ニュージーランドの内閣改造が行われた

2022年6月13日はオークランドでも記録的な嵐となったが、そんなことはお構いなしに首都ウェリントンでは内閣のリシャッフルが行われた。

この内閣のリシャッフルというのは、要は大臣をごっそり入れ替えるイベントでニュージーランドの政府はよくやっているらしい。らしいというのは現在のジャシンダ政権では初めて行われてはずだからだ。

しかし、内閣のリストラクチャではなくリシャッフルという日本人からしたら改めて適当に選んだという感じがするこの言葉は一体どういう意味なのかはよくわからない。

今回のこのリシャッフルはジャシンダ・あーダーン首相にすれば「ちょっとした」ものだようだが、そこに含まれる名前には、クリス・ヒプキンスやクリス・ファーフォイと言ったこのブログでも度々取り上げた閣僚が含まれているため、ちょっとした変更というのは人数には当てはまるが、そのインパクトは大きいと見たほうがいい。

何よりもこのブログにとって痛手なのは、ここでネタにしている閣僚でもあるクリス・ファーフォイやめてしまうという点だ。

ではかんたんに何が起きたかを書いてみようと思う。

まず、クリス・ヒプキンスが警察大臣というものに就任した。これまでは保険大臣だった。

これは前任のポト・ウィリアムスという大臣からポストを引き継ぐ形になった。

警察大臣というものが一体どういうものかはわからないが要は警視総監のような立場といえばいいかもしれない。

クリス・ヒプキンスといえば記憶に残っているのはテレビの生放送でうっかり放送禁止用語を口走ってしまい司会者と大笑いした挙句に後日コロナについての大本営発表でその放送禁止用語をプリントしたコップでわざわざ放送禁止用語がカメラに映るようにお茶を飲むというあまりにも空気を読めない行為に出たという記憶しかないが、これをニュージーランド仕草として仕方ねえやつだなと思うかどうかは個々人に委ねられる。

前警察大臣のポト・ウィリアムスがなぜ任を解かれたのかというと今の状況では彼女が仕事に専念できないということのようだが、野党のナショナルはクリス・ヒプキンスでいいのかと当然紛糾している。

ここ最近の犯罪の増加について警察大臣に責任を取らせているあたりに起きたあとの対処をどうするかしか考えていない感じが凄まじいが、とにかく今後はクリス・ヒプキンスが警察大臣を務めることになるため非常に不安である。

それよりももっと衝撃的なのはこのブログでも散々ネタにしてきた移民・司法・放送大臣を努めたクリス・ファーフォイの辞任だ。

彼は子供の学校も始まるし家族との時間を大事にしたいという表向きの理由で大臣をやめることにしたらしい。

かつて首相のジョン・キーも家族との時間を大事にしたいという理由で急に首相をやめたことがあり、多くの日本人は「家族を大事にするさすがはキウィハズバンド!」と拍手喝采だったが、この手の理由は「とってつけたもの」でしかなく、本当の理由は他にあると考えるのが妥当だ。

家族との時間を大事にしたい、という理由はこう言っておけばニュージーランドでは炎上しないから、というだけのことでしかない。本当に家族との時間を大事にするのかはクリス・ファーフォイが辞任後どういう身の振り方をするのかを見ればわかるのでここでは詮索しないことにする。

クリス・ファーフォイもここ数週間のあまりの酷さに野党からの追求がやまなくなり、兼任している3つの大臣のどれでも全く成果を見せられなくなっていたことから、要は引責辞任と考えても別に構わないとは思う。

このブログではニュージーランドのすっかり破壊されてしまった移民制度似ついてよく書いていたが、この移民制度を引き継ぐのはマイケル・ウッドという男性だ。

彼の移民に対する思想については全くわからないが野党のナショナルは今回のリシャッフルを全く評価していない。

この他にあったリシャッフルは上記記事を参照すると以下のとおりだ。

キリ・アランが法務大臣に就任

エイドリアン・ルラフェがスピーカーに就任(この前はマイケルウッドがスピーカーだった)

コロナについてはアイエシャ・ヴェーラル博士がクリス・ヒプキンスから引き継ぐ。

彼女は感染症の専門家でもあるため現在のすっかり手遅れ状態になったニュージーランドのコロナ対策に何かしら一石を投じてくれる可能性はある。

今回のリシャッフルについてデビッド・シーモア(ACTの党首)は辛辣だ。

警察大臣からポト・ウィリアムスを外したのは素晴らしいが後任がクリス・ヒプキンス?人材足りてないんじゃないの?などと言っており、私も全くの同意だ。

要するに今のレイバー政権には大臣を努めうる才能ある政治家が全く足りていないという批判をしている。

そんな政府内の攻防はどうでもよく、私に気なるのは、マイケル・ウッドが今の最悪な状態になった移民制度を修復できるのか、という点だ。

Wikipediaで彼の来歴を見ると大学在学中にクリスマスツリーの営業をし、その後紳士服の店で働いていたということがわかり、組合員として大活躍していた要は左翼系の人員でレイバー正統は左翼政党なので特に問題はない。

一方で、ウェリントンの反ワクチン義務化デモに対しては非常に辛辣な評価をしている。何故か反ユダヤ主義者でありイスラム恐怖症であると言っており、彼の論理的整合性についてはちょっと疑問符がついてしまう。

嗜好品としての大麻には賛成の立場をとっており、安楽死には反対の立場だ。

これからニュージーランドが国境開放をしていく段階になってからの移民大臣交代が一体この国の移民制度にどういう影響を及ぼすのかは全くわからない。

そういうわけでニュージーランドに来ることはおすすめしない。

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