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だからあたしは写真を撮り続ける




ロックダウンも半分が過ぎた

感染者数は次第に減っていっているけれど 病院や老人ホームでのクラスターが続いて死者が増えてるのも事実

このままロックダウンが延長されるのかは微妙なところ


あたしのバイト先はレベル3に下がったら即座に店を開くらしい

ただ あたしはパートタイムの1番下っ端なので時間は保証出来ないとも言われた




そんな状態の中で フラットオーナーとフラットメイトと3人で朝イチのビーチに行った

快晴の予報はどこへやら 見事なまでの曇りだったけど 久々に浜辺を歩いて ゆったりした時間を過ごした


アジア人が3人 年齢もばらばらで 共通言語は英語だけ

ただの同居人で誰が納得するかな って笑い合った




あたしは元々海が大好きだけど家の近くになくて

カメラを買った翌年 どうしても冬の海が撮りたくて 電車とバスで片道2時間半時間以上かけて1人で行ったことがある

携帯 財布 定期 それからカメラと三脚


いろんなひとに 馬鹿じゃねえの と笑われたし交通費だけで月の小遣いの半分くらいが飛んだけど躊躇いなく言える

その価値はあった と




あの頃の自分が1番写真への情熱があった


高校時代 本物は没収されるから という理由でコピー用紙で自作したUNOを毎休み時間していた

早弁して昼休みに中庭の桜の木の下で友達に被写体になってもらった

放課後立ち入り禁止の紙と鍵のかかった柵をよじ登って 学校のベランダで青春ごっこみたいなことをした

テスト中突然 自然が撮りたい と何かが沸いて 放課後近くの山に1人でチャリを押しながら登ったこともある




誰一人として理解してもらえなかったけど そんな写真を見返す度に あの時の思いも 情熱も 全部全部鮮明に蘇ってくる

嫌いで嫌いで仕方ない高校生活を 悪くなかった と言えるのは振り返って見た時の笑顔の数


残して

見返して

思い出して

あの日々は いつまで経っても色褪せてほしくないから




また来年の今頃にでも思い出すんだ


ああ コロナ大変だったね

ロックダウンになってね

帰れなくて泣いたね

よかったね

帰ってこれるようになってね





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