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明治時代の英語の教科書がキュンキュンくる。

先日立ち寄った書店にて、古書セールなるものが開催されていた。

新しいものでも昭和、古いものになると明治時代の本が種類を問わずゴロゴロとワゴンに積まれている。

平成生まれゆとり世代の俺は興奮した。夢中になってワゴンを引っ掻き回した。(実際は丁寧に物色した)

そして一冊の本と出会った。それがこれだ。

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明治時代に発行された中学校向けの英語の教科書だ。

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裏には元の持ち主が書いてある。第五學年ニ之組 戸田助人。

このころの中学校は五年制だったはずなので今でいうところの高校二年生だろうか。(今ちょっとググっただけの知識なので自分で調べてください)

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奥付ページ。初版は明治44年。大正2年に第15版と書いてあるのでこの本が実際使われてたのは大正時代なのだろう。じゃあ記事タイトルが嘘になってしまうけど気にしないでほしい。

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表紙を開いたところ。赤字の「文部省検定済」の印字がかっこいい。

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緒言。俺のようなゆとり世代には難しい言い回しで「英語めっちゃ難しいけどこの本で頑張れや」というようなことが書いてある。英語を学ぶ前にここでへし折れそうだ。それにしてもこの頃のものの言い回しはかっこいい。

この本は1~3巻あるうちの3巻で、要するに最上級生が使う一番難しいやつだ。

中身は各項目ごとに例文と問題集が書いてある。

例えば、「Who」を用いた例文と日本語訳いくつか、次にWhoを用いて英訳してみろという日本語文いくつか。これらが1セットで何項目もある。

これらの例文や問題文が時代を感じさせ、読んでいて非常にキュンキュンする。

まずは例文の中からいくつかキュンキュンきたものを紹介しよう。

EXAMPLES

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まずこれだ。まず日本語の方の漢字が読めねえ、「で」と「品」の間のやつ。英文の方を見てやっとそこの意味がわかる逆転現象が起きている。そしてなんなんだよこの例文。

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気の毒だ。この頃よくあった光景だったのだろうか。だとしてもそれを例文に選ぶあたりにキュンキュンくる。

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超上から目線。でも言ってみたい。かっこいい。札束で頬を叩きながら言いたい。キュンキュンする。この本で学んでおけば英語で言うこともできるわけだ。

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あ〜〜〜どっちもいいですね。キュンキュンしますね。特にD、どれだけ偉い人間が使う例文なんだ。まあ当時の中学校といえばエリートコースだろうし、こんなことを言うようになるかもしれない人が学んでいたのかもしれない。

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なんだか哲学めいている。もしくは職務質問。

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「善良にして有用の人」なんて言い回しがキュンキュンする。俺は善良にして有用の人になれているだろうか。どちらにもなれていない気がする。

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水呑百姓って言葉のチョイスにキュンキュン。水呑百姓ってpoor peasantなんですね。そりゃそうか。

続いては問題文の方をいくつか紹介していこうと思う。例文以上にキュンキュンする。

EXERCISE

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世知辛い。世知辛いけどこういう話をしながら飲む酒は美味かろう。

これを英語の問題文に持ってくる明治時代センス。

残念ながら答の英文はこの本には載っていなかった。

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殺した。

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全くだ。ちょっと丁寧な言い回しがキュンキュンポイント。

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映画のセリフみたいだ。100%「戦場には卑劣も何もないのだ!」みたいな返し方をされるやつだ。

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犬シリーズ。本当に何をするつもりだ。

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犬シリーズ。過去形であるところを見るとすでに猛犬が何かやらかしたのだろう。

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世知辛い。さっきの乞食じゃないだろうな。心配で英訳どころではない。

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かけっこという言葉から感じられる子供っぽさからの超高圧的な態度。エリートだからな。足も速い。

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軍があった頃ならではの問題文。イケイケだ。

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バイオレンス。これくらい刺激的な英語の授業なら眠たくもならないだろう。

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本書で一番キュンキュンきた文。できることならこう死にたい。


以上、明治時代の英語の教科書のキュンキュンきた文を紹介してみた。キュンキュンしてもらえたことだろうと思う。

世の中どこにキュンキュンくるものが転がっているかわからないのでたまらない。世界はキュンキュンくるもので溢れている。

なお、古書セールではもう一冊『世界SEX俗語辞典』なるキュンキュンくる本を買ったのだがそちらも機会があれば紹介したいと思う。

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