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ストリップがすげえ。

行ってみたかったところにできるだけ行ってみる。やってみたかったこともできるだけやってみる。お金が許す範囲内で。

俺の無職のテーマだ。

無職にテーマもクソもあるものかとお思いかもしれないが、俺はこういうテーマを掲げていないとすぐに何もしない無職になってしまい、精神の風通しが悪くなって最悪の場合は死ぬ。

そういうわけで俺は前々から一度行ってみたいと思っていたストリップ観覧に行ってきた。

(今からストリップの話をするのでエッチなのがダメな人は読むのをやめるか己の目を潰すなどの対処をしてください)

ストリップをご存知だろうか。ストリッパーが踊ったり裸になったり裸で踊ったりするやつだ。

ストリッパーはスティーブンセガールさんの映画ででかいケーキから出てきたりゾンビ映画でゾンビになってたりする存在だし知っているだろう。

スティーブンセガールさんやゾンビ同様ストリッパーも実在する。今日この目で見てきた。

今日向かったのはA級小倉劇場という北九州にあるストリップ劇場。ストリップ劇場は九州にはこの一件しかない。

ストリップ劇場はウミガメやうなぎや忍者と同じく、その数がどんどん減少しており絶滅の危機に瀕している。けものフレンズだったら目からハイライトが消えている。

A級小倉劇場は11:00〜13:00までに入場すると早朝割引というやつで通常5000円のところ3000円で見ることができると下調べしていたので12:30頃に行ってみた。本当だった。2000円オフだ、正気じゃない。

1Fの受付で金を渡すと、入場券と次回使える割引券をくれる。割引券は早朝割引と併用できないらしいので次行く時は注意したい。

階段を上るとまた受付があり、そこで入場券を渡す。

こいつは劇場にいた猫だ。全裸だがストリッパーではない。猫の上にある電話番号はピースボートのポスターのやつだからストリップ劇場とは関係ないので注意してほしい。

受付の爺さんに「猫の写真を撮っていいか」と聞いたら「猫に聞いてくれ」と言われた。勝手に撮った。

マスコット的な存在なのか、来る客来る客こいつの頭を撫でていた。ストリップ劇場に猫、妙に絵になる。

ロビーには非常にどんよりとした空気が溜まっている。どんより具合としては汚いカプセルホテルのそれに近い。嫌いではない。

ロビーにはソファーや灰皿があり、開演を待っている客が数人ぼんやりとスマホをいじっている。スマホや携帯電話の使用はロビーのみで許されており、劇場内では取り出すことも禁止されているので注意が必要だ。そこら中に注意書きがしてある。あと当然カメラ類の持ち込みも禁止だ。破ると多分恐ろしい目にあう。

開演時間が近づいてきたので劇場内へ入る。思ったよりも狭い。小さいライブハウス程度の広さだ。奥にメインステージがあり、そこから客席側に花道と円形ステージが迫り出している。客席とステージはめちゃめちゃ近い。客層はおじさん〜おじいさんが9割、女性もちょっといる。

メインステージの上には小さなブラウン管のテレビがポツンと置かれており、なぜかエロビデオが上映されている。ショーが始まるまでは他の客とこの小さなテレビでエロビデオを眺めることになる。

シラフだと正気を欠きそうだったのでロビーに戻り自販機でビールを買った。ビールは600円だったので100円玉を6枚入れようとするが、なぜか返ってくる。よく見ると100円硬貨4枚までと書いてある。なんなんだと思いながら1000円札を突っ込んで買った。

劇場内に戻って席に座っていると、時間になったらしく劇場のおじさんがステージのブラウン管テレビを引っ込め、開演のアナウンスが流れた。ショーの始まりだ。


先にショーの構成を説明しておく。踊り子さん一人につき3つのパートに分かれている。

まず最初のパート、煌びやかな衣装を身につけた踊り子さんがステージに立ち、音楽に合わせて踊る。踊りながら徐々に脱いだりする。

次のパート、踊り子さんが一度舞台裏へ下がった後で劇場内の照明がつき、劇場のおじさんの何言ってんのか全然わからないアナウンス(電車の車内放送の死ぬほど聞き取りにくいやつみたいなの)が流れた後、再び踊り子さんがステージへ戻ってきてポラロイド写真撮影コーナーになる。1枚千円。2ショットでもいいしポーズを頼んでもいい。

