自作ヤジリン解説講座①~72作目~

こんにちは~~~!すなめりです。

Twitterでヤジリンを解いたり、ヤジリンを作ったりしております。今後もこのnoteでヤジリンについて考えていることなどを投稿していく予定なので、お付き合いいただけるとうれしいです!


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さて、今回はタイトルの通り私が作問したヤジリンの解説をしていきたいと思います。扱う問題は

https://puzz.link/p?yajilin/10/10/l22a23b22x31d33x31d33q13d

です。難易度はかなり高めですが、きちんと考えれば半理詰め的に解いていくことも可能ですので、がんばっていきましょう!

※難しい問題なので、基礎的な部分は飛ばします。


初手


スクリーンショット (120)

まず、この盤面を見て何を感じるでしょうか。脳死で確定できる黒マスがない、ということがパット見でわかると思います。このような場合は、


【最初手なんもわからんとき】

とりあえず地形による白マスを埋めながら、決まりやすそうな部分を探す


初心を忘れないようにしましょう。白マスが確定されるとちょっとだけ安心できる上に、実際に地形由来の白マスを埋めながら盤面をしっかり眺めることで、アタックできそうな部分だったり、過去に進研ゼミでやったところを思い出してきたりするものです。

スクリーンショット (123)

白マスを全て(n in 2n×1由来のものも含む)書き込むとこうなります。


序盤

地形による黒マスもない、脳死で確定できる黒マスもない、となると諦めて仮置き全探索の旅に出てしまいたくなりますが、諦めるのはまだ早いです。ここで使えるのは、


【n in 2n×1の処理】

偶奇性との相性が抜群(特に、1 in 2×1のとき)


スクリーンショット (124)

これです。とりあえず左側に1 in 2×1が2つもあるので、これを主軸にして考えます。この1 in 2×1において、左右のどちらに黒マスが入ったとしても(例えば上画像のように入った場合)、上画像で赤く囲った部分には2つの1 in 2×1それぞれから1本ずつの線が出てくる、ということが理解できます。

このとき、緑色の部分から奇数本の線が入ってくると、赤く囲った部分の中で3本の線を繋がないといけなくなるため、破綻します。したがって、緑色の部分からは、線が偶数本入ることとなります。緑色の2マスのうち、どちらか片側が黒マスだと、必然的に1本の線が入ることになるため、緑色の部分は白マスとして確定されます。

スクリーンショット (125)

今確定した白マスに直接関わっている数字は、左上の2ですね。この2が持っている黒マスは、上画像にある2つの青色部分に1つずつ入ることとなります。これによって、新たに偶奇性を考えることができるようになりました。

ここで、オレンジ色の部分についてはどうなるでしょうか?今までの議論をもとに考えてみてください。

下側の青色部分については、左側は1 in 2×1と青色部分以外から線が入ってこないため、偶奇性は100%クリアしています。右側には1本の線が出ることになりますが、右側はオープンな区画となっているため、上記の議論よりは確定事項を増やしにくそうです。


中盤

とりあえず、1手読みで偶奇性から何かを確定できそうな部分はもうないかと思います。こうなったらちびちびとした2手読み程度の手筋(手読みが苦手な方は仮置きを躊躇なくしましょう)を使っていくことになります。1手読みで確定できるマスがない場合は、


【1手読みで詰まった場合】

1)近所の確定事項を巻き込めそうな場所から考える

2)黒マスのパターンが少ない場所から考える

3)あり得なさそうなパターンから考える


この3つに従って進められると処理がだいぶ楽になると思います。2手読み3手読みをするのは結構エネルギーを使うので、近くにヒントが多く、できるだけすぐ破綻してくれて、破綻した場合消去法で黒マスや白マスを確定できるパターンから考えると強いですね。例えば、2 in 4×1と2 in 5×1では前者の方がパターンが少なく、前者の中では1マス目と4マス目が黒マス、といった仮定をするより1マス目と3マス目が黒マス、のような仮定の方が破綻した場合に黒マスを確定できますよね。このように優先順位を決めてください。


さて、今回の場合、上の手筋を参照すると、下側の1と3に挟まれた区画について考えると良さそうです。

スクリーンショット (127)

上図オレンジ色のように空白マスに番号を振ると、我々がラクに決定できる仮定では黒マスはどこにあるでしょうか?1,4はまず違いますね。1,3か2,4ですが、1,3と置くと3の黒マスの下側に線が引けますので、1,3の方が強そうです。

スクリーンショット (126)

1,3と仮定すると、序盤で考えた偶奇性から、1,2の下側の区画には線が1本しか入らないということになるため、破綻します。従って、4に黒マスが入る、というのが確定されます。

スクリーンショット (130)

この部分についてもうちょっと考えてみましょう。4に黒マス、ということだったので、次に、2に黒マスがあるという仮定をしてみます。

この場合、下から生えている3が持つ空白マスが、赤色部分に制限されてしまうため、上から降りてくる3が、黒マスを青色部分にしか入れられなくなってしまい、破綻します。従って、1に黒マス、というのが確定されます。

スクリーンショット (131)

次に2手読みが考えてやすそうなのは、上画像でオレンジ色の番号を振った部分だと思います。1,3と黒マスを置くと特に破綻はしないのですが、2,4と置くと下から生えている3が潰れてしまうため、破綻します(ここの検証はやってみてください。)というわけで、1に黒マス、というのが確定されます。この段階では、もう1つの黒マスが3か4かというのがよくわからなさそうなので、この部分についての追求は避けることにします。

1に黒マスが来ると、2は白マスとなります。従って、上から降りている3が持つ空白マスが、上側の2×1、中央の2×1、下側の1マスのみとなるため、下側の1マスが黒マスとして確定します。更に、これによって左側の2の黒マスが1つ確定します。


終盤

また、1に黒マスが来ることによって、地形条件から2のすぐ上に黒マスを置けないため、3が持つ黒マスがもう1個確定します。更に、同様に地形条件から、下画像のようになります。

スクリーンショット (132)

下から生えている3について上画像のように仮定する場合、右側が地形的にアウトで、かつ上からの3が潰れてしまうので破綻します。これを反映すると下画像のようになります。

スクリーンショット (133)

ここからは地形条件で芋づる式に決まるでしょう。gg



おわりに

今回は初手1手読みで確定できる黒マスがない問題でした。こういった場合は、偶奇性について考えると強力なことがあるよ、ということをテーマに作問してみました。

【n in 2n×1の処理】

偶奇性との相性が抜群(特に、1 in 2×1のとき)


【1手読みで詰まった場合】

1)近所の確定事項を巻き込めそうな場所から考える

2)黒マスのパターンが少ない場所から考える

3)あり得なさそうなパターンから考える

n in 2n×1の形は、偶奇性との相性がかなりいいことに加えて、偶奇性からすすめることができなくても仮定するのと黒マスを確定しやすいため、全体的にかなり強いです。また、この形は、列の左右に白マスを4個以上置くことができますので、初手で確定できる黒マスがなくて困っている場合は白マスを置いてから考えてみると強いことがあります。

こういった部分がない場合は、、、がんばってくださいw


今回は最短ルートを通れるような手筋で考えることを意識したため、このような解き方になりましたが、違ったストーリーで、3手読みを使わずに解いていくことも可能です。実際に私が最初にこれを解いたときは全く別の切り口から入ったので。みなさんも時間があったらこの問題についてもうちょっと掘り下げてみてください。なにか新しい学びがあればうれしいです。では


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