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Amazon Go NY1号店で、現金払いを体験!

NYも…? と噂されていたAmazon GoがついにNY1号店をオープンしました。まだ先かと思っていたので、昨日New York Timesでニュースを見たときはびっくり。

大急ぎで今日店舗に行って、まだNYでしか行われていない現金払いを体験してきました。

Brookfield Placeにオープン

Amazon Go NY1号店は、Brookfield Placeというショッピングモール内にオープンしました。

兼ねてからここでは? と噂されていた場所に、実際にオープンした形です。位置的にはマンハッタンの中でもかなり下の方で、ワールド・トレード・センターのすぐそばになります。

このエリアはFinancial Districtといって、ウォールストリートを有する金融街です。今日訪れたときは、パリッとスーツ姿のいかにもウォールストリートから来ました! という感じの人はほとんど見かけませんでしたが、オフィスが多いエリアなので、店内は、仕事の合間にランチやスナックを買いに来たビジネスパーソンで溢れていました。

Brookfieldには、気になるお店がいっぱいあります。メンズ服のD2C、Bonobos。

ブロー専門美容室のDrybarに、日本にも店舗を構えるカナダ発のアスレチックアパレルブランドlululemon。

IPO間近と言われている、ライブ配信型のフィットネスバイクスタジオPelotonは、1階で体験スペースを展開していました。

現金払い、いずれは全店で導入?

Amazon Goのシステムは、すでにいろいろなところで紹介されているので、私は現金払いに特化したレポートをお届けします。

Amazon Goは専用のスマホアプリを使って入場し、欲しい商品を買い物袋に入れてお店を出るだけで、決済まで終了! と、完全キャッシュレスを売りにしてきたお店です。しかしNYでは、現金払いというシステムを導入しました。先のNew York Timesの記事では、このようにあります。

“When we designed the store from the beginning, cash was not part of it,” Mr. Janes said. “But we recognize that a subset of customers out there do want to pay with cash.”

"お店の設計をした当初は、現金(払い)はそこに含まれていませんでした。しかし一部の顧客が、現金で支払いたがっていることに気づいたのです”

確かにAmazon Goの専用アプリを使って買い物する場合には、アプリと紐付けるためのクレジットカードや銀行口座を所有していることが前提になりますが、すべての人が持っているとは限りません。

こうした人たちにも使ってもらうためにはと考えた結果、現金払いを導入したようです。将来的には、Amazon Go全店で現金払いできるようにしていくとのこと。

私は週に2〜3回は注文するほど、Amazon Prime Nowのヘビーユーザーなのでアプリでも入場できるのですが、現金払いを試してみたかったので、2回お店に入りました。1回目は現金払い、2回目はアプリを使用してです。

現金払い客は、入場まで少し時間がかかる

私が行ったときはオープンしてから2日後とあって、50人ほどの入場待ち行列ができていました。

しかし回転が早いので、実際には2〜3分待っただけでお店に入れました。入場をスムーズにするため、待っている間に「アプリは準備できている?」とスタッフの方に聞かれます。

私は、「現金で払いたい」というと、「入り口のスタッフに伝えて」と言われました。

あと一歩で私の番というタイミングで、この写真左側にいたスタッフの方に、「現金で払いたい」と告げると、中にいるスタッフに「このお客さん、現金払いだから対応して!」と、そのスタッフの元まで案内してくれました。

エントランスゲートの手前にいる彼女に、「現金ね?」と再度確認されます。「はい」と答えると彼女が自分のスマホを取り出し、QRコードを表示させました。

そのQRコードを使い私を入場させる仕組みなのですが、その前に、私が現金払いの客だと店内のスタッフが把握しておく必要があるようで、店内にいた他のスタッフも呼ばれました。

彼女がスマホをかざし、いざ入場! さきほど呼ばれたスタッフの方がゲートの先で待っていて、「買い物が済んだら、Bradyというスタッフが会計するから、あそこのテーブルまで来て」と、店内の中ほどにあるテーブルを指差し、伝えられました。

その後買い物をしている間に、Brady本人がやってきて、「現金払いの人だよね? 買い物終わったら僕のところまで来てね!」と。

OK! と了解し、買い物を続けます。Amazon Goはコンビニとある通り、店内にはスナック、ドリンク、すぐに食べられそうなサラダやサンドイッチ、お寿司など、いろいろと置いてあります。お寿司買って食べてみましたが、美味しかったです。

会計は手動で

自分のスマホアプリで入場したお客さん同様、現金払いの客もAmazon Goバッグに商品を入れていきます。

現金払いのときはこのバッグにポンポン商品を入れていくのに特に抵抗はないんですが、2回目にスマホアプリで入場したときは、多くの人がすでに書いているとおり、ドキドキしました。こ、このまま出ていいんだよね…と。悪いことしているわけじゃないんですが、なんだか悪いことをしているような不思議な感覚。

あとでまたスマホアプリで入場する予定だったので、ひとまず3個だけ現金で買ってみることにしました。先に言われていたとおりBradyの元にいくと、私の前に一人、現金払いのお客さんがいました。

私も会計してもらうために、バッグを渡すとなかから商品を出してくれました。そしてひとつずつ、ハンドスキャナーで商品を読み込んでいきます。

すべての商品を読み込み終えると、紙のレシートが出てきてそれを渡されました。

このテーブルのなかに金庫があるようで、都度鍵で開けては、現金を取り出したり閉まったりしていました。

Bradyに、「私のように現金で支払う人どのくらいいる? 」と聞いたら、「全然いないよ!」と苦笑い。確かに入場時のスタッフのバタバタ度合いを見たら、全然いないんだろうなーという感じでした。

オペレーションは改善の余地あり?

支払い自体はスムーズにいきましたが、現金払い=アプリを持っていないところがいろいろとネックになっているようでした。課題として感じたのは以下の3つです。

・スタッフのスマホを使用するので、他の客に比べて入店までやや時間がかかる
・スタッフが私の顔を覚えておかないといけない
・現金払い客が増えたとき、万引きのリスクが増える?

もし現金払いの客が、支払いを済ませないまま出口を通過したら何かしらのセキュリティが機能するのか、今日の時点では試していないので分かりませんでした。入場時はスマホアプリをゲートにかざす必要がありますが、退店するときは何もせずに出られてしまうので、パッと見たところではそのまま出てしまえるような感じはあります。

もし今の時点ではまだ人力で管理しているのだとしたら、人の記憶に頼るアナログなオペレーションは、結構危険な気がします。実際1回目から10分くらいでスマホアプリを使って再入店しましたが、ゲートにいたスタッフのお姉さんは私の顔を覚えておらず、「また来たよ!」と言ってもポカーンとした様子でした。

天井に無数に設置したカメラで来店客の行動を見ているだろうとはいえ、「支払いをせずに出ていった客」をどこまで認識するのか。または、ゲートで何かしらのセキュリティが機能するのか。

そうした問題をどうクリアしていくかも含め、NY1号店はいろいろ実験をしていくはずなので、今後の展開に注目したいと思います!

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