見出し画像

生命保険のお値段

昨日から、まるで自分が女優高島礼子にでもなったかのような、驚きと怒りが入り混じった心境にある。

夫の秘密が最悪の形で露呈したのだ。


そもそも私が

「あなたの生命保険の額、倍にしてよ」

と夫に申し出たのは、ひょんなことから、シングルアラフォーの友人と生命保険の話になったことがきっかけである。

彼女は、両親を受取人にして、夫より遥かに多い生命保険に入っているらしく、「あなたのところは当然もっと備えてなくちゃダメよ!」と葉っぱをかけられた。

確かに2年前に加入した額では、万が一の時に心もとない...

そこで、2年前に担当してくれた米大手保険会社の中国系アメリカ人の男性に連絡をしたところ、「もう一度健康診断を受ければ、すぐに同額の保険がおりるよ」と言われた。

保険会社の専属医師が、健康診断のため自宅にきたのは数週間前の土曜日

そして昨日、担当者からメールが届いた。

『大変残念なことに、尿検査の結果、ニコチンが発見されました。よって、スモーカーとして認定され、保険の掛け金がスモーカーレートになります。』

なにこれ!?!?

もう10年も近く前にタバコはやめたはずなんですけど!?

すぐさま電話で問いただすと

「半年前からたまに吸ってました。」

と言う。

それならば、なぜ堂々と健康診断を受けたのか。前夜、コレステロール値を気にしてフライドポテトを控えておきながら、タバコは吸っていたというこのバカバカしさ。

「そこまでは分からないと思った」

という信じがたい弁明はもとより、私はタバコがこの世でなによりも嫌いなのだ。これだけ健康被害が明らかになっているものを、わざわざ高いお金を払って常習するなど、正気の沙汰とは思えない。

今時、アメリカでタバコを吸っていると、即座にセルフコントロールができないルーザーの烙印が押される。

というわけで、保険会社から提示されたスモーカーレートの掛け金は、なんともノンスモーカーの約4倍。

 当初56ドル/月との見積もりが、198ドルに跳ね上がった。

「I'm so disappointed.」

その金額では加入できない旨を保険の担当員に伝え、心の底からそう言うと

「Me too. I'm with you.」

と返ってきた。

1年間禁煙して、再度健康診断を受ければ、『元スモーカー』に格上げになり、掛け金は110ドルになるそうだ。それでも、加入期間が20年間として、一体どれほどの差になることか。

「タバコを吸っていると教えてくれれば、一ヶ月禁煙してから検査を受けろってアドバイスできたのに....」

携帯の向こうの声が虚しく響く。

何度ため息をついても足りないが、愛人とコカインをやっていたわけではないだけ良かったと思おう。

・・・・・・・・・・
☆毎日更新中のInstagram
☆ブログは月・水・金更新: NYでデトックス
Facebookに「いいね」して頂くと、ブログやウェブマガジン連載の更新状況が届きます
・・・・・・・・・・


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?