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『月刊テイクフリー』という名の紙切れ1枚

「やっぱり本は紙でなきゃいけない」という主義を掲げているぼくは、スマホやパソコンで長い文章を読むのが苦手だ。noteに散々文章を投稿しておいて、当の本人がnoteなどweb記事の文章を読むのが苦手なのだと言うのはいささか無責任な話かもしれないけれど、苦手なのだから仕方がない。でも、モノとしての本であれば、長い文章でも読んでいられる。それは文庫本であろうが、単行本であろうが、雑誌であろうが、リトルプレスやZINEのような薄い冊子でもなんでもいい。なぜ、紙の本でないと文章が読めないのかと考えてみても、それはよくわからないけれど、たぶんぼくは紙が紙として存在しているということや、紙の手触りなんかが好きなんだと思う。


ということで、毎月『月刊 テイクフリー』というフリーペーパーを発行することに決めた。これまでは、自分がおもしろいと思うことをnoteの記事にして、それをどこの誰かもよくわからない人に、ありがたいことに読んでもらってきたけれど、やっぱり、ぼくは自分の文章を苦手なwabという媒体だけではなくて、愛する紙に印刷して、モノとして残したいを思った。それに、顔を見知った人たちには、wabといった肌から遠いところで読まれるよりも、実在する紙を会って渡し、手にとってぼくの文章を読んでもらいたいのだ。もちろん、自分の名前を記して、公に対して制作物を公開するとなれば、おもしろいものを作れば「こいつはおもしろいな」と思ってもらえるし、おもしろいものを作ることができなければ、「こいつはおもしろくないな」と思われる。フリーペーパーというのは諸刃の剣であるのである。


だけれど、そんなことに足を竦ませている人間には、本を作りたいだとか、おもしろいものを人に伝えたいだとか、そんなことを将来の夢として語る資格はない。「おもしろくない」と言われたならば、次はそれよりもおもしろいものを作ることで、「おもしろくない」と言った人を見返してやればいいだけの話だ。だからぼくは、とりあえずフリーペーパーを『月刊 テイクフリー』制作することにしたのである。


2023年の1月製作したに創刊号に関しては、勢いだけで作ってしまったという反省がある。2023年が始まってすぐnoteに投稿した「2023年にしたい2023のこと」という記事を特集としたのだが、2023のことをA4の裏表に収めようと思うと、文字がものすごく小さくなってしまう。なので、400を厳選し、それを箇条書きにしてフリーペーパーにした。極めて個人的な内容になってしまい、自己満足な製作物になってしまった。そこで、次号はもっとおもしろいものを作ろうと燃え、『月刊 テイクフリー』のキャッチコピーを「今号よりも次号をおもしろく」に決めた。


ということで、第2号は1ヶ月企画を練り、「Portarait in Kyoto」という連載を始めることにした。これは、ぼくが『Portrait in Jazz』という、和田誠さんがジャズマンのイラストを描き、村上春樹さんが彼らにまつわるコメントを書くという共著を読んでいる時に閃いた企画である。ぼくがイラストと文章を書くことで、ぼくが尊敬する京都の人たちを紹介しようという企画だ。第1回は、ぼくがバイトとして働いている出版社で営業をしているタブチさん。これは、第1号よりはおもしろいと自信を持っていうことができる。まさに、「今号は前号よりもおもしろい」のだ(たぶん)。


この『月刊 テイクフリー』は、通っているお店においてもらったり、会った人には手渡しをしている。けれど、それだけではなく、京都以外の人にも届いたらいいなぁと思った。ということで、自身のbaseオンラインショップで販売することに決めたのである。「『テイクフリー』と謳っておいて金を取るのかよ」という文句があるかもしれないけれど、オンラインで販売するには、商品の価格を決める必要があるし、送料もかかる。なので、100円(送料別)という、うまい棒10本と同じ価格で販売させていただくことにした。ということで、うまい棒を10本、あるいは、アイスをひとつ買うのを我慢して、『月刊 テイクフリー』を購入していただけると、ぼくは非常に嬉しく思う。なぜなら、買っていただいた売り上げのおかげで次号の印刷代が軽減されるからだ。なので、皆さま、この『月刊 テイクフリー』を買ってあげてください。何卒、よろしゅうに。


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