2回目の新婚旅行はその日暮らし.. 前置き(南仏・イタリア'19)

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初秋、2019年の9月の中旬から末にかけて、二度目の新婚旅行というものにいってきた。離婚して再婚した訳ではない、そして結婚生活も2年を超えている。勝手に新婚旅行と呼んでいるだけだ。行き先は、南仏・ニースに片足をつっこみながら、北から中部にかけたイタリアだ。この旅では、スマホという道具を活用して、現地を移動しながら旅程を決めたり、宿予約をする、という行き当たりな部分もあった。その中で学んだ事を、浅く広く思い出したい。

自分にとっての新婚旅行を定義した結果、結婚から3年以内に行う、主に1週間を超える大きめの旅行をそう呼ぼうとしている。かくも、本当の新婚時代(1年以内)は長い休みはおろか、仕事で疲れきって週末はごろごろ、正月の実家への挨拶を除けば1泊の旅行すらしていない。

結婚して2度目の冬に初めて新婚旅行らしき旅行ができた、夫のアメリカ行きで生活が変わったのだ。初めての新婚旅行は日本人に人気の旅行先の一つである、ペルー・ボリビアへ2週間の旅行へ。ハードで冒険の要素の多めな、しかも高山病で頭痛と闘うという、南の島のリッチなハネムーンとはかけはなれた新婚旅行であった。

このため、私としては今回の南フランス・イタリア旅行を、二度目の、真の新婚旅行と呼びたい。もっとも、個人旅行で移動多め、所々にケチ心も加わって、リッチなハネムーン、とは呼べないものだが。ペルー・ボリビアのハードな旅と比べれば、より新婚旅行感はあったと思う、行き先の響きからして。南仏とイタリア。なんかリッチそう、すてき、フィレンツェで冷静と情熱の間ごっこをしたのかしら、という声が聞こえる。まあ、ただの夫婦旅行といってしまえばそうなのだが。しかし長かった、最長記録、ざっくり17日間か。こんな長い旅行もう引退まですることないだろうなあと思いながら、夫とイタリアを巡っている旅行の日々の疲れの中で、ありがたさと、こうして二人で旅行ができるかけがえのない時間を思った。

さあ、旅行の概要だが、南フランス、いわゆるコートダジュールに足を踏み入れながら西に進み、イタリアのジェノバに入った。そして、この先は、ワインの大産地である田舎と大観光都市、小観光都市、小さなまちを巡り、最後はローマ、バチカン市国でしめる。途中で、初めての海外レンタカーもやってみた。

全て個人手配なのだが、今回は出発前にホテルや電車をおさえる、という基本的な事をせず、旅先で、翌々日、翌日のホテルを予約する、翌日の電車のチケットを買う、ということを繰り返した。何となく、とてもしっかり計画した日程表(宿泊地と移動とその日の観光する街のなまえというざっくりしたしっかりした日程)を2パターン作っていたのだが、2パターンから絞れなかったのもあり、宿予約せずで各都市の滞在日程もフィックスせず。途中、気分で滞在日数を変えたくなるかもしれないと思ったからだ。それと、言い訳すると調べ尽くす余裕がなかったことだ。この、予約しながら旅行が功を奏したのは、「ああ、やっぱりこの田舎の地域にもう一泊したい」と思った時にそれが叶えられた事。後ろ髪をひかれながら、はい移動移動、となることを防げた。逆に、観光地は疲れたしフィレンツェは我々には1日で十分、1泊にしよう、など元々2泊計画を短縮してその分、シエナに1日使えたり。一番、この方法にした功績は、フィレンツェを1日だけにして、シエナに行けたこと。シエナも有名な街だが、フィレンツェに比べたら静かなものだ、そして坂の街の全体が、統一感のある色味、中世の面影が色濃く、好きな街の一つになった。

