更地

気がつくと私は更地に立っていた。

足元には雑草が青々と生い茂っている。

(家に帰らなくては)

そう思い、歩いてみるがここがどこだかわからない。

ダウンのポケットに手を入れたが、スマートフォンは無かった。

仕方なく、ザクザクと雑草を踏む。

地面はなんだかボコボコしていて歩きにくく、

すぐによろけてしまう。

しばらく歩くと道路に出た。

タクシーが一台こちらに走ってくる。

私は手を上げた。

しかしタクシーは止まらずに

通り過ぎて行った。

空車になっていたのに。

行ってしまったタクシーを陽炎がゆらゆらさせた。

またしばらくすると、もう一台タクシーが走ってきた。

また手を上げると

今度は止まってくれた。

駆け寄るとタクシーのドアが開いたので

乗り込んだ。

運転手はミラー越しに怪訝な顔をしていた。

「お客さん、こんなところに、なんの用で?」

私は答えられなかった。

「それに‥暑くないのかい。その服。」 

私は聞かなければいけないことがあった。

不安になったが聞かなければならなかった。

声が出るかも確かではなかった。

でも口を開いた。

「私は死んだのでしょうか。」

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おーえる/えるぽよ

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べ、べつにうれしくなんかないんだからね!
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