最後のパート、オープンショーというらしい。内容としては最初のパートに近いがより過激。あんまり詳しく書けない。すごい。

この3パートを出演者5人分繰り返し、最後は踊り子さん全員登壇してのじゃんけん大会。商品は次使える無料券などだ。

これで一区切り。だいたい2時間40分くらい。ブレードランナー2049くらいの長さだから参考にしてほしい。ブレードランナー2049、ブレードランナーの続編として最高じゃない?ストーリーもだし、あとはあの究極に進歩したラブプラスみたいなのとか、銃声の気持ちよさとか。

閑話休題。この後すぐにまた最初の踊り子さんから2部が始まる。一度入場したらあとは好きなだけ居ていい。最後の上演まで何度繰り返し見てもいい昔の映画館みたいなシステムだ。


それで肝心の内容だが、想像をはるかに超えた世界がそこにはあった。ストリップはただの裸踊りじゃない、裸踊りのプロによる本気の裸踊りだった。

最初の踊り子さん。オリエンタルな感じのヒラヒラした衣装を身につけて、オリエンタルな感じのヒラヒラした布がついた扇子を持ち、オリエンタルな感じの曲で踊る。あと脱ぐ。脱ぎ踊る。

俺は布がヒラヒラしているとかっこいいと思ってしまう習性がある。スーパーマンやバットマンのマントや仮面ライダーのマフラー。かっこいい。ストリップの踊り子さんの布ヒラヒラ。かっこいい。

ポラロイドコーナーを経てのオープンショー。すごい。あんまり詳しく書けないがオープンだ。

この人が俺のストリップ初体験になるわけで何もかもが衝撃的だった。裸体、めちゃめちゃかっこいい。

次の踊り子さんはチャイナ服風の衣装。そしてダンスのキレがすごい、ものすごい。だが踊りは1曲で終わってしまった。ダンスが凄すぎる故か膝を痛めているそうだ。膝のレントゲン写真を見せびらかしていた。トークがものすごく面白い。

その後膝を痛めているにもかかわらずすごいポーズをしていた。すごかった。膝が全快した状態のショーを是非見てみたい。お大事に。

三人目の踊り子さんのショーはボクシングがモチーフだった。わけがわからねえ。

ただでさえストリップ観覧が初めてだってのに脳が吹き飛びそうだった。酒を飲んでいてよかった。

チ○ンピオンに合わせてシャドーボクシングをする半裸女性。

ロ○キーに合わせて筋トレする半裸女性。

丁寧にボクシンググローブをつけて登場しておいて、脱いだ後もボクシンググローブはつけなおす細やかな気配り。

一応ショーの間は静かにしておくのがマナーだ。でも笑うだろそんなの。

オープンショーもすごかった。裏声で叫びながらあんまり詳しく書けない感じのポーズをとりまくる。

こういうのもあるんだ、と、ストリップの奥深さを知った。

四人目はめちゃめちゃカッコイイ人だった。なんと白スーツ風の衣装で登場。顔立ちもカッコイイ。

女の人に憧れられるタイプの女の人って印象だ。それで踊りもカッコよければさらに裸体がめちゃめちゃカッコイイ。

カッコイイ以外の感想があんまりないんだけど一番拍手を送りたくなった裸体だった。オープンショーまでカッコイイ。

トリの五人目の踊り子さんは和風モチーフ。トリを任せられるだけあって衣装も踊りも裸体もめちゃめちゃレベルが高かった。

幻想的だ。まさかストリップを見て「幻想的」などという言葉を吐くとは思わなかった。俺はストリップを舐めていた。いやそもそも女体は幻想的なのだ。そのことを思い出すことができた。ありがとうストリップ。

人気がある踊り子さんらしく、ポラロイドコーナーは一番人が並んでいた。

最後は先に解説したように全員出てきてジャンケン大会。参加は自由だ。俺はおとなしく見ていた。そういう性格だから。


以上が俺の初ストリップ観覧レポートだ。すごかった。近所にあったら月一くらいで行きたいと思った。近所になくてよかった。

エロいかどうかと言われると正直なんとも言えないんだけど、いやエロいことはエロいのだけど、「ウヒョー!!エローい!!!」と言った感じでもなく、伝統芸能なんかを見たような気分になった。

「オー、ビュリホー」「ワンダホー」などと心の中でつぶやきながらパチパチと拍手したいような、そんな感じだった。

ストリップ劇場が絶滅する前にもう一回くらい見に行きたい。できれば絶滅しないでほしい。



追記

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