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独立に向け、宣言したこと

2011年、28歳の私はとても焦っていました。前職に勤務して6年が経過。デザイナーとして大きなプロジェクトも担当していましたが、責任者と言えるような立場ではありませんでした。仕事にやりがいはありましたが、もっと自分で自由に挑戦してみたい、自分の名前で仕事ができるようになりたいと贅沢な悩みを抱えていました。雑誌などで見る同い年くらいのデザイナー達の活躍を、指をくわえて見ていたのもこの頃でした。30歳で辞める、独立すると友人たちには半分本気、半分冗談で話していましたが、ジリジリと近づいてくる三十路を前に、会社に残るのか、本当に独立するのか「むむむ」と頭をかきむしりながら日々を過ごしていました。

独立について考えていると希望(やりたい事やる)と不安(生活大丈夫か?)で悶々として夜も眠れず、とりあえず落ち着け自分、頭を整理しよう、と書いたのが「独立に向けての5W1H」というテキストです。なぜ独立したいのか、どんな仕事がしたいのか、5W1H形式で想いの丈をA4サイズにまとめました。ほぼ書きあがった頃、ちょうど大学同期の集まりがあったので、恥ずかしさに何度もためらいつつ友人たちに見てもらいました。すると「おぉ!」という好反応。意見を聞くつもりが独立宣言のような状態に。退路が断たれ、独立に向けて動き出すことになります。(色々あって、結局このあと1年間会社にお世話になり、30歳の誕生日直前ギリギリに独立することになりますが、、)

そんな当時のテキストを、これから独立を考える方の何かのご参考のため、そして改めて自分のデザインへの姿勢や、独立して働くことを見直す機会として掲載します。

※なお、独立には様々な条件が絡み合いますので、あくまで1つのケースとしてお読みいただけると良いなと思います。

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独立に向けての5W1H

2011年3月31日 小野圭介


Why;なぜ独立する必要があるのか。

自分が担当する仕事に関して、自分が最前線に立ち、全責任を持ってクライアントと向き合いたい、と考えているからです。自分が責任を持つという事はもちろん大きなリスクが伴います。しかし、「リスクが無い責任」というものは存在しないと考えます。
また、デザインのクオリティを保証するためには、自らが最前線に立ち、全責任を持つことをクライアントにお約束する事が最も良い手段と考えています。その手段が独立(または自立)という選択肢になると考えています。後述しますが、独立=独りで仕事をすることとは考えていません。より柔軟なチームを組んで仕事をする為の独立でもあります。



What;どんな仕事がしたいのか。

何気ない日常生活に潤いや、楽しさ、好奇心を刺激する新鮮な喜びに満ちたデザインをしていくことを目指します。仕事の規模の大小に関わらず、人から人に想いを伝えていく、ということを仕事の中心に据えたいと思います。
ブランディングデザインの専門家として、右脳と左脳を駆使し、既存業界のフィールドを軽々と飛び越えていくような知恵とユーモアに満ちたブランドデザインファームを目指します。ブランドのコアコンセプト(ブランドの根幹をなす大切な思い)を、クライアントと共に磨き上げ、人とブランドとの接点にその思いを反映したブランドの世界を構築していきます。(ロゴ、店舗空間、建築、商品、サービス、各種アイテム、アート、社会活動etc.)
コアコンセプトは可能な限りクライアント組織の最終意志決定者との対話を通じて策定していくことを目指します。また通常業務とは別に、日本を元気にする活動や、ボランティア活動をしているNPO組織などへの協力を惜しみません。



Who;誰とチームを組むのか。

私はブランドディレクションとグラフィックデザインを担当し、必要に応じ様々な分野のプロフェッショナルとチームを組みます。チームメンバーは、ブランディング、グラフィック、建築、インテリア、コンサルティング、WEB、コピー、アート、etcの専門家です。チームメンバー全員でプロジェクトの成功を目指します。刺激し合いながら仕事ができるよう、顔が見え、物の言い合える、長期的な信頼関係を築きたいと思っています。



Where;どこに拠点を持つのか。

東京が拠点になると思います。クライアントの所在地は問いません。お会いしてお話することができる相手と仕事をします。



When;いつ独立するのか。

30歳での独立を目指しています。まずはフリーランスからのスタートになると思いますが、数年以内に会社化します。



How;どうすれば独立できるのか。

人とのつながりを大切にし、信頼できるクライアントや信頼できる仲間を多く見つけます。依頼された一つ一つの仕事を相手の事を考えながら真摯に取り組み、こつこつと実績を積み重ねていきます。今の場所に落ち着かず、常に満足をせず、そして飛び出せる勇気、反骨精神を忘れずに、もう少しだけ実力をつけます。



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今振り返ってみればですが、このA4一枚にまとめた想いがなければ、未だに自分は独立できていなかったかもしれません。考えをまとめ宣言する、そうして退路を断つということは、少し勇気がいる事ですが何かに向けて動き出すためには効果的な方法ではないかと改めて思いました。

2018年7月1日でONO BRAND DESIGNを設立し丸6年が経ちました。嬉しかったこと、悔しかったこと、反省していること、振り返れば色々なことがありました。しかし、2011年に宣言した内容と、これからも目指したい方向はブレてはいません。6年経ってようやくスタート地点に立てたかな?という感触です。改めて宣言を振り返ることで、気を引き締めていきたいなと思いました。お読みいただきありがとうございました。

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デザイナー/ONO BRAND DESIGN代表/ランドーアソシエイツを経て独立/共著に「ロゴデザインの現場 事例で学ぶデザイン技法としてのブランディング」(MdN)/北海道生まれ、埼玉・長野育ち、東京在住。http://ono-brand-design.com/

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