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ムドーの城

 前回の配信について個人的な反省点が多く、そのミスを取り返さないとと考え続けて胃が痛くなってきた。最近は心労がそのまま胃にくる。そのせいで鍛えて順調に増えた体重がまた減り始めてきて悲しい。
 とはいえ、あれだけの配信を成功させた(自分では納得いかない部分はあれども)のだから、ひと段落ついたことへのご褒美や気分転換を自身に与えてもいいんじゃないかと思いつつ、二度と油断しない戒めもかねてスパチャ額と同じ30万を寄付したことを思い出して、いまは何かにお金を使う気にもなれなかった。
 何をどうすればいいのかわからないまま、とにかく精神に影響させようと音楽をつけてみる。DQ6のBGMを聴いていたら、ムドーの城で流れる曲名が『ムドーの城』であることを知る。

 瞬間、ぞわっとしてしまった。自分の家のBGMがそのまま自分の名前+施設の名称なのめちゃくちゃ嫌だな。たとえば僕の自宅に専用BGMが流れていたとして、それが『にゃるらの自室』ってタイトルだとなんか恥ずかしい。ムドーも同じ気持ちなんじゃない?
 ゲームの曲名が分かり易いことに越したことはない。なんなら曲名のシンプル性にも美学を感じるし、DQののんびりとした優しい印象に一役買っていることでしょう。「ムドーの城で流れたんだからムドーの城だろ」と言われるとそれはそうなんだ。これが『VSムドー』とか『ムドー戦』なら無駄がなくて良いなとも思うけれど。
 他人の気持ちを想像して勝手に決めつけるのはよくないので、ムドーのことを考えてみようとドット絵を眺める。
 鳥山明らしい、いかにも変身しそうなぶよぶよ感と毒気のありそうな色が好きだ。複雑なストーリー展開のなか、結局は変身もしない程度の扱いなことがまた好きだ。「ラスボスのなりそこない」な不憫さが子供の頃から妙に心に残っている。デスタムーアのビジュアルが強烈すぎる反動もあるでしょう。


 テリー時のGB用に簡略化されたドットもまた味がある。「エスタークやデスピサロのような一目でわかるダークなカッコ良さ」ではなく、「現実にいたらぶよぶよして気持ち悪そうなグロテスクさが良い!」というウルトラ怪獣的な趣がありますね。自分が勇者だとして、エスタークと刃を交えるのは武人として燃えるけれども、ムドーとかラプソーンは斬るたびキショい液とか飛び散りそうで嫌じゃん。そこが好きだ。
 ハーゴンとかも倒した後にSNSでネチネチ粘着してきそうで嫌だ。
 こんなムドーも、一応服を纏うくらいの体裁はあるんだから、やっぱり自身の城に自分の名前が使われたBGM(それもオシャレに名前が組み込まれてるとでない)が流れる微妙さに一言あるんじゃない? 英語ならまだいいよ。『クッパキャッスル』は重厚でカッコいいし。『ムドーの城』は、ねぇ?
 ムドーの城手前にムドーが居たところは『地底魔城』と呼ばれる。これは手放しでかっこいい。世界の位置関係がストーリーの根底にある6ならではなネーミングセンス。自分のお城で流れている曲が『♪地底魔城』なら何も嫌じゃない。むしろ誇らしいまである。地底魔城の主。ダイ大でも同じ名称のダンジョンが登場するくらいだ。
 ムドーのこと考えていると少し元気が出てきた。お礼にソフビを買おうかなと思ったら、すでにムドーはプレ値で高くなっていた。プレ値で買うほどの好意はない。まさしくムドーらしい立ち位置である。
 

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