しかし、デメリットもある。一に、疲労だ。旅行でただでさえ疲れているのが、検索でスムーズに希望に合った宿がない場合に特に、色々と検討して時間も精神的にもやられることもあった。宿の検索を前々日や前日にすると、特に大きな観光地や土日と重なった場合には、意外と予算と口コミや評判と見合った宿が数軒に限られる。ベネツィアは最悪だった。元々物価が高いのもある。土曜と重なったせいもあり、オフシーズンというのに、駅からスーツケースを持って歩けそうな距離と、予算と合わせると、予算外しかなかった。予算と立地はよくても、ブッキングドットコムやホテルズなど駆使しても、見た事のない低評価の宿しか残っていなかった。どんな宿だ、宿も食と並んで重視する派なので、宿で嫌な思いをして旅を台無しにしたくない。しかたなく、他の日よりも倍の値段を払って、立地と口コミが適度な宿にした。フィレンツェも、似たようなものだった。駅から10分以内の宿は皆無に近かった。


明日の宿がないかも。という不安におそわれそうになる。旅の中盤で、もうこんな生活嫌だ!、と残りの宿をガーッと予約したことで、ずいぶん、精神的に安定したものだ。明日の寝床がないかもしれないという不安は、旅をいくぶん疲れるものにするのだということを学んだ。いくら今がネットで何でも、どこでもできるといってもだ。

また、レストランもだ。いくつか事前にチェックしていたレストランで、電話必須のところは、現地で電話をして予約をした。いくつかはネットから予約した。しかし、小さい街では前日や、当日の直前電話でも何とかなる傾向にあったのでたかをくくっていたのだが、困ったこともあった。それは大都市のディナーだ。具体的にはローマだ、よさそうなところは、当日電話して夜の予約ができなかった。夕食難民になりかけた。調査が足りず、他の都市と比べて、あたりをつけるのが難しいことも要因だった。主観では、他の街よりも、トリップアドバイザーなどの口コミで評判の良いところでも、口コミにばらつきが大きく、全体的に若干評価が低いように思えた。そもそも当日の夕方、開店前、電話に出ない。やっと出ても、22時なら、と2回転目の席ならあるという始末。翌日フライトなのでその遅くは諦め。

なお、大都市ミラノは、チェックしていた良さそうなお店が休みで、高くてそこまで満足度の高くないレストランか、安いが接客が最悪のところに当たってしまったので、平日の夜に予約無しで当日入れても当然のようなものだ(多少ははやっていたが、満席ではなかった)。他に難航したのがベネツィア、シエナ(街への到着自体が20時をまわり遅かったのもあると思う)か。これがちょっと田舎や、小さい街となると、ときに最高の、サービスも味も雰囲気もすてきなお店に当日の電話で入れることがほとんどだった。1日前ならほぼ確実。

今後に生かすとしたら、特に人気の観光地(今回はローマ)は、事前に調べて予約することだ。ただ、今回は総じて、大満足の食事が他の街でできていたので、よしとしよう。教訓は、狙いのお店があれば2日以上前に予約せよだ。なぜなら、我々のこの新婚旅行は食が鍵をにぎっているといっても過言ではないから、おいしいものを食べるためにイタリアまで行ったようなものだ。

なにより悔やまれることは、事前に予約しないことの最大のデメリットだった、予約必須の観光ポイントを逃す事と学んだ。必須ではなくても、予約しないと、券を買う列に並ぶ時間を浪費することになる場所も多い、例えばウフィッツィ美術館、バチカン美術館など。救いは、最悪だが予約無しでも、並べば入れると言う命綱はあるところだ。しかしフィレンツェのあのドゥオーモに登るには、事前予約が必須なのだ。チケットオフィスを訪れたとき、カレンダーを見せられて、言葉がわからなくてもそれを理解した。5日先くらいまで埋まっていた気がする。私は登らなくてもよかったのだが(実はイタリアは二回目で、近年来ている)、初めての夫は、なにせ「冷静の情熱の間」で男女がドゥオーモで再会するというシーンを語り、他は行けなくていいからドゥオーモだけは登る、と、階段が嫌いなことも忘れて鼻の穴を広げて言っていたのだ。それは女の30の誕生日に再会しようと約束するという、ロマンティックなものだった、話を聞いた私もしばし、登りたい情熱に燃えた。しかし、、夢破れたり。「5日後フィレンツェに戻るか?」「戻らないよ」冷静に私は言った。

前置きだけで長くなってしまったが、この旅の模様は旅日記のように、以降何回かに分けて書いていこうと思う。

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