見出し画像

京都に聴こえたお囃子の音

京都の夏
7月になるとコンチキチンというお囃子の音が、街中に流れて祇園祭一色となる。
あの独特のお囃子が鳴り響き、京都が暑い熱気に包まれると

「あぁ夏だ」そう毎年思うのだ。

祇園囃子はその名のとおり、「コンチキチン」という鉦(かね)の響きに特徴がある。鉾が練り歩くそのたびに音色は変わり、各町内10基ほどある鉾ごとに独自の曲を30曲程度ずつ所有するのである。

祇園祭は平安時代からずっと、京都の八坂神社を中心として栄えてきたお祭りである。
お祭りの名称「祇園祭」はそのむかし八坂神社が祇園社と呼ばれていたことが由来となっている。

始まりは貞観5年、863年のこと
そのころの京都は湿地帯としても有名で高温多湿であったこと、上下水道の不備が原因で京都の街はマラリアや赤痢が絶えず、

健康無事を願い始められたことが由来とも言われている。

都だった京都に集まる人達の平穏無事を祈るために、このお祭りは始まったと言われている。

明治時代までは祇園御霊会(ぎおんごりょうえ、御霊会)と呼ばれ、長く日本の三代祭として知られてきた。

京都は京都御所を中心に碁盤の目になっていることでも有名だけれど、各通りにはそれぞれの由来や歴史があって
祇園祭はその各町内にそれぞれの保有している山鉾が飾られることでも有名だった。

画像1

(写真は一昨年の祇園祭の様子)

たくさんの人が京都の街を練り歩くので、
京都市民が祇園祭に出向くか出向かないかは別としても

京都はそのお囃子の音が聴こえて夏を迎えると個人的には思っている。

しかし、今年は祇園祭の開催は見送られてしまった。正確には、関係者だけが参加するかたちで規模を縮小して行われた。

本当なら平穏無事を願って祈祷をし、祇園祭を開催したかったのだと思う。

けれど例年なら何百万人もひとが集まる祇園祭のこと、今回はひとが集まることを懸念してその大々的な催しものは無くなってしまった。

あのお囃子の音が商店街や、京都の街に鳴り響いても今年の夏はまだ始まっていないのかもしれないとさえ思う。

これはあくまでも個人的な感想だ。

毎年祇園祭の宵山あたりに、梅雨明けが重なっていよいよ夏が到来する…そんな心持ちでいたから、未だにしっくりと来てないだけかもしれない。
けれど8月も過ぎ、夏と呼べる期間が残りわずかとなって自分の中で「京都の夏」を感じなければいけないと思った。

そうしないと、わたし自身がどこへもいけないからだ。

本当なら観光に来てほしいと思っている。京都は観光を始めとして神社仏閣や、京都に根付いた文化でその街をアピールしているところがある。

だから本来なら祇園祭も観に来てほしいし、京都の街を心ゆくまで楽しんでほしい。


ただ今年はイレギュラーな夏。

たくさんの人が接触する催しは避けなければいけない。

そうみんな思っている。

来年の夏ー…

また京都の街には「コンチキチン」と祇園囃子の音が鳴り響くのだろうと思う。

そのときは、笑顔で皆んな笑って肩を組み、あの大きな山鉾が動くのを見る日が来ているのだろうか。

そうなってほしい

心からそう思いながら、わたしは心のなかで閉じていた京都の夏の扉を開けた。






この度はお立ち寄り下さり、ありがとうございます。ニュイの考えに共感いただけたら、サポートして下さると喜びます!!サポートいただいた分は、今後の執筆活動のための勉強資金として大切に使わせていただきます。