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【小説】地獄の楽しみ方 (京極 夏彦)

京極先生とは思えない薄さの本だなぁとか思ってたら、一般公募で募った未成年を中心とした特別授業を元に構成した本だった。
未成年向けの講演とは言うものの結構読み応えのある内容だと思う。
老若男女分け隔てなく読んでいただきたい本である。
役に立たないのではなく、役に立たせるにはどうするのかという思考の模索や定着がテーマなのだろう。
言葉は欠けているものであり、その特性はデジタルである。
アナログ化するのであれば細分化し解像度を上げる必要がある。
『愛』などの言葉の使用には要注意。
愛はやたらと叫ぶものではなく囁くものである。
小説の読み方に正解はない、すべては誤読である。
書き手が考えるべきはどれだけ誤解されようとたくさんの解釈ができる様書く事。
言葉一つで変わってしまうこの世界。
SNS炎上、対人トラブル等々。
あらゆる諍いは言葉の行き違いから。
語彙を増やして使いこなす。
この地獄という現代を楽しく生きるための徹底講座。
京極堂ばりにツキモノが落ちて、腑に落ちた感覚が心地よかった。

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