたのがいちばんよかった点かなと思います。

―大学と違って土日しか練習できないことへの戸惑いや、だからこその工夫はありましたか。

池上  大学ではファンダメンタルやシステムを教えながらチームを導く、そのすべてを自分がやらないといけなかったのですが、人に任せていいということを、実はここで初めて学びました。選手も大人なので、自分たちで考えて進んでいくんだなと。もっと徹底したいところもたくさんありますが、大人が集まっていることの面白み、みたいなものを感じましたね。

―前の週に教えたことを選手が忘れている、といったことはありませんでしたか。

池上  その可能性は聞いていましたが、実はそれを感じたことがないんですよ。丸覚えさせるのではなく、エッセンスだけ教えていったので、ちゃんと理解してもらえました。

砂川  足りていないところは個別にミーティングをしてもらいましたし、新しいサインやファンダメンタルが新鮮だったので、モチベーション高くできていたと思います。

池上  特にSFは自分たちでサインを変えていいというのが新鮮で楽しかったようです。いままでそういう文化がなかったみたいなので。

―DBは進化したんですね。

砂川  間違いないと思います。

池上  システムやユニットの動きも、自分たちでも変えながら、我が事としてやってくれました。

―今年につながる課題を挙げるとすれば、どんなことですか。

池上  最初に挙がるのは、昨年のパナソニック戦ですね。やらないといけないこと・やるべきことはわかっていたのに、ちょっとしたことで崩れた。今年は「何事にも崩されない、心・体・技術」が課題です。昨年はあり得ないミスが多かったし、それを少し引きずってしまったというか…。ちょっとぐらいメンタルが崩れても、崩れないファンダメンタルを目指したいですね。

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―それでは今シーズンの目標やスローガンがあれば教えてください。

砂川  特に決めていませんが、「毎試合ボール2つ」というのは意識して言っていますね。インターセプトかファンブルフォース(&リカバー)を必ず2回しようと。あとは「WIN 1on1」(1対1で勝つ)。この2つにはこだわってやっています。

―そのために具体的に取り組んでいることは。

砂川   球際のフィニッシュを意識しています。どんなにいいカバーをしても、最後に取られたら意味がないので。

―秋の試合で注目してほしいポイントは、そういう球際の部分になりますか。

砂川  そうですね。マンツーマンには誇りを持っているので、ぜひそこを見てほしいですね。

―カバーサック(DBがカバーしている間に投げられなくなったQBをサック)もあり得ると。

砂川  もちろんです。

池上  いや、僕らは基本、全部カバーサックですよ(笑)。

砂川  アハハ。間違いない(笑)。

―では、チームの他のユニットに負けないアピールポイントを教えてください。

砂川  「アットホーム」ですね。新人もすぐ輪に入れる、みたいな風土があります。これまで三宅さん、フジモン(♯14藤本将司・14年目)・島津(♯24島津慶丞・10年目)といったベテランがつくってきた…

池上  呼び捨てやし(笑)。

砂川  ハハハ(笑)。僕が1年目のときからこんな感じで、上下関係なく仲いいんですよね、フィールドでは仲間というか。

―そういう風土をつくるために特別なことをしているのですか。

砂川  練習が終わってから、島津が一発芸をするぐらいですかね。島津の一発芸へのこだわりもアピールしておきます(笑)。

―最後に、自分たちのユニットにキャッチコピーをつけてください。

砂川  「優しいお兄ちゃん」でどうでしょうか。

池上  「MiPE」(ミペ)ちゃうの(笑)。

砂川  いや、今回は「優しいお兄ちゃん」でお願いします(笑)。
(※ 「MiPE」は砂川選手が立ち上げたアパレルブランド)

池上祐二 ディフェンスアドバイザー
(いけがみ・ゆうじ)現役時代はDBとして活躍。引退後、1999~2019年の21年の長きにわたって母校立命館大学でDBコーチ、ディフェンスコーディネーターを歴任。カレッジ日本代表、U-19日本代表でディフェンスコーディネーターも務める。2020年から現職。大阪府出身、50歳。

DB♯1砂川敬三郎
(いさがわ・けいざぶろう)大阪産業大学附属高校で高校選手権2連覇。関西大学では大学日本一、主将を経験。2013年オービック加入。2015年は主将に抜擢、2016年から副将。2014、2016年オールXリーグ選出。U-19日本代表、シニア日本代表。170cm・78kg、大阪府出身、30歳。

集合写真

▲後列左から:三宅剛司ディフェンスコーディネーターアシスタント兼DBコーチ、♯4久保 颯、♯22山本龍太郎、♯21ブロンソン・ビーティー、♯36北村 優、♯25山本寛人、♯27田中雄大、高橋弘汰(新人)、♯32山本泰世、池上祐二ディフェンスアドバイザー / 前列左から:♯14藤本将司、坊農賢吾(新人)、♯40市川憲章、♯24島津慶丞、♯1砂川敬三郎、小椋拓海(新人)、♯45東方嘉永

< DB 自己評価レーダーチャート >
2人にユニットの「戦力」(アクア)と「キャラクター」(ピンク)を自己評価してもらいました。(全10項目。0~10点満点。2人の平均点をチャート化)

レーダーチャート_DB

「ユニット全員で、ですよね?」と回答に悩んでいた砂川選手。メンバー間で少しばらつきがあるようです。おもしろ度は意外にも「4」。「島津の一発芸は、0か100かなので」(笑)と厳しめの評価でした。

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