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保険業界が魅力的な業界であり続けるために、hokanが実現したいこと

Masashige Obana

本日(2020/12/14)、hokanは2.5億円の資金調達を発表しました。

改めて保険業界の魅力と、その魅力をさらに発揮するために、hokanが実現したいことを書きます。


保険という商品の特性から生まれている保険業界の魅力

保険業界の魅力は2つのキーワードで表されると考えています。

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『ハートフル』と『使命感』です。

保険という商品の本質が「支え合い」であるからこそ、保険業界には優しい人が多いです。顧客とのハートフル(=心温まる)な繋がりを築くことで、保険を届けています。

また、保険は「万が一のときの備え」であるからこそ、一般消費者が自らすすんで購入する商品にはなりえません。保険という概念や商品の理解も一般消費者には難しいです。そして、万が一のことが起こってしまった時、保険金を支払えるかどうかは保険契約者の人生を左右します。だからこそ、保険は、保険業界が使命感をもって、一般消費者に届ける必要があります。

保険業界はそんな魅力でもって、300年以上の歴史を築いてきたわけですが、昨今では一気にデジタル化が進もうとしています。


個々人のリスクにあわせた最適な保険の提供が進む

2020年7月にアプリで火災保険を提供するLemonadeという会社が米国で上場しました。

Lemonadeはアプリ上で入力された住所から建物の情報を検索し、その建物の築年数・建物の耐久性・海岸からの距離・消防署からの距離などにもとづいて、保険料を最適化しています。


また、2020年11月には運転の仕方で保険料が変わる自動車保険を提供するRootという米国の保険会社が上場しました。

Rootの顧客体験は以下の通りです。

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ユーザーはまずROOTのアプリをスマホにインストールします。
そしてそのスマホをもって、2〜3週間運転します。
スマホのセンサーによって運転状況がモニタリングされ、ユーザーにあった保険料が提示されます。この際、特に危険な運転をしているユーザーは排除されます。リスクが著しく高い10〜15%のユーザーの事故発生確率は、通常のユーザーの2倍に上るためです。特に危険なユーザーを排除した上で、それ以外のユーザーには運転状況に応じた保険料が提示されます。
その後、アプリ内で補償内容を調整したり、契約内容を管理したり、保険金請求を行うことができます。


Lemonade、Rootなどの企業がやろうとしていることは「データを活用して個々人のリスクに最適化した保険を提供する」ということです。

データを活用することの利点は、データが集まれば集まるほど保険料算出の精度が向上することにあります。Lemonade、Rootのどちらもその仕組みをループで表現しています。

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このループの成果は損害率の低下に表れています。Rootは直近3年間で111%から85%まで着実に損害率を下げています。

保険契約者も保険会社も得になる非常に合理的な仕組みです。
そして、大量のデータに基づく最適な判断が行われるようになると、もはや人は太刀打ちできなくなるでしょう。

いつになるかは分かりませんが、日本においてもこの未来は確実にやってきます。


とはいえ、まだまだ日本においては人を介した保険販売が主流で、ネット経由の販売はそこまで広がっていません。

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上記のグラフは生保チャネルに関するものですが、保険を比較検討したいという消費者のニーズは根強いことから、保険代理店経由の保険販売は今後も増え続けるものと想定されます。


データ時代に目指すべき代理店経営像

データを用いて個々人のリスクに最適な保険が提供される時代が近づく中で、保険代理店としてはどのような経営を目指せば良いのでしょうか。

ポイントは4つあります。

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①デジタル前提の仕事環境
②顧客情報/契約情報/対応履歴等を全社共有
③チームでの最適な役割分担
④データをもとにした経営改善

まず、「デジタル前提の仕事環境」です。とある米国の代理店では募集人一人一人に2台のモニター、1台のPC、1台のタブレットを支給しているようです。恐らく、パソコンのスペックにもこだわっているでしょう。紙やExcelの利用もデータが分散する原因になってしまっていますので、一元管理可能なシステムを用いるのが理想でしょう。

デジタル前提の仕事環境が整うと、「顧客情報/契約情報/対応履歴等を全社共有」することができます。情報が共有されていると、顧客対応が属人化しません。とある代理店では「万が一のことがあったときのための保険を提供する立場である以上、募集人に万が一のことがあったときに別の募集人が対応できるよう、システムに顧客の家族関係・趣味、過去の架電・発送履歴まで全て入力させている」とおっしゃっていました。

さらに情報が共有されると、「チームでの最適な役割分担」を実現することができます。前述の米国の代理店では既契約フォロー専門のチームをつくっています。既契約フォローをやりながら新契約を獲得するのは非効率と考えたそうです。新契約の獲得が得意な人は新契約の獲得に集中し、既契約のフォローが得意な人は既契約フォローに集中する。また別の代理店では、保険種類ごとに得意な募集人が異なるため、協力することでお客様の課題を総合的に解決していました。

デジタルの活用が進むと「データをもとにした経営改善」を実施できます。特に経営において重要な指標が常にモニタリングされていることが重要です。指標ごとの目標と実績の差分をみて、速やかに改善策を立案・実行します。


データを用いて代理店経営を継続的に進化させ、人が人でしかできない価値を発揮できる環境をつくる

データが集まれば集まるほど進化するのは、何もAIだけではありません。
データが集まり、それを活用できる環境が整えば、人も進化できます。

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hokanでは見込顧客の管理から、意向把握などの業法対応も含めた商談記録、保全対応まで全ての業務を実施することができます。
一部業務はhokanだけでは完結しない部分もあるのですが、思想としては「hokan 1つで全ての業務が完結する状態」を目指しています。
また豊富な検索条件を設けていますので、今ご連絡すべきお客様を瞬時に一覧に出すことができます。
さらにダッシュボード機能がありますので、募集人個々の活動状況や収入保険料を確認しながら、募集人の行動改善を促すことが可能です。

デジタルをフル活用することで、人が人でしかできない価値を発揮することに集中できるようになります。

・お客様に家族のように寄り添い心を通わせる
・保険やその周辺領域に関する総合的な知識でもってより深くお客様の課題を解決する
・保険を届ける使命感を組織に伝播させて仲間を増やす

そうすると、さらに多くの人に保険を楽しく適正に届けることができるようになります。保険業界の魅力がフルに発揮される世界をつくりたいですね。

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保険業界をアップデートするためにhokanも会社としてアップデートする

hokanのミッションは「保険業界をアップデートする」です。

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保険業界という巨大かつ歴史の長い産業をアップデートする存在になるためには、会社としての規模も必要になります。まずは時価総額1000億円以上に到達することを目指しています。
今回Sansanから資金調達させていただきました。既に時価総額1000億円を遥かに超えているSaaS企業から、しっかり学んでいきます。

プロダクトとしても、今後はより保険代理店経営の向上に直結したり、保険営業の日常に溶け込むような価値提供を進めていきます。週次でアップデートし続けていますが、まだまだ進化し続けます。

また、今後は保険代理店だけではなく、保険会社の課題解決も進めていきます。名刺というアナログ情報のデータ化や、出会いからイノベーションを生み出すテクノロジーをもつSansanとの事業提携はその一環です。保険業界は人と人とのつながりが大切な業界ですから、非常に親和性が大きいと考えています。それだけでなく、顧客と保険代理店のなめらかなつながりの構築や、複数の保険会社を横断したデータ分析など、hokanの強みを活かして、保険会社側の課題も解決していきます。


hokanでは保険業界をアップデートする仲間を探しています!

会社紹介資料はこちらから↓

https://speakerdeck.com/hokan/hokanhui-she-shao-jie-zi-liao

現在の募集はこちらから↓


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