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綺麗なだけでは・・・

ケーキ屋さんのショーケースを見ると、本当に綺麗に飾ってあります。やはり流行があるようで、昔の姿のモンブランなんかは、あまり見かけなくなりました。あの、スポンジの上に芋クリームを丸く絞り、栗の甘露煮を載せたものです。

時々、「どうやって食べると崩れないのかな?」と言う位、こんもりとフルーツを盛り込んだものがあります。買って帰って、家族と食べる時、友人や恋人と食べる時、沈黙が流れそうです。

昔、シュークリーム、エクレア、ミルフィーユはデートで食べてはいけないお菓子でした。かなりの菓子通でないと、綺麗に食べられないからです。べっとりと、クリームを口のまわりに付けるような食べ方を見られるくらいなら、食べないことにしようという訳です。

今の若い人は氣にしないのかな?それとも作る側が、見た目のよさだけを追求して、食べやすさを考えてくれていないのかしら?

先日見ていた料理番組、イタリアのシェフが(イタリアにとっての)外国の料理番組をみて、コメントするというものでした。

「なんでこんなの入れるの?ちがう料理になるわ。」「これは飾りに使わないわ。味が合わないもの。」「食べにくいよ」etc.

物凄く、共感しました。綺麗に見えても、味が合わないものを載せたくないし、人前で綺麗に食べられないものを出したくない。わかります。

確かに日本料理でも笹や紅葉を飾りに使いますが、料理の味や香りを相殺するものではありません。笹の香りを、風味として利用したりします。ただの飾りではないのです。

見た目だけを考えたお菓子、料理は、食べてもらうという気持ちが感じられません。美味しいものを、より美味しく食べてもらうための飾りです。何が主役か忘れてはいけないと思います。



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